沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 学校法人大庭学園立那覇市公私連携型保育所 若狭浦保育所
基本情報
- 事業所名:学校法人大庭学園立那覇市公私連携型保育所 若狭浦保育所
- 経営主体:学校法人大庭学園
- 所在地:沖縄県那覇市若狭3丁目18番6号
第三者評価結果の概要
総評
特に評価の高い点
1.子どもがおいしく安心して、楽しむことができる食事を提供している。
園の献立作成のこだわり「(1)旬の食材を使う(2)添加物や農薬に気を付けて食材を選ぶ(3)ダシからすべて手作りにする(4)硬さや大きさなど年齢に合った食材の形状にする」を、食育だよりに記載して保護者等にも周知している。アレルギーのある子どもには除去食や代替食で対応し、子どもの体調に応じたお粥の提供もしている。毎月の給食会議で子どもの喫食状況を報告して食材の切り方や残食の多い献立について検討し、食べやすい切り方にし、ハサミを入れる等の改善をしている。栄養士からは窒息防止の方法等の助言もあり、安全・安心な給食の提供を実施している。果物も含めて旬の食材を使い、季節や郷土色を感じる給食やおやつが提供されている。食事は1階の遊戯室をランチルームとして活用し、クラスごとに時間をずらして食事をしている。乳児は、手づかみで触れて見て食べることやスプーンも置いて子どもの発達に合わせて自分で食べたい気持ちを育てている。偏食や食の細い子どもには無理強いせず「一口食べてみようか」等、声かけを工夫し、少量から始め、食べられる量が増えるような援助をしている。3~4歳児はゴーヤーやオクラ、等の栽培活動に取り組み、収穫した野菜の調理体験を通して食について関心を深めている。
2.保護者が安心して子育てできる支援をし、家庭と連携している。
保護者が安心して子育てできる支援については、登降園時や電話、面談で子育ての相談に対応し、お便り帳や連絡ボード、写真の掲示等により園での子どもの様子を伝えている。保護者とのコミュニケーションを図り、気軽に話せる雰囲気づくりに心がけ、信頼関係の構築に努めている。22時までの延長保育や一時保育が実施され、園だよりやコドモンのシステムを使って、園の方針や園での様子を発信している。「食育だより」では子どもの体の仕組みと食べ物との関係などをわかりやすく情報を提供し、児童館や公民館の便りなどを掲示して保護者や地域の子育てを支援している。子どもの発達の状況や家庭との子育ての共有については、保護者の事情に配慮して時間等を設定し面談や保育参観、各種行事を実施している。第三者評価受審に向けた保護者アンケート結果で「保育園からの目標や方針の説明」と「保護者からの意見や提案が園だよりや掲示板などで説明」については、100%が「されている」と回答している。
3.職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。
職員の就業状況や意向の把握、働きやすい職場づくりとして、労務管理に関する責任者は所長とし、職場内での相談は主任が窓口になって対応している。福祉人材の確保、定着の観点から働きやすい職場づくりに関する取組に関して、福利厚生として日本私立学校振興・共済事業団の退職金制度に加入し、給与等の待遇面も母体法人によって配慮されている。ワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい環境としては、完全週休2日で、3日間のリフレッシュ休暇の取得が実施され、育休明け等で時短勤務を希望した場合は、1日6時間の勤務が可能である。子の看護休暇も半日単位で取得でき、子育て中の職員に対して定時出退の要望にも対応するなど整備されている。今年度はキャリアパス制度に4名が申請し、申請費用を法人で負担している。
改善を求められる点
1.中・長期計画をふまえた事業計画の策定と実施状況把握のための時期、手順の作成が望まれる。
単年度事業計画は、全体的な計画に基づいて概要や保育所経営、保育所運営、保育内容に関する保育所の評価、食育計画、保健計画、安全計画、年齢別年間指導計画、年間行事計画、各種指導計画、活動・行事実施計画、研修、安全計画、子育て支援等、多岐にわたった内容で作成されている。職員参画で作成し、年度初めに全員に配布して周知を促すための取組を行っている。教育・保育計画の一つである保育所評価については、保護者アンケートを1月に実施し、職員自己評価は3月に実施している。行事計画等は実施後にリーダーミーティングで評価反省、見直しが行われている。保育所経営や運営等は所長が見直し、3月に次年度の案を作成している。事業計画には中・長期計画の年度の事業を位置づけること、及び実施状況の把握や評価・見直しについて、時期を明確にした手順を定め、手順に基づいた把握や評価・見直しが望まれる。
2.子どもの権利擁護に関する取組を徹底し、子どものプライバシー保護に配慮した保育が望まれる。
子どもの権利擁護に対する取組については、市の「子ども虐待対応マニュアル」や「保育所保育園における人権擁護のためのセルフチェックリスト」、「全国保育士会倫理要綱」が整備されている。重要事項説明書に運営方針として「【心豊かな子】の育成として子どもの最善の利益と幸せを追求する」ことを明記している。子どものプライバシー保護に配慮した保育について、ベランダでの水遊びの際は外からの視界を遮断するため目隠し用ネットを設置し、保育室での着替え時にはカーテンを閉めて配慮している。
権利擁護に関する取組について具体的に検討する機会の定期的な開催、人権擁護のセルフチェックリストの活用、子どものプライバシー保護に配慮した規程やマニュアルの整備、及び保育室内での子ども同士の着替え時の視線やシャワールーム、トイレでの排せつ時のプライバシーへの配慮、子どもや保護者へのプライバシー保護に関する取組の周知等が望まれる。
3.苦情解決の仕組みの確立、及び保護者への周知が望まれる。
苦情解決責任者は所長、苦情受付担当者は主任であることが、「苦情解決委員会に関する規程」及び職務分掌で定められ、第三者委員を2名選任している。苦情受付の流れと第三者委員の氏名と連絡先、沖縄県福祉サービス運営適正化委員会の連絡先が記載されたポスターを玄関に掲示している。意見箱を設置して記入用紙と筆記用具が準備されている。保護者等には入園時に配布する重要事項説明書で苦情相談窓口と苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員について説明している。毎年、保護者アンケートを実施し、行事ごとにアンケートで意見を求めるなど、保護者が苦情や意見を出しやすい工夫を行っている。当評価事業における利用者アンケートにおいて、9割の保護者が気軽に相談ができる雰囲気・態度があると回答している。
苦情だけでなく、保護者や地域からの電話や口頭での相談・苦情についても受付から対応・結果の報告までを記録し、保護者等への報告及び公表が望まれる。
第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
公私連携型保育所として開所して3年目、初めて第三者評価を受審しました。その中で法人の理念や若狭浦保育所の保育目標等を踏まえ、職員一人一人が、保育者として自身を振り返る良い機会となりました。また所内取組のマニュアルや要項等の整備と適切な活用、地域・保護者との連携の意義など、多くのことを学ぶことができました。
保護者アンケートから見えてきた意見、要望等は、保護者の方々の思いをくみ、これからの保育所運営にしっかり活かして取り組んでいきます。高い評価をいただいたことについては、自分たちの今後の保育の糧とし、改善すべき点については真摯に取り組み、より良い保育の実現につなげていきたいと思います。
第三者評価機関
特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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