沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 児童養護施設 なごみ
基本情報
- 事業所名:児童養護施設 なごみ
- 経営主体:社会福祉法人 ひんぷん会
- 所在地:名護市字辺野古1009番地7
第三者評価結果の概要
総評
特に評価の高い点
1.子どもの権利擁護、最善の利益に向けた養育・支援が充実している。
社会的養護施設における子どもの権利擁護の取組は、子どもの最善の利益を中心に据え、「安全」「自己肯定感」「地域共生」を基本方針としている。入所時や年2回の定期説明では「権利ノート」や絵本を活用し、子どもの権利理解を促進している。こども会で意見表明の場を提供し、寮のルールは子どもの意見を反映して決定している。出生や生い立ちの伝達は、子どもの発達段階を考慮し、児童相談所と連携して行う。歓迎会や1対1の関わりを通じて不安を軽減し、絵本の読み聞かせや夜間対応で家庭的環境を整備している。子どもの主体性を尊重し、自立を支援している。
2.職員が連携し、食生活や衣生活、性に関する教育など様々な養育支援の質の確保もできている。
社会的養護施設では、地域行事への参加を通じて地域との関係を深めるとともに、生活習慣や社会規範、生活技術の習得を支援している。子どものリクエストを反映した献立作成や衣服の購入時の同行など、主体性を尊重する取組を実施している。性教育は年齢や性別に応じ体系的に行い、職員も勉強会で知識を更新している。問題行動や心理ケアについては、児童相談所や医療機関と連携し、心理療法士が中心となり支援を行う。進路支援では奨学金の説明や職場体験を提供し、退所後も24時間対応で支援を継続している。親子関係再構築のため、家族との面会や外泊を定期的に実施し、信頼関係の構築を図っている。
3.施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、前回の第三者評価結果の全項目について検討・課題を把握し、改善に向けて指導力を発揮している。
前回実施した第三者評価結果から、養育・支援の質の現状を把握し職員とともに運営委員会や三役会議において確認・評価・改善に検討が行われている。評価結果を項目ごとに検討内容がまとめられ、3年間をかけて改善に取り組んでいる。その結果から参与としてスーパーバイザーを配置し、全職員対象に毎月研修を実施している。小規模開設前に職員を採用し新任職員へのOJTの実施等に取り組んでいる。さらに施設長においては県内外の研修受講や職員と伴に受講する等専門性の向上に努めている。今回の評価調査から養育・支援の質の向上に目を見張る結果が得られている。
4.経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮している。
経営改善と業務実効性向上のため、労務は社労士に相談し、財務は公認会計士の助言を得て月次報告を作成し、そして人事は運営会議を経て理事会で決定される。スーパーバイザー(参与)を配置し、各専門職員の配置や増員、通勤手当の増額など、働きやすい環境の整備に取り組んでいる。業務効率向上のため、ネットワークシステム導入やZoom参加を認め、小規模施設や遠隔地の職員も会議に参加可能としている。また、運営会議や三役会議で施設長が職員の意見を聴き、対応している。職員自己評価では、各専門職の配置や小規模開設前に新任職員を採用することで、支援がスムーズに対応出来るようになったことなど施設長の姿勢に対して高評価のコメントが寄せられている。
改善を求められる点
1.職員の質の向上に向けた体制が確立が望まれる。
職員一人ひとりの育成に向けて「期待する職員像」を明確にし、施設長が毎月、職員一人ひとりとの面談を実施している。
「期待する職員像」の達成に向けて、職員一人ひとりに目標(目標項目、目標水準、目標期限)を設定させ、設定した目標について年2回の面接による目標達成度の確認が望まれる。「職員研修実施要綱」(研修計画)への「期待される職員像」全文の追記、及び年度の施設内研修計画の作成が望まれる。
2.地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われることが望まれる。
ハーリーや区民運動会・学事奨励会・グランドゴルフ大会などに積極的に参加し、地域の美化作業にも協力し、地域の活性化に貢献している。地域で1月3日に実施される「新春走り初め大会」で施設より、給水や飴などを配布する予定である。
施設独自の主体的な取組等により、組織として地域の具体的な福祉ニーズを把握し、これらを解決・改善するための施設による公益的な事業・活動の実施し、計画等で明示することが望まれる。
第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価受審を通して運営や業務に関わる改善点を確認することができました。改善点については以下のように対応に努めたいと思います。
1.職員の質にに向けた体制の確率が望まれるに関しましては、「期待する職員像」を基に職員に目標を設定してもらい、その目標に届くよう職員のスキルアップ、モチベーション向上、また、施設長面談を年2回実施致したいと考えております。
2.地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動が行われることが望まれるに関しては、1月3日、区主催「新春走り初め大会」で、なごみ入口前で給水・黒糖等の提供をいたしました。今後、恒例といたします。学校での読み聞かせにも参加いたしたいと考えております。
地域の福祉ニーズに関しては、児童家庭支援センターとも情報を交換し、地域のニーズを把握し、施設としてできる事業を計画・活動実施いたしたいと思います。
また職員の自己評価に関しては、職員一人ひとりが養育・支援や運営に関して現状や課題を確認することができました。今後も子ども達の最善の利益のために、職員一丸となって、養育・支援・施設運営それぞれの質の向上を目指し、取り組んでいきたいと思います。今回の第三者評価受審を通して、職員が自身の養育を振り返り、課題を整理する大変貴重な機会になったことに、深く感謝申し上げます。
評価結果の詳細
第三者評価機関
特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
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