平成14年第8回議会(12月定例会)で可決された意見書・決議

ページ番号1020929  更新日 2024年1月11日

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意見書3件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成14年12月10日 在沖米海兵隊員による婦女暴行未遂事件に関する意見書 原案可決 全会一致
平成14年12月20日 WTO農業交渉等に関する意見書 原案可決 全会一致
平成14年12月20日 道路関係四公団民営化推進委員会の意見書に対する意見書 原案可決 全会一致

決議1件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成14年12月10日 在沖米海兵隊員による婦女暴行未遂事件に関する抗議決議 原案可決 全会一致

在沖米海兵隊員による婦女暴行未遂事件に関する意見書

去る11月2日午前1時30分ごろ、沖縄本島内路上に駐車中の車内において、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属隊員による婦女暴行未遂事件が発生した。
本件については、現在、米国政府が起訴前の被疑者の引き渡しを拒んでいるため、沖縄県警察は逮捕状を執行できず任意で事情聴取を行っている。このことは法治国家である我が国の法制度を否定し、主権を踏みにじるものであることから断じて容認することはできない。
米国政府が身柄の引き渡しを拒んでいる理由については、具体的に挙げていない。婦女暴行が未遂であっても暴力が被害者に与える精神的・肉体的影響の大きさと人権のじゅうりんという事の重要性、被疑者が在沖米海兵
隊少佐という指導的立場にあること、県民に与える不安及び懸念の大きさを考えた場合、何ら凶悪犯と変わらないという立場に立つべきである。
本県議会は、平成13年6月に北谷町で発生した婦女暴行事件に関し、起訴前の被疑者の身柄引き渡しと日米地位協定の抜本的見直しを厳しく求めたが、日米地位協定の運用の改善で処理された経緯がある。
その際、日本政府及び米国政府は、県民に対して、日米地位協定の運用の改善に当たっては、殺人及び強姦の凶悪犯については起訴前に身柄を日本側に引き渡す旨約束したのにもかかわらず、今回この最低限の約束が破られており、憤りを禁じ得ない。
よって、本県議会は、我が国の主権及び県民の生命・財産・人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。

1.被疑者の身柄を直ちに日本側に引き渡すよう再度要求すること。
2.日米地位協定を抜本的に改正すること。
3.米軍基地の一層の整理縮小と海兵隊を含む兵力の削減を行うこと。
4.綱紀粛正を行い、兵員に対する教育の徹底など実効ある再発防止策について万全を期すること。
5.被害者への謝罪及び完全な補償を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年12月10日

沖縄県議会

内閣総理大臣
外務大臣
防衛庁長官
沖縄及び北方対策担当大臣
防衛施設庁長官 あて

WTO農業交渉等に関する意見書

WTO農業交渉は、来年3月末のモダリティ確立に向けて、交渉は山場を迎えつつあり、我が国は、「多様な農業の共存」を基本に、「市場アクセス」分野や「国内支持」の分野において、農業の多面的機能などの非貿易的関心事項への配慮を強く求めている。
一方、アメリカやオーストラリアを中心とする農産物輸出国グループは、すべての関税を25%以下に削減し、その後廃止することや輸入数量の大幅な拡大提案を行っている。しかし、こうした提案は、非貿易的関心事項への配慮を無視するとともに、さきのドーハ閣僚宣言の内容からも逸脱している。
仮に、アメリカやオーストラリアなどの提案内容を基本としたモダリティが確立されるような事態になれば、我が国を含む世界の家族農業は、崩壊の危機に直面し、農産物貿易は一部の大輸出国や多国籍企業に牛耳られることは明白であり、こうした提案は到底受け入れられるものではない。
また、我が国と他国との間で、自由貿易協定に向けた検討が開始されているが、自由貿易協定は関税撤廃を基本とするものであり、交渉に当たっては、WTO農業交渉における我が国の提案内容を十分踏まえた対応が必要である。よって、国におかれては、本県を含む日本農業の将来が展望できるよう、下記事項の実現方について強く要請する。

  1. WTO農業交渉について
    • (1)「多様な農業の共存」という我が国提案の基本を達成できるよう、農業の多面的機能などの「非貿易的関心事項」が配慮されたモダリティを確立すること。
    • (2)アメリカやケアンズ諸国の提案を断固拒否するとともに、ミニマムアクセス制度の是正を含む見直しを実現し、米の総合的な国境調整措置を堅持すること。また、関税については、品目ごとに柔軟性を確保できる削減方式とすること。
    • (3)WTO農業交渉は、生産者はもとより国民的な課題でもあることから、理解促進のための対策を積極的に展開すること。
  2. 自由貿易協定について
    • (1)農林水産物については、品目ごとの事情を十分に検討し、国内関係品目に影響が生じないよう対応すること。
    • (2)食料自給率の極端に低い現状や将来の食料需給に関する国民の懸念に十分配慮し対応すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年12月20日

沖縄県議会

内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣経済産業大臣 あて

道路関係四公団民営化推進委員会の意見書に対する意見書

去る12月6日道路関係四公団民営化推進委員会は、内閣総理大臣に対して、日本道路公団等にかわる民営化を前提とした新たな組織及びその採算性の確保に関する「意見書」を提出した。
同意見書は、これまでの高速道路整備のあり方を抜本的に見直すことを目的とし、今後の道路建設について国が取り組むべき内容等に関して意見具申したものであるが、同時に地方に対しても「採算を超える高速道路の建設は国と地方の財源による」ことを記述するなど、地方も責任を持ってかかわることを求める内容となっている。
言うまでもなく道路は、国民生活や活力ある国土形成にとって欠くことのできない最も重要な社会基盤施設であり、その中でも高速自動車道を初めとする高規格幹線道路のネットワークの整備・充実は、地域間交流や広域連携の推進及び物流の円滑化を図る観点から必要不可欠であり、国の責務として整備促進されるべきものである。
特に、鉄軌道のない本県においては、道路は唯一の陸上輸送機関である自動車交通を支えるとともに観光産業など今後の沖縄の振興に欠くことのできない重要な交通基盤であることから、早急に整備を行う必要がある。
このため、本県ではこれまで3次にわたる沖縄振興開発計画により那覇空港自動車道を初めとして高規格幹線道路等の交通基盤の整備を計画的に進めてきたところであるが、都市周辺はもとより各地において慢性的な交通渋滞が顕著となるなど、なお多くの課題を抱えている。
このようなことから、平成14年度に新たに「沖縄振興計画」を策定し、自立型経済の構築に向けた諸施策を進めようとしているところであり、各種幹線道路等の整備については、これまでと同様に国が責任を持って、計画どおりに着実に推進することが必要である。
よって、本県議会は、各種幹線道路等の着実な建設促進のため、次の事項について格段の配慮を強く要望する。


1.各種幹線道路等の新たな建設等に当たっては、地方に新たな負担をかけることがないよう配慮すること。
2.高速道路ネットワークについて、営利企業として利潤追求を目的とする私、企業の私有財産にすることなく、償還期間終了後は国等に帰属させること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年12月20日

沖縄県議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
金融・経済財政政策担当大臣
行政改革・規制改革担当大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

在沖米海兵隊員による婦女暴行未遂事件に関する抗議決議

去る11月2日午前1時30分ごろ、沖縄本島内路上に駐車中の車内において、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属隊員による婦女暴行未遂事件が発生した。
本件については、現在、米国政府が起訴前の被疑者の引き渡しを拒んでいるため、沖縄県警察は逮捕状を執行できず任意で事情聴取を行っている。このことは法治国家である我が国の法制度を否定し、主権を踏みにじるものであることから断じて容認することはできない。
米国政府が身柄の引き渡しを拒んでいる理由については、具体的に挙げていない。婦女暴行が未遂であっても暴力が被害者に与える精神的・肉体的影響の大きさと人権のじゅうりんという事の重要性、被疑者が在沖米海兵隊少佐という指導的立場にあること、県民に与える不安及び懸念の大きさを考えた場合、何ら凶悪犯と変わらないという立場に立つべきである。
本県議会は、平成13年6月に北谷町で発生した婦女暴行事件に関し、起訴前の被疑者の身柄引き渡しと日米地位協定の抜本的見直しを厳しく求めたが、日米地位協定の運用の改善で処理された経緯がある。
その際、日本政府及び米国政府は、県民に対して、日米地位協定の運用の改善に当たっては、殺人及び強姦の凶悪犯については起訴前に身柄を日本側に引き渡す旨約束したのにもかかわらず、今回この最低限の約束が破られており、憤りを禁じ得ない。
よって、本県議会は、我が国の主権及び県民の生命・財産・人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要求する。


1.被疑者の身柄を直ちに日本側に引き渡すこと。
2.日米地位協定を抜本的に改正すること。
3.米軍基地の一層の整理縮小と海兵隊を含む兵力の削減を行うこと。
4.綱紀粛正を行い、兵員に対する教育の徹底など実効ある再発防止策について万全を期すること。
5.被害者への謝罪及び完全な補償を行うこと。

上記のとおり決議する。
平成14年12月10日

沖縄県議会

駐日米国大使
在日米軍司令官
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事 あて

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