沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 那覇市立 小禄南こども園
基本情報
- 事業所名:那覇市立小禄南こども園
- 経営主体:那覇市
- 所在地:沖縄県那覇市小禄4丁目14番地1
第三者評価結果の概要
総評
特に評価の高い点
1.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している。
子どもが主体的に活動できる環境整備と子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育の展開については、外遊びの場が園庭とせせらぎ広場、ピロティ―の3か所がある。全3クラスの週案で午前と午後の外遊びの場が位置づけられ、雨天以外は毎日外遊びが計画、実施されている。外での活動には園庭での砂場遊びや泥団子遊び、固定遊具(ブランコ、滑り台、雲梯、鉄棒)遊びも設定されている。4歳児は、外遊びとして大繩跳び、縄跳び、フラフープ、ぽっくり、ドッジボール等、遊具を使った遊びの他、鬼ごっこ、かけっこ、恐竜ごっこ、ラジオ体操等がある。室内遊びはアイクリップ、レゴ、ドミノ、スティッピー、折り紙、あやとり、お手玉、けん玉等の環境を整備している。5歳児は、戸外遊びとしては固定遊具、竹馬、やっとこ、縄跳び、大繩跳び、フラフープ等による活動があり、室内ではお手玉、あやとり、コマ、跳び箱、廃材遊び、にじみ絵、スクラッチ等がある。各クラスとも居室でも戸外でも、それぞれに好きな遊びが展開され、一人で遊ぶ姿や各グループに分かれて遊んでいる姿が見られる。各クラスでザリガニやクワガタ等が飼育され、小動物に興味を持てるよう配慮されている。11月後半からは季節の移り変わりを感じるねらいが設定され、松ぼっくりやドングリ等、季節が感じられる環境に配慮している。生活や遊びの場面で子どもの気持ちを受け止め、子どもの表現で伝えられるよう保育教諭は発達に応じた援助を行っている。食育として園庭の一角のプランター等に大根やニンジン、ジャガイモ等が一人ひとりの名前を付して植えられている。5歳児では一人の子のお店屋さんごっこからクラス全員による活動に展開したことがある。ドッジボールのグループを自分たちで決めて協同で活動する意義を理解した活動の展開等を保育教諭は援助している。
関連項目:51
2.管理者は責任を明確にし、リーダーシップを発揮している。
園長は自らの役割と責任について、年度当初の職員会議で方針と取組を明確にし、入園のしおりにはこども園の運営についても掲載している。自らの役割と責任を含む園務分掌を作成し、会議等で職員に役割と責任について表明して周知している。平常時のみならず、有事における園長の役割と責任について、園長に事故あるときは教頭が代行することが運営規程で定められている。遵守すべき法令等を正しく理解するための取組について、園長は市の規程にもとづいて、物品や教材等の購入に関しては一業者に偏ることがないよう利害関係者との適正な関係に配慮している。市の新任主幹級研修や園長研修等を受講し、法令遵守や経営に関する勉強会に参加している。労基法等遵守すべき法令等を把握し、非正規雇用の待遇改善について配慮し、個人情報保護(プライバシー保護)等について、全職員に説明して周知を図っている。
関連項目:10、12
3.利用者満足の向上に努めている。
職員は日々の教育・保育の中で子どもの遊びの様子を観察し、帰りの会で楽しかった事などを聞き、子どもの満足を把握するように努めている。保護者からの意見・要望等は、個別面談やクラス懇談会で把握に努め、毎年、学校評価に伴う保護者アンケートやこども園PTA役員会アンケートが実施されている。PTA総会に園長と教頭が参加し、利用者満足の把握の機会としている。保護者アンケートから「ピロティー天井の水漏れを直して欲しい」との声があり、建物を管理する小学校や教育委員会と調整してこどもみらい部に修繕を申請している。PTA役員会アンケートでは「不審者侵入が心配」との声があり、防犯対策の具体的な改善について主管課に申し入れするなどの取組を行っている。
関連項目:33
改善を求められる点
1.認定こども園における中・長期計画の策定、及び中・長期計画をふまえた単年度計画の作成が望まれる。
市全体の中・長期計画は、那覇市子ども・子育て支援事業計画と那覇地区管内教育推進アクションプランが策定されている。那覇市子育て支援事業は、那覇市の児童福祉の推進のため、待機児童の改善等、具体的な内容になっている。計画は5年間の見込みと目標値が明記され、中間見直しを行い、実施状況の評価が行える内容となっている。
認定こども園として、設備や備品等の整備、職員体制等の具体的な中・長期の事業計画及び中・長期の収支計画を策定し、策定後は中・長期計画をふまえた単年度計画の作成が望まれる。
関連項目:4、5
2.苦情解決の仕組みの保護者への周知、及びマニュアル等の追記、見直しが望まれる。
苦情解決の仕組みとして「クレーム対応マニュアル」が作成され、保護者相談受付票が整備されている。苦情解決責任者を園長、苦情受付担当者を教頭とし、第三者委員を2名選任して苦情解決の体制が整備されている。沖縄県福祉サービス適正化委員会のポスターとこども園の苦情受付窓口を掲示し、意見箱も設置されている。保護者には、入園説明会で苦情受付窓口について説明している。保護者アンケートでは「意見や要望」の記入欄を設け、「天井の水漏れ」等、環境整備への声が把握されている。
第三者評価受審時の保護者アンケートの「不満や要望を職員以外の人にも相談できることの説明がありましたか」の問いに、22%の保護者が「いいえ」と回答しており、第三者委員についての更なる周知が望まれる。重要事項説明書への保護者が相談できる苦情相談窓口や第三者委員、沖縄県福祉サービス運営適正化委員会の連絡先の追記、及びマニュアルは、口頭での相談等も含めた相談・意見の受付や記録方法並びに報告の手順、対応策の検討等について追記し見直すとともに、口頭での相談・意見についても報告書の作成が望まれる。
関連項目:34、35、36
3.地域における子育て家庭の保護者等に対する支援が望まれる。
入所児童の家庭への支援については、入園時の説明会や家庭訪問、クラス懇談会やPTA総会、保育参観や個人面談等の行事を保護者の理解を得る機会とし、保護者と子どもの成長を共有できるよう支援している。日々の送迎時や個別面談、クラス懇談会等は、保護者との信頼関係を築く機会としても位置づけている。「入園のしおり」には「家庭からこども園への相談対応」についても記載し、入園時の説明会で説明されている。相談内容によっては市の子育て支援室と連携し、発達支援センターや放課後児童デイサービスの利用に繋げる等の対応をしている。
地域における子育て家庭の保護者等への子育て支援として、園庭開放等に取り組んでいるが、認定こども園は、地域の子育て中の保護者への支援や地域における関係機関との連携についても展開していくことが求められており、更なる取り組みが望まれる。
関連項目:63、64
第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
本園は、公立幼稚園からこども園へ移行し3年目となり、今回初めて第三者評価を受けました。自己評価をするにあたって、公立として市の経営・運営を受け、園としてどう整備し取り組むのか、通常使う文言とは違う表現の項目等もあり、とらえ難い項目もありましたが、丁寧にご説明ご助言いただき、整理することができました。市や他園との連携を取りながら、園としての計画・実施をしていきたいと思います。
又、今回の第三者評価を受ける中で、職員や保護者に口頭で説明・周知していたことも、マニュアルや計画書を整備し、きちんと文書で周知・説明、実施後の記録、反省評価・見直しをして次の計画へ繋げていくよう取り組む事を確認できました。管理運営面においても教育・保育の実践と同様PDCAサイクルを生かして取り組んでいきたいと思います。
子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している点について高く評価して頂いた事に感謝申し上げます。職員一同励みになり、今後も心豊かなこどもたちの育成を目指して、教育・保育の実践に取り組んで参ります。
課題として提示していただいた点の改善、評価していただいた点のより一層の向上を含め、園運営、教育・保育に携わるものとして今後も質の向上ができるよう、全職員で努めていきたいと思います。細やかな評価とご指導に感謝申し上げます。ありがとうございました。
評価結果の詳細
第三者評価機関
特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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