沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 へしきや・かなさこども園

ページ番号1006903  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:へしきや・かなさこども園
  2. 経営主体:公私連携幼保連携型認定こども園
  3. 所在地:沖縄県うるま市勝連平敷屋3850番地

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.食事を楽しむ工夫やおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

食事を楽しむ工夫として、年間食育計画を作成し、計画にもとづいて各年齢の年間指導計画や月案、週案に食育を位置づけて取り組んでいる。食事は各クラスごとに部屋で食べている。5歳児のクラスでは、入口のホワイトボードにその日の献立を平仮名で掲示している。子どもは当番制でテーブルを拭き、調理室まで保育教諭とともに食事を取りに行き、当番がトレイに盛り付けをしている。5歳児はランチルームで食事をしていたが、コロナ禍のため今年度は各自の机で前面向きに座り、自分でトレイを席まで運んで食べている。4歳児は自分で食べられる量を保育教諭に伝えている。3歳児はおかずや小鉢、果物を自分でトレイに乗せて運び、ご飯と汁物は保育教諭がテーブルまで運んでいる。食器は、県内の窯元に依頼した子ども用の陶器を使用し、丁寧に扱わないと割れてしまうことを説明している。スプーンやフォーク、お箸がトレイにセットされ、メニューに合わせて自分で選べるようにしている。毎月の献立には、もずく丼や沖縄そば、ゆし豆腐、チムシンジ、クーブイリチー、バナナとゴーヤーのスコーンなど地域の食材を使い、おやつにもウムクジ天ぷらやサーターアンダギー、クファジューシー、シークヮーサーゼリーなど沖縄らしいメニューを取り入れている。秋にはキノコや栗、鮭やりんごなどの食材を使うなど季節感のある献立となるよう工夫している。調理室の壁はガラス張りで子どもたちは調理している様子を見ることができる。当日のメニューは玄関に展示され、保護者と子どもが見やすい工夫がされている。毎月、食育の目標やその月の行事食、子どもの畑での様子、季節の食材などを編集した「もぐもぐ便り」を調理員が作成し、家庭に配布している。食育や食べ物に関わる絵本の読み聞かせや栄養の歌、「早寝早起き朝ごはん」の紙芝居や職員が作成した食育パペット「へしきやつなぐ君」で食事の大切さを伝えている。

2.子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

子どもと地域との交流を広げるための取組として、地域との関わり方については園の教育・保育方針等に明記され、地域の伝統や文化を伝える取組をしている。地域交流として園児が地域のモズク祭や十五夜祝い、うるま市地域学習、ハロウィン仮装行列、デイサービスセンター訪問等、各種の地域行事に積極的に参加している。公民館組織の友愛会(老人会)とは夕涼み会やムーチーづくり、平和学習などで交流し、勤労感謝デーや音楽隊の発表会を公民館で実施している。地域行事のポスターを園に掲示することもある。地域行事に参加する際は職員を多めに配置し、時には保護者の協力も得て、子どもの個別的状況に配慮できるような体制を整えている。地域の情報量が少ない保護者に対しては、地域行事等の社会資源の情報を提供している。

3.職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

職員の就業状況や意向の把握と働きやすい職場づくりについて、労務管理に関する責任者は園長で、就業状況や年次有給休暇取得状況はタイムカードや有休管理簿で把握している。有休取得推進のため園長や主幹保育教諭がシフト体制を考慮した上で有休取得を推奨し、令和元年度の有休取得率は100%となっている。変形労働時間制の中で完全週休2日制を実施している。年1回の職員面談の際に職員からの悩みを聞く体制がある。日頃から園長や主幹保育教諭をはじめ職員全体で互いの健康状態を気に掛け、気軽に相談できる職場の雰囲気がある。退職金制度として社会福祉施設職員等退職手当共済に加入し、職員の正規雇用化にも取り組んでいる。働き方改革に向けた検討も行い、中・長期計画にも就業時間の見直しや人材育成にむけた内容を記載する等、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

改善を求められる点

1.安心・安全な教育・保育のための組織的な取組が望まれる。

事故発生時の対応マニュアルや衛生管理・感染症危機管理マニュアルが整備されている。園の危険箇所点検や遊具の詳細な点検は、点検リストにもとづいて実施している。事故事例は、園長会議やニュース等から情報を収集している。事故発生後は事故報告書に記載し、リーダー会議で報告者を含めて要因分析や再発防止の検討が行われ、結果は記録している。感染症について「新型コロナウイルス危機管理マニュアル」が追加されている。感染症リーダーが定められ、感染症発生時には園長に報告する仕組みとなっている。災害時における子どもの安全確保のための取組について、自衛消防組織が設置され、防火管理者は園長で、自衛消防組織表と避難訓練実施計画が作成されている。防災計画による訓練は毎月実施され、園長や主幹保育教諭不在時を想定した訓練が実施されている。職員は、「AEDの扱い方」や「感染症の種類と最新情報」、「食物アレルギーとエピペン」等の内部・外部研修を受講している。
感染症対応マニュアルに関しては、管理体制を追記するとともに、責任者と役割を決定し、マニュアルの定期的な見直し、及び子どもや保護者、職員の安否確認の方法を定め、食料・備品等の管理や備蓄リストの作成、災害発生後に事業を継続するための対策計画の作成が望まれる。

2.教育・保育に関する標準的な実施方法について追加作成、及び内容の見直しが望まれる。

教育・保育に関する標準的な実施方法の文書化については、危機管理マニュアルや苦情対応マニュアル、緊急時対応マニュアル、災害時対応マニュアル、新型コロナウイルス感染症予防マニュアル、実習生受入れ対応マニュアル等が整備されている。食物アレルギーマニュアルや児童虐待防止マニュアルには守秘義務等や個人情報保護に関する姿勢が明示されている。マニュアル集は各クラスに設置して共有している。アレルギー対応マニュアルや虐待防止マニュアル、事故防止対応マニュアル等は園内研修を実施して周知している。台風・災害時対応マニュアルは、職員の提案により今年度見直されている。
プライバシー保護マニュアルや健康管理に関するマニュアル等の整備、さらに18種類のマニュアルが作成されているが、その多くに内容の追加や見直しが求められる。マニュアルの検証・見直しにあたっては、見直す時期やその方法等を定めて、現状に即した内容になっているか等の定期的な見直し、及びマニュアル見直し後はその過程が分かるように制定日や改正年月日を記載することが望まれる。

3.教育・保育の質の向上への組織的・計画的な取組が望まれる。

教育・保育の質の向上にむけた組織的・計画的な取組として、自己評価は年1回、各職員が定められた評価基準にもとづいて園全体に関する自己評価を実施し、園長に提出されている。
提出された園全体に関する自己評価を集計・分析し、課題を抽出するとともに明文化して、職員参画のもとで改善策や改善実施計画を作成し、課題改善に向けて、組織的なPDCAサイクルにもとづいた改善計画実施状況の評価・見直しが望まれる。

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

新型コロナウイルスという未知の感染症に世界中が恐怖に陥り、私たちも子ども達を感染から守りながらの試行錯誤の毎日でした。それでも、教育・保育を止めることなく、第三者評価を受審するに至ったことで安堵と充実感が伴いました。保護者アンケートは、51.8%の回収率で、全体的評価は高満足度になっており安心しました。しかし、こども園の理念・方針の周知度が29%となっており、次年度に向けての課題となりました。もう少し、保護者に分かりやすく懇談会や諸行事等を活かしてこども園と子どもの育ちを伝え、ホームページなどで発信し、80%以上を目指して周知を図っていきたいと思っております。又、周知度の高い数値は更に伸ばしていきたいと思います。次年度から施行される働き方改革を踏まえ、職員の離職防止と定着を図るため今後も全職員の共通理解を深め、資質向上に努めていきます。第三者評価を受審することで組織の課題や子どもの課題、クラスの課題、自己評価など細かい部分を見直すことができたことは、本当に良かったです。定期的に自己評価を実施し、組織的に評価・見直しを行う体制を作っていきたいと思います。次回の第三者評価もよろしくお願い致します。更なる成長が見えるよう努力していきます。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人介護と福祉の調査機関おきなわ

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