第11回沖縄平和賞受賞者(2022年)公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団立ひめゆり平和祈念資料館
代表者:理事長 仲程 昌徳(なかほど まさのり)
所在地:沖縄県糸満市字伊原671-1
贈賞理由
財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり同窓会(2011年に「公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団」に変更)は、沖縄戦で破壊され廃校となった沖縄師範学校女子部・沖縄県立第一高等女学校の同窓生がいち早く再結成した同窓会を基に、戦後の落ち着きを取り戻し始めた1960年に財団法人として設立されました。
戦後77年が経ち、戦争を知らない世代が大半を占める中で、ひめゆり平和祈念財団は、ひめゆり学徒の体験を語り継ぎ、戦争の実相を伝えることで、再び戦争をあらしめないよう、永遠に世界平和を訴え続けることを目的に活動しており、悲惨な沖縄戦の記憶を次の世代に正しく継承していくためにきわめて重要な役割を担っています。
1989年に同財団が設立したひめゆり平和祈念資料館は、これまでに延べ2,300万人が訪れている施設であり、ひめゆり学徒隊が戦時中に避難していた壕に残る遺品等の貴重な展示資料を所蔵し、生存者である元学徒が「証言員」として自らの戦争体験を伝える平和学習の場として活用され、沖縄県民や県外からの修学旅行などにおける若い世代への平和教育に長年にわたって大きな貢献を果たしてきました。
時間の経過とともに戦争体験の当事者が少なくなっていく中、同資料館は語り部の後継者の育成を進めている一方で、英語対応の充実化により、沖縄戦の記憶を海外へ発信する活動やアジアの言語に対応した記述の展示を実施するなど、地域社会のみならず国境を越えた国際平和の推進への貢献と更なる発展が期待されます。
沖縄平和賞委員会は、ひめゆり学徒をはじめ沖縄戦を体験した全ての学徒のこれまでの活動に深く敬意を表し、戦後において沖縄戦の記憶の継承を展開してきた公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団立ひめゆり平和祈念資料館が、沖縄における普遍的な平和思想の象徴的な存在として、戦争の悲惨さや命の尊さを伝えてきたこと、更に平和への想いを未来につないでいく活動を通して、アジア・太平洋地域ひいては全世界へ沖縄を平和の発信拠点として浸透させてきた地道な取り組みを行ってきたことは、沖縄平和賞の理念に合致し、激動が続く世界情勢の中で、本土復帰50年の節目の年の顕彰に最も相応しいものと評価して、第11回沖縄平和賞受賞者に決定しました。
沖縄平和賞選考委員会
- 委員長 濱田 純一(東京大学 名誉教授)
- 副委員長 仲地 清(名桜大学 名誉教授)
- 西田 睦(琉球大学 学長)
- 山里 勝己(名桜大学 特任教授)
- 川端 義明(元NHKキャスター)
- 渡部 真由美(元国連職員)
- 瀬谷 ルミ子(Reach Alternatives 理事長)
- 遠藤 誠治(成蹊大学法学部 教授)
- 鈴木 達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター 副センター長)
※肩書は当時
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