令和元年5月15日 「組踊上演300周年記念事業開幕式典」あいさつ
ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ。
組踊上演300周年記念事業開幕式典を開催するに当たり、実行委員会会長として、一言御挨拶を申し上げます。
本日は、文化庁長官 宮田亮平様をはじめ、独立行政法人 日本芸術文化振興会理事長 河村潤子様ほか、多くの関係者の皆様に御臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
さて、組踊は、玉城朝薫が創作・上演してから今年で300年となる記念すべき節目を迎えました。
組踊は、日本本土の能楽や歌舞伎を参考にしながらも、琉球の言葉や音楽、踊りや衣裳を取り入れることで、世界中どこにもない、沖縄独自の歌舞劇として生み出されました。
宮廷芸能としての組踊はやがて、沖縄本島や周辺離島、宮古や八重山に拡がり、人びとの絆を深める地域の芸能として受け入れられるだけでなく、沖縄芝居や雑踊など新しい芸能を生み出す原動力ともなりました。
また、先の大戦により激しい地上戦がこの島を襲いましたが、傷ついた沖縄の人びとを慰めたのは、組踊でした。県民は、離れ離なれの家族が再会する物語に涙し、復興への活力にしたと言います。
一方で組踊は、1972年5月15日沖縄の本土復帰の日に国の重要無形文化財の指定や2010年ユネスコ無形文化遺産リストに登録されるなど文化遺産として評価されました。また、2004年に「国立劇場おきなわ」が開場し組踊の保存振興が図られるとともに、沖縄県立芸術大学における人材養成の取組など、組踊を取り巻く環境は、国の支援や県民の理解のもとで充実してまいりました。
沖縄県及び実行委員会としましては、連綿と300年の長きにわたり先人達から受け継がれてきた「組踊」は沖縄県民の「宝」であり、本日から始まる記念事業を契機として、沖縄県民が組踊をはじめとする琉球文化や歴史に誇りや親しみを持ちながら、今年度制定予定の琉球歴史文化の日をはじめ地域の伝統文化を支える環境づくりを着実に目指してまいります。そして、次の400年に向かって県内外に組踊や沖縄(ウチナー)文化の魅力を発信して行き、未来の世代に繋いで行きたいと考えております。
結びに、沖縄の伝統芸能保存関係団体並びにご来場の皆様方の御健勝・御活躍を祈念申し上るとともに、記念事業のキャッチコピーを読み上げ、私の挨拶とさせて頂きます
「広げよう この感動を つなごう まだ見ぬ未来まで」
イッペー ニフェーデービル。どうもありがとうございました。
令和元年5月15日
組踊上演300周年記念事業実行委員会会長 沖縄県知事 玉城デニー
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