令和5年5月15日 沖縄本土復帰記念日(5月15日)を迎えるにあたって 知事コメント
1972年(昭和47年)5月15日、沖縄が本土への復帰を果たした日から、本日で51年目となりました。
戦後、苦難の歴史ともいえる米軍統治下において、県民は、筆舌に尽くしがたい労苦を重ね、民主主義を求め、平和で心豊かに暮らせる島を実現するため、悲願の本土復帰を成し遂げました。
本土復帰後、本県は5次にわたる沖縄振興開発計画等により、社会資本の整備は着実に進み、観光・リゾート産業や情報通信関連産業の成長など様々な成果をあげています。
一方で、一人当たりの県民所得は全国の約7割程度で、自立型経済の構築はなお道半ばにあり、子どもの貧困や離島における不利性、脆弱な産業構造など、依然として多くの課題が残されています。
また、復帰後51年を経た現在もなお、国土面積の約0.6%である本県に全国の米軍専用施設面積の約70.3%が集中しており、県民は米軍基地に起因する騒音や事件・事故、環境汚染の問題など、過重な基地負担を強いられ続けています。
さらに、普天間飛行場の辺野古への移設については、県民の理解が得られないまま工事が強行されている状況にあります。
沖縄を取り巻く社会・経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、正常に戻りつつありますが、世界的な原油・原材料価格の上昇等による物価高騰が、県民生活や企業活動に影響を与えています。
さらに世界情勢では、昨年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻から1年余りが経過し、憂慮すべき事態が続いているほか、東アジアにおいても、米中対立の更なる顕在化、中国の軍事力の強化や尖閣諸島周辺海域等における活動の継続、台湾を巡る問題、国連決議に違反する北朝鮮の相次ぐミサイル発射の問題など、安全保障環境がより一層厳しさを増しています。
このような中、他国との地域間交流等により友好的なつながりを持つことは、両国間の緊張緩和と信頼関係の構築に寄与するものであり、平和の樹立があってこそ安定的な経済活動の推進に繋がるものと考えております。
そのため沖縄県では、アジア・太平洋地域における観光、物流、平和など多分野における国際交流を通じて築いてきたネットワークを最大限活用し、同地域における平和構築に貢献する独自の地域外交を展開してまいります。
昨年、沖縄県は本土復帰50年という大きな節目を迎え、「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」を策定しました。
本計画では、社会・経済・環境の3つの枠組みに対応する形で、「誰一人取り残すことのない優しい社会」の形成、「強くしなやかな自立型経済」の構築、「持続可能な海洋島しょ圏」の形成を示すとともに、施策展開の基本的指針として「安全・安心で幸福が実感できる島」の形成を掲げています。
平和を希求する先人達の思いを引き継ぎ、未来を生きる子や孫達によりよい未来を創造するため、本計画を着実に推進し、県民が真に幸福を実感できる平和で豊かな沖縄の実現を目指して、全身全霊を注いでまいります。
令和5年5月15日
沖縄県知事 玉城 デニー
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