6.基本用語の解説

ページ番号1004463  更新日 2024年1月11日

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赤土汚染

強い降雨によって開発工事現場や農地などの土壌が侵食され、川や海に流出し水環境へ悪影響をあたえること。当初、国頭マージとよばれる赤土が分布する沖縄島中北部で被害が多いことや視覚的にも流出水が赤色で目に付くことから「赤土汚染」とよばれていました。最近では、程度の差はありますが赤土以外の土壌等の流出による水環境への悪影響もみられるため、これらも含めて「赤土汚染」と呼んでいます。

赤土等(土壌等)

国頭マージと呼ばれる赤土や暗赤色土の島尻マージ、灰色土のジャーガルなどの土壌及びジャーガルの母岩であるクチャなどの破砕しやすい土壌母岩を含めて赤土等(土壌等)と呼んでいます。

赤土等流出防止対策

赤土等の流出防止は、次の3つの対策が基本となっています。

  1. 発生源対策(濁水の発生の抑制)
    濁水の発生源となる裸地の出現面積を少なくしたり、出現期間を短縮します。具体的には裸地面をシートやススキで覆ったり、草や木を植えたりして早期保護をおこないます。
  2. 流出濁水対策(表流水のコントロール)
    濁水が傾斜面を流れながら、流出濁水の勢いを抑えて侵食を防いだり、工事区域外の雨水が濁水に混入しないように分離します。
  3. 最終処理対策(濁水の処理)
    濁水を一時貯留し、沈殿、ろ過等により濁りの濃度を低くした後、排出規準値以下で排水します。

SPSS

content of Suspended Particles in Sea Sediment の略。底質中懸濁物質の意味。

SPSS測定方法

底質中懸濁物質簡易測定法参照。

SS(浮遊物質量)

水の中に浮遊する水に溶けない物質。水の濁りの目安。水1リットル中に何ミリグラム含まれるかで表されます。

沖縄県赤土等流出防止条例

  1. 1995年10月に制定され1996年10月に施行。
  2. 開発行為によって発生する赤土等の流出を制限して河川や海域の汚濁の防止を図ります。
  3. 濁水を排出するときは、SS(浮遊物質量)を200mg/l以下にすることとなっています。

クチャ

ジャーガルの母材である島尻層群泥岩。岩石に分類されるが、軟質で地表面に露出すると日光による乾燥と降雨による湿潤を繰り返し、細かく破砕され粒子状になる。

国頭マージ

主に沖縄島、久米島、石垣島に分布する土壌で古生層粘板岩や石灰岩および洪積層等に由来する赤黄色土。

島尻マージ

主に沖縄島南部、宮古島に分布しサンゴ石灰岩を母材とする暗赤色土。

ジャーガル

主に沖縄島中南部、宮古島に分布し泥灰質母材であるクチャに由来する残積性未熟土。

底質中懸濁物質含量(SPSS)

底質に含まれるシルト以下の粒径をもった微粒子の量。

底質中懸濁物質含量簡易測定法(SPSS測定法)

海底や干潟にたい積した赤土等の土壌微粒子を測定する方法で、大見謝(1988)により開発され、その後、水産業改良普及所により改良された。現在でも赤土汚染の標準的調査手法となっている。

粒度

土は、一般に大小の径の粒子が混在しており、この粒子の混合度合いを粒度といいます。

参考文献
沖縄県土木建築部(1995)赤土等流出防止対策技術指針(案)
(社)農業土木学会(1990)改訂三版農業土木標準用語辞典

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