平成30年12月15日 「新県立図書館開館記念式典」式辞
はいさい、ぐすーよー、ちゅーうがなびら。
新県立図書館開館記念式典にあたり、御挨拶を申し上げます。
はじめに、新県立図書館開館のため、多大なる御支援をいただきました内閣府の皆様並びに「知の拠点としての図書館の果たす役割」を答申された沖縄県社会教育委員を始め、関係者の皆様に対しまして、心から敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げます。
沖縄県立図書館は、琉球国最後の国王、尚泰王の御遺志を基に、県民有志の御厚意により、明治43年8月1日、当時西町にあった県庁の敷地内に開館しました。
初代館長には、沖縄学の父と呼ばれる伊波普猷先生が就任され、開館式の挨拶において、「一般大衆に広く開放し、地域の文化・啓発活動の拠点たらん」と述べられた上、「閲覧人多くして一日も早く狭隘を告げんことを希望す」と結んでおります。
残念ながら、当時の県立図書館は先の沖縄戦の戦禍により灰燼に帰しましたが、戦後、県民の篤い支援により、昭和22年に再建されました。その後、県民の要望を踏まえ、時代に即した図書と文庫の拡充、離島読書活動の充実、電子情報システムの導入等により、迅速で広域的な図書館サービスを県民に提供し、沖縄の文化発展に大きく貢献してまいりました。
一方、利用者が増加の一途を辿ってきたことにより、施設の狭隘化等が著しくなり、新県立図書館建設の機運が高まっておりました。
本日、バスとモノレールの交通結節機能が向上した場所に、本県の地理的特質、歴史・文化の独自性を重視した図書館として開館を迎えられることを大変うれしく思います。
また、利用時間も午後8時まで延長するなど、これまで以上に、多くの県民の皆様に御利用いただけるものと期待しております。
結びに、新県立図書館が沖縄県の文化発展の要となり、伊波普猷先生の願いである、「多くの人が活用する、真の価値のある図書館」となることを祈念し、式辞といたします。
平成30年12月15日
沖縄県知事 玉城 デニー
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