結核とは?(南部保健所)
結核は、「結核菌」という細菌が体内(肺)に入ることによって起こる感染症です。日本でも昭和20年代までは「国民病」「亡国病」と恐れられ、死亡原因の第1位でした。
現在では、医療や生活水準の向上により、薬を飲めば完治できる時代になりましたが、今でも1日に46人の新しい患者が発生し、6人が命を落としている(2018年統計)日本の重大な感染症です。
感染経路
結核(*)を発病した患者が咳やくしゃみをすると、「結核菌」を含んだ“しぶき(飛沫)”が空気中に飛び散り、空気中に漂う「結核菌」を周りの人が直接吸い込むことによって感染します。(人から人へ、空気感染)
(*結核には、人にうつす結核とうつさない結核があります。)
感染と発病
結核を発病するのは感染した人の10人に1~2人程度と言われており、一生発病しない人もいます。
結核菌が体内に入っても(感染しても)、身体の免疫力の働きによって結核菌の増殖が抑えられている間(休眠状態)は発病しません。免疫力が低下すると、結核菌の増殖が活発になり、病巣をつくると結核になった(発病した)といいます。免疫力が極端に弱いBCG接種前の乳児は2ヶ月ほどで発病することもありますが、感染後、数ヶ月から2年で発病することが多く、感染後、数十年を経てから発病する場合もあります。
結核を発病しやすい人
- 高齢により免疫力が弱まったとき
- 乳幼児や年少者(重症化しやすい)
- 糖尿病患者、HIV感染者、腎透析患者
- 免疫抑制剤・副腎皮質ステロイド剤等を使用している人
結核の症状
結核は、結核菌によって主に肺に炎症が起きる病気です。
初期症状はあまりはっきりしたものではなく、風邪とよく似ています。主な症状は、「長引く咳やたん」、「倦怠感」、「微熱」、「体重減少」、「胸痛」などです。
このような症状が2週間以上続いたら、早めに医療機関を受診して下さい。早期に発見すれば、軽症のうちに治療でき、また周りの人への感染も防ぐことができます。
なお、咳やたんの症状がある場合はマスクを着用して医療機関を受診しましょう。
※高齢者の場合は、初期症状が出にくく、気がつかないうちに結核が進行していることがあります。自覚症状が無くても、年に一度は胸部エックス線検査を受けましょう。
結核の予防
健康第一
結核は、免疫力の低下などが発病のきっかけとなるため、日頃からの健康保持が重要となります。そのためには、十分な睡眠、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など健康管理に気をつけましょう。
早期発見
早期発見は、本人の重症化を防ぐためだけでなく、家族や身近な人への感染を防ぐためにも重要です。
風邪のような症状や咳・たんが2週間以上続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
特に65歳以上の方は、自覚症状が無い場合でも、健康診断(胸部エックス線検査やたんの検査)で結核の発病が発見されることがありますので、お住まいの市町村が実施している健康診断等を受けましょう。
また、「要精密検査」という検査結果が出た場合には、そのままにしないで早めに精密検査を受けましょう。
※学校、病院、診療所、歯科診療所、各種施設で働いている方は、もし発病した場合に、二次感染を引き起こす可能性が高い職種として、法律(感染症法第53条の3)により職場が実施する結核健康診断を受診するよう義務づけられています。 参考(結核定期健康診断)
予防接種
抵抗力の弱い乳幼児は結核に感染すると重症化しやすいため、生後1歳までにBCG接種を受けるようにしましょう。
BCGは結核の発病を抑えるワクチンで、発病したとしても重症化を防ぐのに役立ちます。
関連リンク
このページに関するお問い合わせ
沖縄県 保健医療介護部 南部保健所
〒901-1104 沖縄県島尻郡南風原町宮平212
電話:098-889-6351 ファクス:098-888-1348
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。