土地取引届出制度
1.国土利用計画法第23条に基づく土地取引届出制度
みんなが自分の利益だけを考えて勝手に土地を取引したり、利用したりしたらどうなるでしょうか?土地は、現在のみならず将来の国民にとっても限られた貴重な資源であり、国民の諸活動にとって不可欠な基盤です。一人の人が土地を利用すれば、地域の人々の生活や周辺の自然環境にも影響を及ぼすので、自分勝手な土地利用は、周りの人々や将来の人々にまで迷惑をかけることになるかもしれません。
このため、土地は地域全体の住みやすさや自然環境との調和などを考えて、適正に利用することが大切です。国土利用計画法は、こうした考え方に基づいて、乱開発や無秩序な土地利用を防止するために、一定面積以上の大規模な土地の取引に際して、以下のような届出または許可を義務づけています。
- 一定面積以上の土地取引に対する事後届出制(法23条第1項)
- 注視区域内の一定面積以上(事後届出と同じ面積用件)の土地取引についての事前届出制(法第27条の4)
- 監視区域内の一定面積以上(知事が規則で定める)土地取引についての事前届出制(法第27条の7)
- 規制区域内の土地取引についての許可制(法第14条)
規制は1.→4.の順に強くなり、例えばもっとも強い4番の規制区域が指定されると、その区域内の全ての土地取引は許可が必要となります。
だたし、沖縄県においては現在いずれも地域指定もありませんので、1.の法第23条1項に基づく事後届出制のみが行われています。
土地取引規制の仕組み
2.届出の必要な土地取引
次の(イ)~(ハ)の条件を満たす土地取引をした時には、届出が必要です。
- (イ)取引の形態
- 売買:共有持分の譲渡
- 営業譲渡:譲渡担保
- 代物弁済:交換
- 予約完結権・買戻権等の譲渡:地上権・賃借権の設定・譲渡
- 信託受益権の譲渡:第三者のためにする契約
これらの取引の予約である場合、停止条件、解除条件付き契約の場合も含みます。
- (ロ)取引の規模(面積要件)
- 市街化区域:2,000平方メートル以上
- 市街化区域を除く都市計画区域:5,000平方メートル以上
- 都市計画区域外の区域:10,000平方メートル以上
- (ハ)一団の土地取引
個々の面積が小さくても、権利取得者が権利取得を計画する土地の合計が上記(ロ)の面積以上となる場合(買いの一団)には最初の契約から届出が必要です。
届出が不要となる場合については次の3.適用除外の項目を参照下さい。
3.届出が不要になる場合(適用除外)
以下のいずれかに該当する場合は、土地売買等届出の用件を満たさず、届出が不要となります。
1.土地売買等の契約でない場合
- 土地に関する所有権、地上権もしくは賃借権、またはこれらの権利の取得を目的とする権利の移転、または設定ではない。
- 対価(金銭に限らない)が無い。
- 契約(予約含む)によるものでない。
2.土地の面積が次の面積未満である場合
- 市街化区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,000平方メートル
- 市街化区域以外の都市計画区域・・・・・5,000平方メートル
- 都市計画区域外・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10,000平方メートル
3.契約当事者の一方または双方が、以下のものである場合
- 国及び地方公共団体である場合
- 以下の法人である場合
- 港務局
- 独立行政法人都市再生機構
- 独立行政法人水資源機構
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構
- 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- 地方住宅供給公社
- 日本勤労者住宅協会
- 独立行政法人空港周辺整備機構
- 地方道路公社
- 土地開発公社
4.以下の法令の規定により届出が不要である場合
- 民事調停法による調停である場合
- 民事訴訟法による和解である場合
- 民事再生法、会社更生法、破産法、会社法等の規定に基づく手続において裁判所の許可を得て行われる場合
- 公有水面埋立法第27条第1項の許可を要する場合
- 家事事件手続法による調停に基づく場合
- 土地収用法に基づくあっせん(第15条の2)、又は和解(第50条)である場合
- 農地法第3条1項に基づく許可を受けることを要する場合。
- 新住宅市街地開発法による処分計画に従って造成施設等を処分する場合
- 滞納処分、強制執行、担保権の実効としての競売、または企業担保権の実行により換価する場合
- 非常災害に際し必要な応急措置を講ずる為に行われる場合
- 国土利用計画法に基づき遊休土地を買い取る場合
- 土地収用法第26条第1項の規定による事業認定の告示に係る事業に供される場合
- 森林法(第50条第1項)による使用権が設定されている土地について、同法(第55条第1項)の協議に基づきその所有権の移転が行われる場合
- 都市計画法(第55条第4項)の規定により土地の買取りの申出の相手方として公告された者が同法(第56条第1項)により土地を買取る場合
- 都市計画法(第58条の9)の規定により遊休土地を買い取る場合
※ 取引を行った土地のうち、上記の要件に該当しない土地がある場合、当該土地については届出が必要になるので注意してください。
4.届出の手続き
土地取引に係る契約(予約を含む)をしたときは、権利取得者(売買の場合は買主)は、必要事項を記入した県知事あての届出書に必要な書類を添付して、契約を結んだ日から2週間以内に土地の所在する市町村役場に届け出て下さい。
※ 届出書は契約毎に作成してください。
- 届出者:土地の権利取得者(売買の場合は買主)
- 届出期限:契約(予約を含む)締結日から2週間以内
※契約締結日を含みます。 - 届出窓口:土地の所在する市町村の土地取引届出担当課→市町村土地取引届出担当課連絡先一覧
- 届出事項
- 契約当事者の氏名・住所等
- 契約(予約を含む)締結年月日
- 土地の所在及び面積
- 土地に関する権利の種別及び内容
- 取得後の土地利用目的
- 土地に関する権利の対価の額
- 提出する書類
(1)届出書:3部
(2)~(7)の書類:2部- 届出書
- 土地取引に係る契約書の写し、またはこれに代わるその他の書類
- 土地の位置を明らかにした縮尺5万分の1以上の地形図
- 土地及びその近辺の状況を明らかにした縮尺5千分の1以上の地図(住宅地図等)
- 土地の形状を明らかにした図面(公図、地番図等)
- 土地の売買等に関する代理権限を委任された場合は、これを証する書面(委任状)
- その他必要と認められる書面
- 届出書 (Word 107.5KB)
- 届出書 (JTD 43.0KB)
- 届出書 (Excel 40.0KB)
- 届出書 (PDF 40.9KB)
- 届出書 ※様式の記入例・記入上の注意 (PDF 87.2KB)
事務処理の流れ
5.よくある質問
Q1.届出はいつ出せばよいのでしょうか。代金決済日や登記日のあとでもよいですか。
A.届出は契約締結後契約日を含めて2週間以内に市町村の国土利用計画法担当課に提出してください。代金決済や登記日の後ではありません。例えば、ある月の1日(火曜日)に土地売買等の契約を結んだ場合は14日(月曜日)が届出期限となります。ただし、最終日が行政機関の休日である場合は、次の開庁日が期限となります。
Q2.届出提出後の審査期間はどれぐらいですか?
A.市町村に届出書を提出した後、3週間が市町村、県の審査期間となり、その期間内に、勧告、助言、不勧告の決定をして届出者に通知することになります。
Q3.届出書は何部提出すればよいですか?
A.届出書は県あて1部(正本)市町村あて1部、届出者予備1部の計3部提出してください。なお契約書等の添付資料は県用、市町村用の2部必要です。
Q4.ホテルを建設する目的で複数の売り主と土地売買契約を結びました。それぞれの土地売買は面積要件を満たさない土地です。届出は必要ですか?
A.必要です。その契約だけでは面積要件を満たさない場合でも、契約段階で一体として利用する計画があり、それが届出要件を満たしているならば、各々の売買契約で届出が必要となります。
Q5.市街化区域(要届出面積2,000平方メートル)と市街化調整区域(要届出面積5,000平方メートル)にまたがる全体面積3,000平方メートルの土地売買をしました。どのように届出をしたらよいでしょうか。
A.要届出面積が異なる区域で土地売買を行う場合、要届出面積が小さいほうで全体についての土地売買の要否を判断します。従って今回のような場合は2,000平方メートルが土地売買の面積要件となり、届出が必要な土地売買ということになります。
Q6.2市町村にまたがる土地売買をしました。どちらに届ければよいでしょうか。
A.市町村にまたがる土地売買をした場合は、両方の市町村に対して届出が必要です。
Q7.要届出面積を超える信託受益権の売買をしました。届出は必要ですか?
A.受益権の基となる信託契約によって届出の要否が変わります。信託期間満了後に信託物件の所有権を得る可能性がある場合には届出が必要です。
Q8.届出期限を過ぎてしまいました。どうすればよいですか?
A.届出期限を越えてしまった届出は「無届取引」となり、必要な手続きが行われることになりますので、すぐに届出地の属する市町村か、県へご相談ください。事実と異なる届出や違反の態様が悪質であった場合には法律によって罰せられることもありますので十分ご注意ください。
Q9.以前は事前届出という制度だったかと思うのですが。
A.国土利用計画法により、監視区域及び注視区域の指定がなされている区域内においては契約前に届出を行う事前届出制となりますが、沖縄県では平成7年以降監視区域、注視区域の指定は無く、すべて事後届出制となっております。
Q10.要届出面積を超える買戻し特約付きの土地売買をしました。どのように届出ればよいですか?
A.国土利用計画法上の土地売買には予約も含まれます。買戻し特約は買主から売主への予約に該当しますので、この契約についても届出が必要となり、2セットの届出書を提出していただくことになります。
Q11.賃貸借権の売買は全て届出が必要ですか?
A.土地の賃貸借契約で権利金(礼金)等の一時金が支払われない場合は届出不要です。地代は権利金等にはあたらず、また、敷金のように地代の不払いの担保として支払われるものも、金額が相当に大きく、そこから生じる運用益が対価と認められる場合を除き権利金等にはあたりません。
Q12.10人の地権者と個別に土地売買契約を行い、一団の土地を取得しました。届出書には10件分の契約をまとめて記入していいですか?
A.届出は契約ごとに行いますので、この場合10件の届出(届出書)が必要です。10件の契約日が異なる場合は届出期限も異なりますのでご注意ください。
Q13.10人の地権者連名で1件の土地売買契約を行い、一団の土地を取得しました。届出書は10人まとめて記入していいですか?
A.届出は契約ごとに行いますので、この場合1件の届出(届出書)となります。届出書の「契約の相手方の住所」や「氏名」欄に書けない場合は、代表者名及び「外〇名」と記入の上、別紙(様式任意)に共有者全員の住所及び氏名を記載してください。
Q14.離れている2つの土地を1件の土地売買契約で取得しました。2つの土地はそれぞれ法定面積以上なので届出が必要ですが、届出書は1件にまとめていいですか。
A.届出は契約ごとに行いますので、1件の届出(届出書)で構いません。
Q15.登記簿の面積と実測面積のどちらを記入すればよいですか。
A.実測済みの場合は、実測面積を優先してください。また、実測求積図を添付してください。
Q16.土地の利用計画の面積は未定ですが、買い進みの状況により要届出面積以上となる可能性もあります。今回取得した土地は要届出面積未満ですが、届出は必要ですか。
A.土地の利用計画や面積が未定でも、要届出面積以上の一団の土地となる可能性がある場合は、個々の契約について届出が必要です。
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 企画部 県土・跡地利用対策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟7階(北側)
電話:098-866-2040 ファクス:098-866-2559
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