ヤンバル(沖縄本島北部)
ヤンバルとは、沖縄島北部の豊かな森林が広がる地域(ちいき)のことです。ヤンバルでは、昔から森と人が共に暮らしていて、人との関わりの中で豊かな森が守られてきました。こうした森の中にたくさんの生きものたちが住んでいて、世界でここにしかないヤンバルクイナやノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなどは、こどもたちのアイドルです。
しかし、ヤンバルの生きものたちをとりまく環境(かんきょう)は、とてもこわれやすいものです。マングースや都市部から持ちこまれたのらネコやのらイヌなど、もともとヤンバルにはいなかった生きものに襲(おそ)われたり、勝手に持ち去られたり、車にひかれたりするなど、絶滅(ぜつめつ)が危ぶまれています。
こうした影響(えいきょう)をできるだけ与えないよう人間が責任を持ってペットを飼うことや、自然の生きものをむやみに持ち去ったりしないこと、生きものがひかれないよう安全運転を心がけることが大切です。
ヤンバルクイナ
ヤンバルで一番有名な生き物は、ヤンバルクイナでしょう。1981(昭和56)年に発見されたこの鳥は、約1世紀ぶりに見つかった新種(しんしゅ)の鳥だっただけに、世界的な話題となりました。
ヤンバルクイナの全長は約30センチぐらいで、体は黒っぽく、目とクチバシと足が赤い色をしています。ほとんど飛べないため、昼は地上で生活し、夜になると木に登ってねます。現在、約1,400羽が住んでいると考えられています。
ノグチゲラ
キツツキの仲間のノグチゲラも兄弟・親せきにあたる種類が世界中のどこにもないめずらしい鳥で、県鳥に選ばれています。しかし、現在は400羽ほどしか残っていないといわれていて、開発の影響(えいきょう)で巣をつくる太い木もへっていることから、ほろびてしまうのではないかと心配されています。
ヤンバルテナガコガネ
ヤンバルだけにすむ日本最大のコガネムシで、体の長さは約6センチです。前脚(まえあし)が長い(テナガ)のが特徴(とくちょう)で、とくにオスの前脚(まえあし)は8センチほどもあります。
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