トリクロロエチレンに関する基準が変わります（カドミウムに関する基準の変更）

トリクロロエチレンの公共用水域及び地下水の環境基準値の変更を踏まえ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等が一部改正され、トリクロロエチレンを含む特別管理産業廃棄物に係る判定基準や一般廃棄物最終処分場及び管理型最終処分場の放流水先等に係るトリクロロエチレンの基準等について、より厳しい基準に変更されました（注（1））。
また、地下水の水質汚濁に係る環境基準項目のうち「塩化ビニルモノマー」については、「クロロエチレン（別名塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー）」に名称変更されることに伴い、最終処分場周縁の地下水の基準項目についても同様に名称変更されました（注（2））。

• 注（1）施行日：平成28年9月15日
• 注（2）施行日：平成29年4月1日

特別管理産業廃棄物の判定基準

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正

特別管理産業廃棄物に該当するものとして環境省令で定めるトリクロロエチレンの基準を、以下の表に適合しないことに変更されました。

廃棄物の種類	改正前	改正後
指定下水汚泥又は指定下水汚泥を処分するために処理したもの（廃酸又は廃アルカリ以外） 廃油を処分するために処理したもの（廃油、廃酸又は廃アルカリ以外） 汚泥若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの（廃酸又は廃アルカリ以外）	0.3mg/L以下	0.1mg/L以下
指定下水汚泥を処分するために処理したもの（廃酸又は廃アルカリ） 廃油を処分するために処理したもの（廃酸又は廃アルカリ） 廃酸又は廃アルカリ若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの（廃酸又は廃アルカリ）	3mg/L以下	1mg/L以下

埋立処分の基準

金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令の一部改正

最終処分場に埋立て処分できる基準は以下の表のとおり変更となりました。
（1）管理型最終処分場に埋立て処分できる産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物に含まれるトリクロロエチレンの基準

廃棄物の種類	改正前	改正後
汚泥又は指定下水汚泥若しくはこれらの産業廃棄物を処分するために処理したもの	0.3mg/L以下	0.1mg/L以下

（2）産業廃棄物を海洋処分する際に当該廃棄物に含まれるトリクロロエチレンの量の基準

廃棄物の種類	改正前	改正後
有機性汚泥又は動植物性残さ（令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る） 廃酸、廃アルカリ又は家畜ふん尿（令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る）	0.3mg/L以下	0.1mg/L以下
無機性汚泥（令第6条第1項第4号イに掲げるものに限る）	0.03mg/L以下	0.01mg/L以下

最終処分場の排水基準等

一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令等の一部改正

廃棄物処分場から排出される放流水の排水基準、廃棄物最終処分場周縁の地下水基準及び安定型最終処分場の浸透水の基準が以下の表のとおり変更となりました。

廃棄物の種類	改正前	改正後
排水基準（管理型最終処分場）	0.3mg/L以下	0.1mg/L以下
地下水基準（全処分場共通） 浸透水基準（安定型最終処分場）	0.03mg/L以下	0.01mg/L以下

経過措置

改正省令の施行前に行われた一般廃棄物最終処分場及び産業廃棄物管理型最終処分場廃止時の保有水等の水質検査等の水質検査結果は改正前の基準に適合しているか判断するものとする。

留意事項

特別管理産業廃棄物処理業の許可について

新たに特別管理産業廃棄物となるトリクロロエチレンを含む産業廃棄物の処理を改正省令の施行後に行おうとする場合には、特別管理産業廃棄物の許可又は事業範囲の変更の許可が必要となるため、速やかに所要の手続きを行うこと。

特別管理産業廃棄物管理責任者について

新たに特別管理産業廃棄物となるトリクロロエチレンを含む産業廃棄物を生ずることとなった事業場を設置している事業者は、規則第8条の17号に規定する資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。

参考

• 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の施行について（通知） （PDF 168.2KB）