平成15年第2回議会(6月定例会)で可決された意見書・決議
意見書3件
議決年月日 |
件名 |
議決の結果 |
備考 |
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平成15年6月20日 | 三位一体の改革の実現に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
平成15年7月14日 | 在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
平成15年7月14日 | 日米地位協定の見直しに関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
決議2件
議決年月日 |
件名 |
議決の結果 |
備考 |
---|---|---|---|
平成15年7月14日 |
青少年の健全育成に関する決議 |
原案可決 | 全会一致 |
平成15年7月14日 | 在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件に関する抗議決議 | 原案可決 | 全会一致 |
三位一体の改革の実現に関する意見書
現在、政府においては、国庫補助負担金、地方交付税及び税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で見直し、6月末までに改革案を取りまとめることとされている。
しかしながら、6月6日に、地方分権改革推進会議が内閣総理大臣に提出した「三位一体の改革についての意見」は、税源移譲等による地方財源の充実強化について、基幹的税目の税源移譲の具体的方向性が明示されていないだけではなく、中長期的な改革の方向として、地方交付税の法定率分と法定率以外の部分に区分し、法定率以外の部分を国による政策的な経費配分として縮減の方向を示すなど、地方分権を推進する視点に立った内容となっていない。
地方が行財政自主権を拡充し、分権時代を確立するためには、地方税を中心にした地方税財源の充実が必要であり、国と地方の事務配分を踏まえた本格的な税源移譲を行うとともに、国庫補助負担金の廃止・縮減や税源移譲が実施された後も地方が住民に対する標準的な行政サービスを実施できるよう、地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能を堅持すべきである。
よって、政府は、改革案の取りまとめにおいて、地方分権改革推進会議の意見にとらわれることなく、地方の実情や意見に十分配慮し、地方税財政基盤の確立を基本に据えて、あるべき国と地方の役割に見合った権限及び税財源を国から地方に移譲することにより、地方分権改革の実現を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年6月20日
沖縄県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣あて
財務大臣
経済産業大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣
在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件に関する意見書
去る5月25日午前3時15分ごろ、金武町内で在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件が発生した。
被疑者は、被害者の顔面を殴りけがを負わした上、暴行した容疑で米軍に身柄を拘束されたため、沖縄県警察は、日米合同委員会を通じて米政府に起訴前の被疑者の身柄引き渡しを請求したところ、2日後に身柄が引き渡された。
女性に対する暴行は、女性に肉体的、精神的苦痛を与えるだけでなく、人間としての尊厳をじゅうりんするものであり、極めて悪質な事件である。そのため、日本政府及び米国政府は、殺人及び放火と並ぶ凶悪な犯罪として、起訴前に身柄を引き渡すことを合意しているが、それにもかかわらず、今回引き渡しまでに日数を要したことはまことに遺憾である。
また、このような凶悪犯の身柄引き渡しは、米政府の好意的考慮として取り扱われているが、このことは、我が国の主権を踏みにじるだけでなく、日米地位協定の不平等と運用改善の限界を示すものである。
さらに、6月20日の米軍普天間飛行場誘導路上における大型ヘリコプターの故障による立ち往生や、5月13日の渡名喜村及び渡嘉敷村におけるヘリコプターの緊急着陸など、一歩間違えば大惨事につながりかねない事故が相次いでいること及び米軍関係者の刑法犯罪検挙数が近年増加傾向にあることをかんがみた場合、米軍の綱紀粛正への取り組みや兵士教育のあり方に疑問を抱かざるを得ない。
よって、本県議会は、我が国の主権及び県民の生命・財産・人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。
記
1被害者への謝罪及び完全な補償を行うこと。
2日米地位協定を抜本的に見直すこと。
3綱紀粛正を行い、隊員に対する教育の徹底など実効ある再発防止策について万全を期すること。
4米軍基地の一層の整理縮小と海兵隊を含む兵力の削減を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月14日
沖縄県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
外務大臣あて
防衛庁長官
沖縄及び北方対策担当大臣
防衛施設庁長官
日米地位協定の見直しに関する意見書
去る平成12年7月14日、本県議会は全会一致で日米地位協定の見直しに関する意見書を議決し、内閣総理大臣を初め内閣官房長官、外務大臣、防衛庁長官、防衛施設庁長官及び沖縄開発庁長官に対して要請を行った。
本要請は、沖縄県及び県内の基地所在市町村との連携のもと、米軍基地から派生するさまざまな事件・事故や環境汚染等から県民の生命、財産及び人権を守るため、現在の米軍基地の運用のあり方、環境保全、裁判権等を定めた日米地位協定の見直しを求めたものである。
しかしながら、沖縄県民のやむにやまれぬ要請に対して、政府は県民の要望には誠意を持って取り組んでいきたいとの意向を示したものの、その時々の問題に対しては、運用の改善で臨みたいとし、運用の改善が難しければ日米地位協定の改定も視野に入れて検討することも考えられるとの対応に終始している。
本県議会の要請から既に3年近くが経過しているが、その間、米軍人・軍属等による事件・事故及び犯罪検挙件数はいずれも増加の傾向にある。
特に、平成13年から14年にかけては、放火事件、女性暴行事件及び未遂事件、さらには戦闘機の墜落事故及び被弾事故など、一歩間違えば大惨事につながりかねない事故や県民の財産と人権を侵害する事件が数多く発生しており、もはや政府の言う運用の改善で事態の改善を図ることは困難である。
本県議会は、これまで米軍人・軍属等による事件・事故が発生する都度、日米地位協定の問題点や見直すべき事項等を強く訴えてきたところであるが、政府が一向に見直しに向けた取り組みを行わないことはまことに遺憾である。
よって、本県議会は、県民の生命・財産と人権を守る立場から、日米地位協定の抜本的見直しについて、強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月14日
沖縄県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
外務大臣あて
防衛庁長官
沖縄及び北方対策担当大臣
防衛施設庁長官
青少年の健全育成に関する決議
去る6月28日午後1時ごろ、北谷町内の墓地で、高校生及び中学生のグループ3人が仲間の中学2年の少年に暴行を加えて死亡させ、遺体を墓地に埋めるという痛ましい事件が発生した。
加害者の少年らは、複数の凶器で仲間の少年を殴り続けて死に至らしめ、遺体を遺棄したという残虐な行為であり、県民に大きな衝撃を与えた。
なぜ、未来のある少年が殺害されなければならなかったのか、何が少年たちを死に至る暴行に駆り立てたのか、なぜ、家庭、学校及び地域は今回の事件を防げなかったのか、深い悲しみと激しい憤りを禁じ得ない。
昨今の少年らによる殺傷事件や集団暴行事件の多発傾向はまことに憂慮すべき事態にある。昨年11月に沖縄市で障害を持つ青年が集団暴行で死亡するという痛ましい事件を受け、家庭、学校及び地域が一体となった取り組みを始めていた矢先であるだけに、またかという失望感とやるせない気持ちが広がっている。
今回の事件を初め、青少年が加害者となる事件は、いずれも動機も背景も異なるものではあるが、その根底には「いじめ」、「不登校」、「放任」など幾つかの共通項がうかがえる。これらは事件を起こした青少年たちだけによる限られた問題ではなく、問題の背後にある大人社会のゆがんだ構造に深く根差していることが考えられることから、家庭、学校及び地域のあり方を初めとする社会全体の問題として取り上げることが必要である。
よって、本県議会は、次代を担う青少年が心身ともに健やかに成長できる社会の実現に向け、県民とともにあらゆる努力を傾注することを宣言する。
上記のとおり決議する。
平成15年7月14日
沖縄県議会
在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件に関する抗議決議
去る5月25日午前3時15分ごろ、金武町内で在沖米海兵隊員による女性暴行致傷事件が発生した。
被疑者は、被害者の顔面を殴りけがを負わした上、暴行した容疑で米軍に身柄を拘束されたため、沖縄県警察は、日米合同委員会を通じて米政府に起訴前の被疑者の身柄引き渡しを請求したところ、2日後に身柄が引き渡された。
女性に対する暴行は、女性に肉体的、精神的苦痛を与えるだけでなく、人間としての尊厳をじゅうりんするものであり、極めて悪質な事件である。そのため、日本政府及び米国政府は、殺人及び放火と並ぶ凶悪な犯罪として、起訴前に身柄を引き渡すことを合意しているが、それにもかかわらず、今回引き渡しまでに日数を要したことはまことに遺憾である。
また、このような凶悪犯の身柄引き渡しは、米政府の好意的考慮として取り扱われているが、このことは、我が国の主権を踏みにじるだけでなく、日米地位協定の不平等と運用改善の限界を示すものである。
さらに、6月20日の米軍普天間飛行場誘導路上における大型ヘリコプターの故障による立ち往生や、5月13日の渡名喜村及び渡嘉敷村におけるヘリコプターの緊急着陸など、一歩間違えば大惨事につながりかねない事故が相次いでいること及び米軍関係者の刑法犯罪検挙数が近年増加傾向にあることをかんがみた場合、米軍の綱紀粛正への取り組みや兵士教育のあり方に疑問を抱かざるを得ない。
よって、本県議会は、我が国の主権及び県民の生命・財産・人権を守る立場から、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要求する。
記
1 被害者への謝罪及び完全な補償を行うこと。
2 日米地位協定を抜本的に見直すこと。
3 綱紀粛正を行い、隊員に対する教育の徹底など実効ある再発防止策について万全を期すること。
4 米軍基地の一層の整理縮小と海兵隊を含む兵力の削減を行うこと。
上記のとおり決議する。
平成15年7月14日
沖縄県議会
駐日米国大使
在日米軍司令官あて
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事
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