平成17年第6回議会(11月定例会)で可決された意見書・決議

ページ番号1020957  更新日 2024年1月11日

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意見書 4件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成17年12月16日 道路整備の促進と道路特定財源の確保に関する意見書 原案可決 多数
平成17年12月16日 脳脊髄液減少症の治療推進と保険適用を求める意見書 原案可決 全会一致
平成17年12月16日 国が発注する公共工事への県内企業の受注機会拡大に関する意見書 原案可決 全会一致
平成17年12月16日 沖縄県の米軍基地に関する意見書 原案可決 全会一致

決議 1件

議決年月日 件名 議決の結果 備考
平成17年12月16日 沖縄県立社会福祉施設の民営化に係る県方針に関する要請決議 原案可決 全会一致

道路整備の促進と道路特定財源の確保に関する意見書

道路は、豊かな県民生活の実現と県土の均衡ある発展を図る上で基礎となる重要な社会基盤である。
特に、本県は島嶼県であり、離島を多く抱えていること、他都道府県のように鉄軌道が整備されていなかったことから、空港、港湾等の交通拠点や、中心都市と市町村を結ぶ交通手段は専ら道路に大きく依存してきた。
このため、本県では、復帰後、これまで積極的に道路整備を進めてきたが、依然として本県の人口及び自動車台数当たりの道路延長が全国平均の6割程度しかない状況であり、都市部を中心として深刻でかつ慢性的な交通混雑が発生している。その結果、道路延長1キロメートル当たりの交通渋滞による損失時間は、東京都、大阪府などに次いで全国6番目となっており、大きな損失をこうむっている。
このような本県の地域間の陸上交通の現状と問題点を改善して、交通渋滞の緩和並びに県民生活、社会経済及び観光産業等における利便性等の向上を図るため、沖縄自動車道や一般国道58号等沖縄本島の南北方向の主要幹線道路と那覇空港自動車道や東西幹線道路等東西方向の道路を有機的に連結する広域道路ネットワークを構築する必要がある。また、離島においても生活環境の改善と地域振興を図るため、伊良部大橋等の整備を推進する必要がある。ところで、国におかれては、行財政構造改革を進める中で、道路特定財源については、自動車重量税等の環境税化等の使途の拡大や一般財源化等さまざまな議論がなされているとのことであるが、道路特定財源が一般財源化された場合、受益者負担の基本理念が損なわれるとともに、本県が推進・計画している体系的な道路網の整備が滞ることが懸念されている。
よって、政府におかれては、本県の振興・発展に影響が生ずることがないよう、県民福祉の向上、社会経済の発展と密接にかかわる道路整備を引き続き着実に推進するとともに、その財源として道路特定財源を確保されるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日

沖縄県議会

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
金融・経済財政政策担当大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

沖縄県立社会福祉施設の民営化に係る県方針に関する要請決議

沖縄県は、沖縄県社会福祉事業団に運営委託している12の沖縄県立社会福祉施設を、譲渡先を沖縄県社会福祉事業団に特定すること、建物は無償譲渡するが、土地は有償譲渡を原則とし、当分の間有償貸し付けとすること、退職金積み立て、老朽施設整備等の名目の支援策は行わないこと、融資、あっせん等を含む事業団の自立支援策は別途検討することなどの方針を示した。
この方針は、利用者サービスの質の確保の観点やこれまで同事業団が30年余にわたって果たしてきた役割を評価する一方で、事業団経営の健全性の確保の観点や逼迫した県財政の状況、行財政改革の推進、特定の団体への無償譲渡の困難性と有償の原則論等を多角的に検討した結果、取りまとめたものとしている。
これに対し、沖縄県社会福祉事業団は、県からの出資金1000万円を基本財産とし、これまで県の委託料のみで運営してきていること、事業団の自主財源は預金金利のわずかなものであること、制度上同事業団は各種積立金ができない仕組みとなっていることから、県案どおり有償譲渡となった場合、経営の圧迫及び職員の労働条件の大幅な低下や不安定雇用による施設利用者の安定処遇の継続が危惧されること、売春防止法やDV法、生活保護法に基づく3施設は、県内では同事業団しか運営実績がなく、不採算施設であると思われることから継続運営が困難であり、利用者処遇の低下を招くことなどを挙げている。
また、老朽施設の整備資金についての財政支援の必要性や勧奨退職希望者の承認、退職金算定方法などの問題点を挙げ、県の方針の見直しと改善を求めている。
よって、県におかれては、譲渡を受けた同施設が永続的かつ安定的に経営され、いささかも利用者サービスの提供に支障を来さないよう、下記の事項について取り組まれることを強く要請する。

1沖縄県社会福祉事業団の経営安定を図るため、土地は3年程度を目途に無償貸し付けとし、その後、有償譲渡について改めて検討すること。
2沖縄県社会福祉事業団の経営安定のためのシミュレーションを行い、支援策等について検討すること。
上記のとおり決議する。
平成17年12月16日

沖縄県議会

沖縄県知事 あて

脳脊髄液減少症の治療推進と保険適用を求める意見書

脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ障害などによる頭部や全身への強い衝撃で脳を覆う硬膜に穴があき、脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感、疲労感等のさまざまな症状が複合的に発現する病気である。
この病気は、これまで原因がわからず、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されるケースが多く、さらに、なぜ多彩な症状が発現するのか、どのように脳脊髄液が漏れるのかなど基礎的な研究が大きく立ち遅れており、有効な治療法もまだ確立されていない。
さらに、医療現場や社会的な認知度がまだまだ低く、また保険診療の適用がないため、患者や家族にかかる精神的、経済的な負担や苦労は大変大きなものがある。
ところで近年、全国で30万人以上いるとされている難治性の「むち打ち症」の原因の一つが脳脊髄液減少症であることがわかり、その治療法としてブラッドパッチ療法が実施され、多くの患者の症状が改善できたことは患者にとって大きな光明となっている。
よって、政府におかれては、このような現状を踏まえ、早急に下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1脳脊髄液減少症の原因究明のための研究や、現在効果的とされて実施されているブラッドパッチ療法を含めた有効な治療法の開発を積極的に推進すること。
2脳脊髄液減少症の治療に対して保険を適用するとともに、医療関係者及び保険会社等関係機関が積極的に問題解決に取り組むよう指導すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日

沖縄県議会

内閣総理大臣
厚生労働大臣
沖縄及び北方対策担当大臣 あて

国が発注する公共工事への県内企業の受注機会拡大に関する意見書

近年、国の行財政構造改革の推進により公共投資が減少し、さらには長引く景気の低迷等により民間の設備投資も伸び悩んでいるため、県内における建設や土木等の発注高は年々減少し続けている。
さらに、国等が発注する公共工事において、県外企業の入札参加が増大し、発注額の約半数を県外業者が占めているため、県内企業が影響をこうむっている。
このようなことは、公共工事が受注額の大半を占め、依存度が高い県内企業にとって、公共工事の減少のみならず、少なくなった公共工事への入札参加の機会や受注の可能性を失うこととなり、県内企業の死活問題につながりかねない事態である。
このため、本県議会を初め県や関係機関は、このような事態を極めて憂慮すべき事案としてとらえ、これまで国等に対して公共工事の増大と県内企業への受注機会の拡大を要請してきた。
ところで、去る11月16日に公表された沖縄総合事務局発注の那覇第2合同2号館建築工事の一般競争入札結果によれば、技術的に十分対応可能であるにもかかわらず県内企業が入札に参加できないという事態が発生した。
発注に際してやむを得ない事情や制度上の制限等があったとしても、沖縄の振興を主任務とする沖縄総合事務局の工事発注において、県内企業が入札に参加できないということはまことに遺憾である。
本来、県内で行われる国等発注の公共工事については、沖縄振興策に基づき県内の社会資本の整備及び県内経済の活性化として行われている財政投下の一環であり、それを生かすためには県内企業への受注を優先させるべきである。
よって、政府におかれては、沖縄県内で発注される国等の関係工事については県内企業の受注機会を大幅に拡大されるよう要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日

沖縄県議会

沖縄総合事務局長
那覇防衛施設局長 あて

沖縄県の米軍基地に関する意見書

去る10月29日、日米両政府は、日米安全保障協議委員会(2プラス2)において、新たな脅威や多様な事態に対処するための対処能力を向上させるとともに、全体として地元に与える負担を軽減するため、「日米同盟:未来のための変革と再編」に関する中間報告を取りまとめた。
この中間報告は、平成8年12月の日米両政府による、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)の最終合意に基づき示された「普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設案」を事実上変更するものであるが、在沖米海兵隊の司令部や兵員等の海外・県外移転や、嘉手納飛行場における一部訓練の県外移転、嘉手納飛行場より南の基地施設・区域のさらなる整理・統合・縮小案が含まれており、本県における基地の過重な負担を軽減する観点から評価できるものもある。
その一方で、普天間飛行場の代替施設として、「キャンプ・シュワブの海岸線の区域とこれに近接する大浦湾の水域を結ぶL字型に設置する」という新たな移設案が示されており、これまでの国、県及び名護市等関係機関による基本計画の策定及び作業等の経緯や、地元名護市や県民の間で不満が多いことを踏まえれば、そのままの形で受け入れることは現実問題として難しい。
また、SACOの最終合意を事実上変更したことについて県民への説明が行われていないことや、地元との事前協議のないまま、頭越しに一方的な形で「中間報告」が示されたことは遺憾である。
よって、政府におかれては、沖縄の現実を真摯に受けとめられ、普天間飛行場の危険性の除去及び早期返還と、県民の目に見える形での基地負担の軽減という、沖縄の受け入れ可能な案を、来る3月の「日米同盟:未来のための変革と再編」に関する最終報告に反映されるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月16日

沖縄県議会

内閣総理大臣
外務大臣
防衛庁長官
沖縄及び北方対策担当大臣
防衛施設庁長官 あて

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