地域新産業創出基盤強化事業による導入機器の紹介
新規試験研究・検査機器導入により、工業技術センターの基盤を強化しました
本事業は、国内の成長産業の育成を図るための国の補助事業で、国際物流拠点型産業の発展可能性の高い沖縄地域において、成長産業育成や新産業創出を図るため、中核的試験研究機関である工業技術センターの基盤を強化することを目的としたものです。
基盤強化のため、県内企業からの要望を踏まえて下記の新規試験研究・検査機器10機器を選定し、工業技術センター内に整備しました。
試験研究等設備の導入や広域的な活用の推進については、沖縄総合事務局より委託された事務局(株式会社トロピカルテクノセンター及び一般社団法人トロピカルテクノプラスの共同事業体)が実施しました。
新規機器については、お気軽にお問合せいただき積極的にご活用くださいますよう、よろしくお願いいたします。
導入機器
- ポータブル水分活性装置
- ポータブル色差計
- 温度データロガー
- 乾式粒度分布測定装置
- ドラムドライヤー
- 気流式粉砕機
- アトマイザー
- ジュール殺菌装置
- モジナイザー(乳化装置)
- 真空包装ホットパック
1.ポータブル水分活性測定装置
水分活性とは食品中に含まれる自由水の割合を表す数値で、食品中で微生物が増殖するのを抑えるため、自由水の制御が重要となります。国際標準化機構(ISO)において、食品中の水分活性基準の新たな規格の検討が挙がっており、海外展開において重要な指標の一つとなり得えます。一般的な食品、化粧品、医薬品などの測定かつ、ポータブルタイプで持ち運びができ、現場での測定も可能です。
2.ポータブル色差計
対象物の色を測定して数値化する装置です。食品分野をはじめ、様々な分野での品質管理に用いられれています。特に飲料や粉末化素材においては、色を数値化した品質の規格設定が求められています。保存や加熱前後の色を測定するなど、色彩的な品質の管理に使用されます。ハンディタイプで製造現場での測定にも対応可能であります。
3.温度データロガー
測定対象の温度推移を記録する装置です。一般的には、滅菌(蒸気)のコントロール、冷凍庫マッピング、電子レンジの温度測定、低温殺菌法のコントロールなどに使用されております。製品の日持ち向上試験における滅菌条件の評価に利用可能な他、海外展開において課題となっている製品の輸送環境等で適切な輸送・温度管理がなされているかの追跡試験にも活用できます。
4.乾式粒度分布測定装置
粉末の粒度(粒子の大きさ)と均一性を測定する装置で食品の品質管理のほか、化成品の品質管理にも使用されております。県内では粉末素材を健康食品や菓子類等に応用する企業が多く、高品質な素材が求められています。乾式粒度測定装置は、従来の湿式とは異なり、水分含有の影響を受けないため、精度の高い試験評価が見込めます。
5.ドラムドライヤー
液体素材を含め短時間で濃縮・乾燥処理可能なため、熱劣化が少なく、変色、香り、たんぱく物質等の熱に敏感な素材の乾燥に適しております。
伝導・伝熱機構であるため、熱効率に優れ、熱経済的かつ、操作が連続的で簡便・ムラがなく均一の素材が得られるのが特徴です。
6.気流式粉砕機
乾燥素材向けの粉砕機で、気流によって試料を衝突させること(自生粉砕)で粉砕し短時間で粉砕可能なため、熱による品質変化が激しい素材に適しています。
分解清掃と対象物の交換が簡便である事が特徴です。県内には実製造用の機器はあるが検討には大量の素材を必要しますが、本装置は小量の素材で検討可能です。
7.アトマイザー
微粉砕を目的とした装置で、回転ディスクに取り付けられたハンマーがその外周にセットされたプレートの内側を回転しながら衝突することで微粉化されます。粒度が安定し、処理能力が大きいことが特徴。熱に弱い素材には適さない場合があるが、様々な素材の粉砕に応用できる試験加工機です。
8.ジュール殺菌装置
食品に直接通電し、自己発熱させるため、急速加熱が可能です。食材中の固形物も抵抗体になるので加熱可能で、調味液同様、短時間加熱が可能な為、素材由来の味や食感を残せます。食材自身が自己発熱するので、熱伝達の悪い粘性食品でも均一に加熱できます。食品の日持ち向上に関する評価試験が検討できる他、ジュース等の退色軽減評価にも活用が見込めます。
9.ホモジナイザー(乳化装置)
液体製品中に含まれる粒子に高い圧力を加えて微砕化、均質化する装置。実製品に近いサンプル・試作品作製能力、生産機との整合性をもち、シンプルな構造、分解洗浄可能であるのが望まれます。商品の開発や品質改善において、飲料や化粧品素材等の均一分散化試験等の評価が見込めます。
10.真空包装ホットパック
加熱した状態で真空パックができ、加工時間が短縮されます。従来通りの真空パックも可能。滅菌・パッキングが連続しているため、様々な保存評価試験が容易に可能です。
このページに関するお問い合わせ
沖縄県 商工労働部 工業技術センター
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