沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 那覇市立真嘉比こども園

ページ番号1006888  更新日 2024年1月11日

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基本情報

  1. 事業所名:那覇市立真嘉比こども園
  2. 経営主体:那覇市
  3. 所在地:那覇市真嘉比1丁目18番地1号

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1.子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする教育・保育を展開している。

外遊びの場として広い園庭と芝生のある屋上広場、屋上につながる階段広場等がある。室内においては5歳児クラスの1階に畳の間と2階に隠れ家的なロフトが設置されている。廊下側には子ども6人ほどが入れる小部屋が設置され、クラスそれぞれにレイアウトを施して入りたい雰囲気づくりがされている。室内外で子どもたちがワクワクする環境整備がなされている。玄関にはジュウシマツが飼育され、図書コーナーの壁棚には25種類の果物や野菜等の種が瓶詰めで展示されている。園庭にはウサギ2羽とカメが飼育され、5歳児クラスが分担して世話をしている。午前と午後に外遊びが位置づけられ、雨天以外は毎日外遊びを計画し、実施されている。外での活動には園庭での砂場遊びや泥団子遊び、固定遊具(ブランコ、滑り台、雲梯、鉄棒)、長繩跳び、フラフープ、ドッジボール、木登り、ホッピング、やっとこ、竹馬、短縄等、遊具を使った遊びの他、オリンピックごっこやかけっこ等がある。室内遊びはブロックやパズル、ぬりえ、お絵かき、折り紙、ままごと、車、粘土、手回しこま、ひもゴマ、絵本、製作等の年齢に会わせた環境を整備している。子どもたちはぬりえやお絵かき、ブロック、パズル、レゴ、折り紙、ままごと、トランプ、カード遊び、オセロ、お店屋さんごっこ、廃材遊び、マフラー作り、こま回し、すごろく、かるた等で活動している。各クラスが室内外で、それぞれに好きな遊びを展開し、一人で遊ぶ姿や各グループに分かれて遊んでいる姿がある。各クラスの水槽でグッピーや金魚等が飼育され、小動物に興味を持てるよう配慮されている。季節の移り変わりを感じるねらいとして春~夏ごろは園庭の田んぼでトンボやヤゴ、カエルなどと出会い、秋には落ち葉や草花の種、木の実等を遊びに取り入れ季節が感じられる環境に配慮している。生活や遊びの場面で子どもの気持ちを受け止め、保育教諭は発達に応じた援助をしている。園庭の一角にある畑にはさつまいもやカボチャ、数珠玉が植えられ、各所にベゴニアやコスモス等、季節の花のプランターが置かれている。
関連項目:51

2.家庭との緊密な連携を図り、利用者満足の向上に努めている。

保護者からの意見や要望等は、園長の「おしゃべりノート」や個別面談、クラス懇談会で把握に努め、毎年、学校評価に伴う保護者アンケートが実施されている。保護者アンケートから「行事が少なくコロナ禍で園内に入ることができず子どもの様子が見られない」との声があり、「保育ドキュメント」を作成して伝え、玄関に大型テレビを設置して、行事や日々の保育をスライドショーで伝えている。家庭訪問に替えて子どもの自宅への資料のポスティングを実施している。クラス懇談会やPTA総会、保育参観や個人面談等で保護者の理解を得る機会としている。今年度はコロナ禍のため、誕生会をクラス毎に実施することになり、保護者に参加してもらい、誕生児へのメッセージを読み上げてもらうと共に、親子写真を写すことで保護者に喜ばれている。発表会はクラス毎に各家庭から保護者一人の参加で実施している。保育参観等ができない状況のため、「保育ドキュメンテーション」として各クラスの保育状況の写真を編集して保護者に提示している。個別に子どもの様子を伝える手紙に活動時の写真を添付している。発表会で取り組む姿を業者にビデオ撮影を依頼し、希望者には販売している。園長からの「おしゃべりノート」にはお知らせやお願い等が記載され、保護者から自由にコメントが提出され、園長は毎日提出されたコメント全部に目を通し、確認印を押して返している。そのため最近は苦情がほとんどない状況になっている。
関連項目:33、63

3.食育の一環として米作りを通して子どもたちの食への関心を高めている。

食育指導計画や飼育栽培年間計画、田んぼの年間計画が作成されている。園庭において、地域の自治会の協力を得て毎年、土づくりから田植えや稲刈り収穫等、米ができるまでの一連の作業を体験し、できた米でご飯を炊き、子どもたち自らおにぎりを作り食している。今年度は、収穫したお米を地域の方々によって首里城へ献上する儀式が行われ、地域との文化交流がさらに深まっている。6月頃はゴーヤーやヘチマ、ピーマン、9月頃はインゲンや二十日大根、10月頃から人参やジャガイモ、玉ねぎ等を植え、子どもたちが水やりから収穫までを担い、季節ごとの野菜の育ちを観察し収穫を楽しみにしている。2月にはジャガイモや人参を収穫し、カレーパーティーを行い、子どもたちが食に関心が持てるように取り組んでいる。
関連項目:61

改善を求められる点

1.標準的な実施方法(マニュアル等)の整備及び見直しが望まれる。

感染症マニュアルや子ども虐待対応マニュアル、緊急時対応マニュアル、与薬マニュアル、実習生受け入れマニュアル、アレルギー対応マニュアル、プール活動・水遊び危機管理マニュアル等が整備され、全職員に配布している。年度初めの職員会議で周知・共有され、日常的に活用されている。
標準的な実施方法として、子どもの尊重やプライバシーの保護、権利擁護に関わるマニュアルや指導計画の見直しの手順書等の整備、及び定期的な検証・見直しの実施が望まれる。なお、見直し過程がわかるよう制定年月日や改定年月日の記載が望まれる。
関連項目:40、41、28、29

2.施設における中・長期計画の作成が望まれる。

市全体の中・長期計画は5年間(2020~2024年度)の第2期那覇市子ども子育て支援事業計画が策定されている。那覇市子ども子育て支援事業計画は、那覇市の児童福祉の推進のため、待機児童の改善等、具体的な内容になっている。計画の推進に関する課題については、保育士等の確保や教育・保育の質の向上に関する事業等が記載されている。計画では5年間の見込みと目標値が明記され、中間見直しを行い実施状況の評価が行える内容となっている。第1期の教育・保育の量の見込みについて、真和志地区は目標値が未達成との評価となっている。
認定こども園として、設備や備品の整備、職員体制等の具体的な中・長期計画及び収支計画の策定が望まれる。
関連項目:4、5

3.地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動の取り組みが望まれる。

本園は、障がい者用トイレが設置されたバリアフリーの施設であることから、災害発生時の福祉避難所として市担当部署の事前調査が昨年、実施されている。
把握した地域の教育・保育ニーズに基づき、認定こども園が有する教育・保育の提供に関するノウハウや専門的な情報を地域に還元する取組として、地域における幼児期の教育センターとして、未就園児の保護者への子育て相談等の実施や公的資金による社会福祉事業にとどまらない地域貢献に関わる事業・活動の実施が望まれる。
関連項目:26、27

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

今回、第三者評価を受けるにあたり、全職員による評価、全世帯による評価を受け、分析、及び結果の公表をしていただき、改めて本園の強みや課題を確認することができました。恵まれた園内環境や地域とのつながりを今後も継承していきながら、課題となった園独自のマニュアル作成、中・長期計画の見直しを図り、こども教育保育課と連携を図りながら、さらに充実した園づくりを目指していきたいと思いました。多方面から評価していただいた第三者評価調査員の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
電話:098-866-2164 ファクス:098-866-2569
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