水銀排出施設とは?

ページ番号1004515  更新日 2024年1月11日

印刷大きな文字で印刷

水銀及びその化合物(以下「水銀等」という。)は、地球規模で見た場合、1.火山活動、岩石の風化等の自然現象(10%)、2.化石燃料(特に石炭)の燃焼や廃棄物の焼却等の人為的活動(30%)、3.土壌、水域及び植物に蓄積されたものからの再放出(60%)等によって環境中に排出される。

水俣条約における大気排出抑制に関係する事項としては、水俣条約附属書Dに定める5分類(石炭火力発電所、産業用石炭燃焼ボイラー、非鉄金属製造に用いられる製錬及びばい焼の工程、廃棄物焼却設備、セメントクリンカー製造設備)に該当する施設からの大気への排出を規制するための措置をとることとされている。

工場又は事業場に設置される施設で水銀等を大気中に排出するもののうち、水俣条約の規定に基づきその規制を行うことが必要なものを「水銀排出施設」とした。

出典:環境省通知(大気汚染防止法の一部を改正する法律等の施行について(平成28年9月26日環水大大発第1609264号))を加工して作成

留意点

今般の規制は、環境中を循環する水銀の総量を地球規模で削減するという水俣条約の趣旨に沿って、水銀等の大気排出量をできる限り抑制することを目的としている。

したがって、排出基準の性格や測定値の評価等については、大気汚染防止法における従来の大気汚染物質の規制の在り方とは異なることに留意することが必要である(基準値を超えた場合、直接的に人の健康に係る被害が生じることは想定されていない)。

出典:環境省通知(大気汚染防止法の一部を改正する法律等の施行について(平成28年9月26日環水大大発第1609264号))

(注)大気汚染防止法における水銀排出施設以外は、規制により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに大気の汚染に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的としている。

1届出対象一覧

(1)大気汚染防止法(全国統一の基準)

施設名

施設規模(以下のいずれかに該当するもの)

1 小型石炭混焼ボイラー(バーナーの燃焼の燃焼能力 10万リットル/時(重油換算)未満)

伝熱面積 10平方メートル以上

燃焼能力 50リットル/時(重油換算)以上

2 石炭ボイラー(この表の1に掲げるものを除く。)

伝熱面積 10平方メートル以上

燃焼能力 50リットル/時(重油換算)以上

3

(1)金属の精錬(銅又は金を精錬するものに限る。)用

焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、煆焼炉、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉及び平炉(3(3)に掲げるものを除く。)

(2)金属の精錬(銅又は金を精錬するものに限る。)用

溶解炉(専ら粗銅、粗銀又は粗金を原料とするもの、こしき炉及び3(3)に掲げるものを除く。)

(3)銅の精錬用

焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉、溶解炉(専ら粗銅を原料とするものを除く。)及び乾燥炉

(1)施設規模基準

原料処理能力 1トン/時以上

(2)施設規模基準

火格子面積 1平方メートル 以上
羽口面断面積 0.5平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 50 リットル/時(重油換算)以上

変圧器の定格容量 200キロボルトアンペア以上

(3)施設規模基準

原料処理能力 0.5 トン/時以上

火格子面積 0.5平方メートル以上

羽口面断面積 0.2平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 20 リットル/時(重油換算)以上

4 (1)金属の精錬(鉛又は亜鉛を精錬するものに限る。)用
焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、煆焼炉、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉及び平炉(4(3)に掲げるものを除く。)
(2)金属の精錬(鉛又は亜鉛を精錬するものに限る。)用
溶解炉(専ら粗鉛又は蒸留亜鉛を原料とするもの、こしき炉及び4(3)に掲げるものを除く。)
(3)鉛又は亜鉛の精錬用
焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉、溶解炉(専ら粗鉛又は蒸留亜鉛を
原料とするものを除く。)及び乾燥炉

(1)施設規模基準

原料処理能力 1トン/時以上

(2)施設規模基準

火格子面積 1平方メートル 以上
羽口面断面積 0.5平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 50 リットル/時(重油換算)以上

変圧器の定格容量 200キロボルトアンペア以上

(3)施設規模基準

原料処理能力 0.5 トン/時以上

火格子面積 0.5平方メートル以上

羽口面断面積 0.2平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 20 リットル/時(重油換算)以上

5

(1)金属の精錬(銅、鉛又は亜鉛を精錬するものに限る。)用
焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、煆焼炉、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉及び平炉(5(3)、5(5)に掲げるものを除く。)

(2)金属の精錬(銅、鉛又は亜鉛を精錬するものに限る。)用

溶解炉(専ら粗銅、粗鉛又は蒸留亜鉛を原料とするもの、こしき炉並びに5(3)、5(4)及び5(5)に掲げるものを除く。)


(3)銅、鉛又は亜鉛の精錬用
焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉、溶解炉(専ら粗銅、粗鉛又は蒸留亜鉛を原料とするものを除く。)及び乾燥炉(5(5)に掲げるものを除く。)

(4)鉛の二次精錬(鉛合金の製造を含まない。)用

溶解炉

(5)亜鉛の回収(製鋼用の電気炉から発生するばいじんを集じん機で集めたものから亜鉛を回収するものに限る。)用
焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉及び乾燥炉

(1)施設規模基準

原料処理能力 1トン/時以上

(2)施設規模基準

火格子面積 1平方メートル 以上
羽口面断面積 0.5平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 50 リットル/時(重油換算)以上

変圧器の定格容量 200キロボルトアンペア以上

(3)施設規模基準

原料処理能力 0.5 トン/時以上

火格子面積 0.5平方メートル以上

羽口面断面積 0.2平方メートル以上

バーナーの燃料の燃焼能力 20 リットル/時(重油換算)以上

(4)施設規模基準

バーナーの燃料の燃焼能力 10 リットル/時(重油換算)以上

変圧器の定格容量 40キロボルトアンペア以上

(5)施設規模基準

原料処理能力 0.5トン/時以上

6

(1)金属の精錬(金を精錬するものに限る。)用
焙焼炉、焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)、煆焼炉、溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。)、転炉及び平炉(6(2)に掲げるものを除く。)
(2)金属の精錬(金を精錬するものに限る。)用
溶解炉(専ら粗銀又は粗金を原料とするもの及びこしき炉を除く。)
(1)施設規模基準
原料処理能力 1トン/時以上
(2)施設規模基準
火格子面積 1平方メートル 以上
羽口面断面積 0.5平方メートル以上
バーナーの燃料の燃焼能力 50 リットル/時(重油換算)以上
変圧器の定格容量 200キロボルトアンペア以上
7 セメント製造用の焼成炉 火格子面積 1平方メートル 以上
バーナーの燃料の燃焼能力 50 リットル/時(重油換算)以上
変圧器の定格容量 200キロボルトアンペア以上
8

廃棄物焼却炉(一般廃棄物/産業廃棄物/下水汚泥焼却炉)

(専ら自ら産業廃棄物の処分を行う場合であって、廃棄物処理法施行令第7条第5号に規定する廃油の焼却炉の許可のみを有し、原油を原料とする精製工程から排出された廃油以外のものを取り扱うもの及び9に掲げるものを除く。)

火格子面積 2平方メートル以上

焼却能力 200キログラム/時以上

9 廃棄物焼却炉のうち、水銀回収義務付け産業廃棄物又は水銀含有再生資源を取り扱うもの(加熱工程を含む施設に限る。) (施設規模による裾切りなし)

出典:環境省通知(大気汚染防止法の一部を改正する法律等の施行について(平成28年9月26日環水大大発第1609264号))及び環境省リーフレット(水銀大気排出規制への準備が必要です!)を加工して作成

2届出事項及び様式

提出先:施設所在地の所管保健所

提出数:2部(正本及びその写し)

(注意)那覇市内の水銀排出施設は那覇市へ届出となります。

設置の届出 (新しく施設を設置するとき)

届出の期限:設置する60日以前

  • 様式第3の5別紙1 水銀排出施設の構造
  • 様式第3の5別紙2 水銀排出施設の使用の方法
  • 様式第3の5別紙3 水銀等の処理の方法

経過措置に伴う届出(届出を要する施設となった際すでに設置しているとき)

届出の期限:届出を要する施設となった日から30日以内

  • 様式第3の5別紙1 水銀排出施設の構造
  • 様式第3の5別紙2 水銀排出施設の使用の方法
  • 様式第3の5別紙3 水銀等の処理の方法

構造等変更の届出(施設の構造や燃料を変更するとき)

届出の期限:構造等の変更を行う60日以前

  • 様式第3の5別紙1 水銀排出施設の構造
  • 様式第3の5別紙2 水銀排出施設の使用の方法
  • 様式第3の5別紙3 水銀等の処理の方法

氏名・名称・住所・所在地変更の届出

届出の期限:変更の日から30日以内

使用廃止の届出

届出の期限:廃止の日から30日以内

承継の届出

届出の期限:承継のあった日から30日以内

水銀濃度測定記録表

参考

3届出の流れ

イラスト:届出フロー


  • ※提出された届出書が形式上の要件を満たしていない場合は、却下又は修正を求めます。形式上の要件に適合して、初めて受理となります。
  • ※受理日から原則として60日は実施の制限がかかります。
  • ※届出内容が法令等に規定する要件に適合していると認められたとき、審査完了の通知を行います。この通知をもって。実施の制限は解除されます。

番号

項目

説明

1

形式審査 提出された届出書の形式上の要件(記載漏れがないかどうか、全部資料がそろっているかどうか)を満たしているか審査します。

2

受理 届出書が形式上の要件を満たしている場合、受理書を交付します。

3

内容審査 届出内容が大気汚染防止法の規定する要件(排出基準等)を満たしているか審査します。

4

計画変更命令等 大気汚染防止法の基準に適合していないと認めるときは計画の変更又は廃止を命ずることがあります。

5

審査完了 届出内容が大気汚染防止法の規定する要件を満たしていることを知事が決定します。

関連リンク

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 環境部 環境保全課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟4階(北側)
電話:098-866-2236 ファクス:098-866-2240
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。