令和4年度土壌中のPFOS等調査結果
県は、令和4年12月に普天間飛行場周辺等で土壌中のPFOS等調査を行いましたので、その結果について公表致します。
1.経緯
- 県は、平成28年度から河川や湧水等のPFOS等調査を実施しており、これらの結果を踏まえ令和元年6月に国に対し水及び土壌の基準値等の設定を求めたところ、令和2年5月に公共用水域等におけるPFOS等の暫定指針値(50ng/L)が設定されました。
- 一方、土壌中のPFOS等については、基準値や分析方法が定められておらず、安全性に対する評価ができないことから、これまで国に対し基準値の設定等を要請しています。
- また、市民団体が普天間第二小学校で独自に土壌調査を行うなど、PFOS等による土壌汚染に対して県民の懸念が高まっております。
- 県としては、県民の生活環境保全の観点から、土壌調査は必要と考えており、これまでの水質調査で暫定指針値(50ng/L)を超過するPFOS等が検出され、基地からの影響による土壌汚染も懸念される普天間飛行場及び嘉手納飛行場周辺と基地の影響がないと思われる対照区について、令和4年12月に調査を実施しました。
2.調査項目等
- 採取時期:令和4年12月9日及び12日
- 調査地点:宜野湾市内3地点、嘉手納町内1地点、対照地点1地点、合計5地点
- 検体の採取方法:5地点混合方式(ダイオキシン類や土壌汚染対策法の採取方法を参照)
- 調査項目:PFOS及びPFOA
- 分析方法:「要調査項目等調査マニュアル(水質、底質、水生生物)[平成20年、環境省水・大気環境局水環境課]」のPFOS、PFOAの「底質」に係る分析法に準拠
3.調査結果
今回実施した5地点の土壌調査結果は以下のとおり。
地点 | PFOS(μg/kg) | PFOA(μg/kg) | 採取日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
宜野湾市(1) | 6.6 | 0.7 |
2022年12月12日 |
普天間第二小学校 |
宜野湾市(2) | 0.6 | 0.4 |
2022年12月12日 |
|
宜野湾市(3) | 0.7 | 0.4 |
2022年12月12日 |
|
嘉手納町 | 0.5 | 0.3 |
2022年12月9日 |
|
対照区 | 0.4 | 0.5 |
2022年12月9日 |
糸満市 |
- 底質の分析手法を用いて分析していることや、土壌中のPFOS等に関する基準値がないことから、分析値に対する安全性の評価は困難であります。
- 宜野湾市(1)地点(普天間第二小学校)は対照区と比較して、PFOSが16.5倍となる値が検出されており、当該調査地点については、基地からの影響を受けている可能性を否定することができません。
- 一方、基地周辺からの影響が無いと思われる対照区も含めPFOS等が検出されており、宜野湾市(2)及び宜野湾市(3)、嘉手納町の1地点は、対照区と比較してPFOS及びPFOAの値に大きな差はみられません。
4.県の対応について
- 既に調査の事実が公になっている普天間第二小学校以外の調査場所詳細については、関係者とも協議し、風評被害や土地所有者の事業活動への支障、近隣住民への影響等を考慮して公表しないこととしております。
- 普天間飛行場周辺の湧水等から高濃度のPFOS等が検出されていることについては、原因究明のため基地内への立入り調査等を求めているところであるが、宜野湾市(1)地点で検出されたPFOS等の値が他の地点より高いことについても、基地内での調査が必要であることから、地元自治体等と連携し、引き続き基地内への立入り調査の実現や、国及び米軍による原因究明調査や対策の実施等を求めていきたいと考えております。
- 令和5年度に全県的な土壌調査を行いPFOS等の存在状況を把握し、その調査結果も踏まえて、国に対して分析方法や安全性を評価するための基準値の設定を求めていくとともに、対照区からもPFOS等が検出されている状況についても考察を行っていきたいと考えております。
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