レジオネラ症防止対策(中部保健所)
レジオネラ症の予防について
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リーフレット
レジオネラ症についての分かりやすい説明と対策法は、下記を参照してください。
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レジオネラ症発生防止に向けて(リーフレット) (PDF 3.2MB)
薬務衛生課監修のリーフレット、カラーPDFファイル、平成18年版
厚労省の循環式浴槽の対策マニュアルなどへのリンク
国内における主な被害発生施設である浴場における対策などについては、下記のリンクを参照してください。
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循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて(外部リンク)
厚生労働省健康局生活衛生課 平成13年9月11日 衛発第95号
レジオネラ症の解説も含む。このページ後ろに抜粋があります。
厚労省からの上記マニュアルも含めた通知などの情報は以下のホームページにあります。
内容は上記マニュアル以外に
パンフレット よく知ろう「レジオネラ症」とその防止対策(平成12年12月改訂版)モノクロ 縮小版
(以下は通知)
- 入浴施設におけるレジオネラ症防止対策の調査結果(平成15年3月31日)(外部リンク)
- レジオネラ症防止対策について(平成11年11月26日)(外部リンク)
- レジオネラ症患者の発生時等の対応について(平成14年9月3日)(外部リンク)
- 入浴施設におけるレジオネラ症防止対策の実施状況の緊急一斉点検について(平成14年9 月20日)(外部リンク)
- 公衆浴場法第3条第2項並びに旅館業法第4条第2項及び同法施行令第1条に基づく条例等にレジオネラ症発生防止対策を追加する際の指針について(平成14年10月29日)(外部リンク)
- 公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について(平成15年2月14日)(外部リンク)
- 参考:レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針(平成15年7月25日(外部リンク)
- )(外部リンク)
- 公衆浴場における衛生等管理要領について(平成18年8月24日)(外部リンク)
危険施設
レジオネラ症の被害発見は、米国での冷却塔(クーリングタワー)施設による34名の死亡事例でした。危険性がある設備や施設は、以下のものがあります。
- 浴場施設
- 冷却塔と冷却水系
- プール
- 給水設備
- 給湯設備
- 加湿器
- 蓄熱槽
- 水景施設(噴水など)
プールの基準と旅館・浴場の法律へのリンク
浴場に準じた対策が必要とされるプールにおける衛生対策などについては、下記のリンク(PDFファイル)を参照してください。
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遊泳用プールの衛生基準について(外部リンク)
厚生労働省健康局 平成19年5月28日 健発第0528003号 -
沖縄県の旅館・浴場関係の法律(沖縄県法規集のトップへリンク)(外部リンク)
旅館・浴場の条例と細則は、第7編 第4章 第1節 第1款にあります。
条例・細則内に、国の法律へのリンクがあります。
公衆浴場の条例からの抜粋
公衆浴場法施行条例のうちレジオネラ症対策に関係する部分の平易な書き直し書き直しではない関係部分は下記のファイルを参照(リッチテキストファイル)
定義(第2条)
「普通公衆浴場」とは、銭湯
「その他の公衆浴場」とは、次の4種類
- 個室を設けるソープなど
- 熱気、砂等によるサウナなど
- 療養を目的とするもの
- ゴルフ場などの保養又は休養のための附帯設備を有するもの
構造基準(別表第1第4条関係)
1 個室を設けるソープなど以外の公衆浴場
(23)貯湯槽内の湯水の温度を、通常の使用状態において60℃以上に、最大使用時においても55℃以上に保つ。
(24)原水及び原湯の配管は、ろ過器及び循環配管に接続せず、浴槽水面上部から浴槽に落とし込む。
(25)浴槽水を循環させる場合には、次の基準
ア ろ過器は、1時間当たりで浴槽の容量以上のろ過能力を有し、ろ材は十分な逆洗浄が行えるもの。
イ ろ過器の前に集毛器を設置。
ウ 循環している浴槽水が浴槽の底部に近い部分で補給。
エ 浴槽水の誤飲を防ぐための措置。
オ塩素系薬剤等の注入口又は投入口は、浴槽水がろ過器内に入る直前に設置。
(26)例外を除き、浴槽の縁からあふれた湯水を浴用に使用しない。
(27)気泡発生装置等を設置する場合には、連日使用型循環浴槽水を用いない。
(28)打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を用いない。
2 個室を設けるソープなど
(9)使用のたびに浴槽水を取り替える。
衛生基準(別表第2 第5条関係 上記の構造基準と共通のものは省く)
1 個室を設けるソープ以外
(11)定期的に貯湯槽の生物膜を監視し、生物膜の除去を行うための清掃及び消毒を行う。
(12)浴槽水は、常に満杯状態に保ち、溢水させ、清浄に保つ。
(13)浴槽水は毎日完全に換水するか、1週間に1回以上完全に換水する。
(14)ろ過器を使用している場合には、1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、循環配管について適切な消毒方法で生物膜を除去し、浴槽を清掃する。
(15)浴槽水の消毒には、塩素系薬剤を使用し、遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、1リットル中0.2mg以上1.0mg未満に調整し、測定結果を3年間保管する。
(18)集毛器は、毎日清掃する。
(19)洗い場の湯栓やシャワーに湯水を送る調整箱は、定期的に清掃を行う。
(20)1年あたりの水質検査は、
毎日完全換水の浴槽水:1回以上
連日使用型循環浴槽水―塩素系薬剤で消毒:2回以上
―塩素系薬剤以外で消毒:4回以上
結果は検査の日から3年間保管する。
(21)水質検査の結果、水質が第9号で規定する基準に適合しない場合には、知事に届け出る。
公衆浴場法施行細則のうちレジオネラ症対策に関係する部分(水質基準)
循環水など水道水以外を用いる場合の水質基準(例外を除く)
事項 基準
原湯、原水、上がり用湯・水について
- 色度 5度以下
- 濁度 2度以下
- 水素イオン濃度 5.8以上8.6以下
- 有機物等 1リットル中10ミリグラム以下
- 大腸菌群 50ミリリットル中に検出されない
- レジオネラ属菌 検出されない
浴槽水について
- 濁度 5度以下
- 有機物等 1リットル中25ミリグラム以下
- 大腸菌群 50ミリリットル中に検出されない
- レジオネラ属菌 検出されない
厚労省の循環式浴槽の対策マニュアルからの抜粋
循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルの一部の紹介
<上記の県の公衆浴場や旅館業の条例などでは、より厳しい規則を定めている場合があります>
<省略した部分は下記のリンクから参照して下さい>
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循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて(外部リンク)
厚生労働省健康局生活衛生課 平成13年9月11日 衛発第95号
目次
はじめに
- レジオネラ症とは
- 感染源および感染経路
- 循環式浴槽の管理方法
- 関連法規等に規定されている管理概要
- 設備の概要
- 構造上の問題点と対策
- 浴槽の水質管理
- 浴室の管理方法
- その他
I.レジオネラ症とは
レジオネラ症の最初の発見は、1976年に米国のホテルにおける在郷軍人会支部総会後に221名が重症肺炎を発病し、うち34名が死亡した事件によります。研究の結果、新しい病原菌が発見されました。その後、レジオネラ症には、肺炎型だけでなくインフルエンザのようなポンティアック熱があることが分かりました。レジオネラ肺炎は、1週間前後の潜伏期間の後に、悪寒、高熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、痰の少ない咳、胸痛・呼吸困難などが現れ、徐々に重症化し、死亡例も少なくありません。4類感染症に分類され、医師は1週間以内にその情報を保健所に届けることが義務づけられています。
II.感染源および感染経路
レジオネラ肺炎は、レジオネラ属菌を包んだ直径5μm以下のエアロゾルを吸入することにより起こる気道感染症です。この菌は、土壌、河川などの自然環境に少数で生息していますが、人工の水温20℃以上の循環式水では、アメーバなどの細胞に取り込まれ大量に増殖し、水100mLあたり10~百万個に達します。
レジオネラ肺炎は健常者もかかりますが、慢性疾患者、高齢者、幼弱者などが罹りやすいです。海外では冷却塔水が感染源であったケースが最も多く、それ以外では循環式浴槽水、シャワー、噴水、洗車の水、野菜への噴霧水、浴槽内で溺れて水を呼吸器に吸い込んだ時などに感染した事例が報告されています。患者との接触によって感染したという報告はありませんので、患者を隔離する必要はありません。
III.循環式浴槽の管理方法
1.関連法規等に規定されている管理概要
(旧)厚生省は、平成12年に「公衆浴場における衛生等管理要領等について」により、「公衆浴場における衛生等管理要領」および「旅館業における衛生等管理要領」を全面改正し、公衆浴場等の衛生管理の強化を図りました。循環式浴槽は「連日使用型」と「毎日完全換水型」に区分され、浴槽水からはレジオネラ属菌は不検出(10 CFU/100mL未満、CFUは培養下での菌量単位)という基準とともに、以下のような管理基準が示されました。
(1) 循環ろ過装置は、1時間当たりで、浴槽の容量以上のろ過能力を有すること。
(2) 循環ろ過装置は、ろ材の消毒を1週間に1回以上実施すること(逆洗)。
(5) 連日使用型循環式浴槽では、1週間に1回以上完全換水し、浴槽を消毒・清掃すること。
公衆浴場では、営業中は溢水させ、毎日完全換水することが前提で、一日の営業終了後に、浴槽、ろ過装置、循環系を消毒・清掃します。循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)の使用者は、レジオネラ症の危険性をよく認識し、特に抵抗力が低い高齢者用施設では十分な管理が必要です。
2.設備の概要
(1)循環式浴槽とは
循環式浴槽とは、水の使用量を少なくする目的で、浴槽の湯をろ過器を通して循環させ清浄に保つもので、「連日使用型循環浴槽」は、浴槽水を24時間以上完全換水を行わないで循環ろ過する浴槽です。浴槽の湯は、髪の毛などが集毛器で除去され、消毒剤(塩素系薬剤が推奨)などを用いて消毒します。その後、ろ過器で更に微細な汚濁物がろ過され、加熱器で適温に温めて浴槽に戻されます。「毎日完全換水型循環浴槽」は主に循環ポンプとろ過器で構成されます。
(2)湯の循環方式は
浴槽の湯の循環方式として多く用いられているのは、側壁吐出・底面還水方式で、浴槽の底から吸い込んだ湯をろ過・消毒後に、浴槽の側壁から吐出させる方法です。これ以外に、旅館の大風呂やスーパー銭湯で使われる側壁吐出・オーバフロー還水方式があります。
(3)ろ過器の機能
機能的に以下の2種類に分けられます。
物理的ろ過装置:微細な粒子や繊維などを除去しますが、水に溶け込んだ物質は分解・除去できません。規模の比較的大きな浴槽に使用されています。
生物浄化装置:ろ材に用いた多孔質の自然石、人造石などに微生物を繁殖させたものです。ろ材はろ過能力がわずかで、微生物によって汚濁物質を分解させます。下水処理などで用いられていますが、浴槽では水温が高く、レジオネラ属菌などがろ材で繁殖しやすいです。
(4)ろ過器の種類
ろ過器には以下の3つの方式があります。1時間あたりのろ過能力は、浴槽の湯1回以上よりも大きい1.5~3回程度の例が多いです。
砂式:水質の変動に強く操作が容易で比較的安定した水質が得られるため、多く使われています。ろ過能力はろ過速度によって左右され、推奨ろ過精度は40m/h以下です。ろ材は週1回以上湯を逆に流して(逆洗)清掃し、同時に消毒(生物浄化方式では不適)をします
けいそう土式:合成繊維膜にけいそう土を付着させたろ過膜で、微細な汚濁物質もろ過できます。公衆浴場などで使われている例が多いようです。
カートリッジ式:合成繊維などのカートリッジをろ材にし、ろ剤の洗浄は不可能か困難であるため、浴槽用のろ過器としては好ましくありません。
3.構造上の問題点と対策
(1)循環式浴槽の問題点とチェックポイント
循環式浴槽は、ろ過器や消毒装置が、常にその能力を発揮できる状態に維持されていることが必要で、以下に構造上の問題点とチェックポイントを示します。
(1)循環湯の吐出口は浴槽の水面下に設ける。
循環湯を水面より上部から落とし込む構造は、新しい湯と誤解して口に含んだり、エアロゾルが発生するなど衛生的に危険なものです。
(2)浴槽循環湯を打たせ湯に使用しない。
打たせ湯は口や目にも入り込むことがあり、また、エアロゾルが発生するのでレジオネラ感染の危険もあります。
(3)気泡発生装置の使用は、更に管理面を強化する必要がある。
気泡風呂、超音波あるいはジェット風呂などでは、水面上で気泡がやぶれてエアロゾルが発生するため、レジオネラ属菌が飛散するおそれがあります。
(4)浴槽への補給水や補給湯の配管を浴槽循環配管に直接接続しない。
浴槽に補給する湯や水は、必ず浴槽水面上部から浴槽に落としこみ、これらの原水の配管に循環水の配管を接続することは禁止されています。
(8)温泉水の貯湯タンクの維持管理を適切に行う(温泉以外も同じ)。
温泉等の貯湯タンクは、湯温を60℃以上に設定し、定期的に清掃を行います。
4.浴槽の水質管理
1)水質基準・検査方法・検査頻度
(1)浴槽水の水質に関する基準
(1)水質基準
- 濁度は、5度以下であること。
- 過マンガン酸カリウム消費量は、25mg/L以下であること。
- 大腸菌群は、1個/mL以下であること。
- レジオネラ属菌は、10CFU/100mL未満であること。
「旅館業における衛生等管理要領」では、これらの項目に加え
アンモニア性窒素は、1mg/L以下であること。
(3)検査頻度
- 毎日完全換水型:1年に1回以上
- 連日使用型:1年に2回以上(消毒が塩素消毒でない場合、1年に4回以上)
検査に関する書類は、3年以上保存しなければなりません。
2)消毒方法
(1)浴槽水などの望ましい消毒方法
- 塩素系薬剤の注入口は、浴槽水が循環ろ過装置内に入る直前に設置する。
- 遊離残留塩素濃度を、1日2時間以上0.2~0.4mg/Lに保つ。
- 遊離残留塩素濃度を適宜測定し、その記録を3年以上保存すること。
(2)塩素系薬剤の種類
数種類在る塩素系薬剤の使用方法は種類によって異なりますが、どれを使用しても、水中で次亜塩素酸が生じ、その殺菌効果が得られます。
(3)塩素系薬剤の注入(投入)方法
塩素系薬剤の注入方法には、間欠的または連続的に注入する自動注入方式による方法と、投げ込みによる方法があります。いずれの方法においても、遊離残留塩素濃度を測定し、薬剤濃度が高くならないよう(1.0mg/L程度までが望ましい。)注意する必要があります。
(4)塩素系薬剤による消毒方法の注意
ろ過装置のろ材などに微生物が繁殖している場合などには、必要な塩素濃度を確保できないことがあるため、消毒の前には逆洗などの前処理が必要です。過剰な塩素を注入すると、トリハロメタンや塩素臭が発生しやすくなったり、資機材が腐食するなどのおそれがあります。温泉を使用している場合には、温泉成分と塩素系薬剤との相互作用の有無などについて、事前に調査を行う必要があります。
(5)塩素系薬剤使用の一般的な注意
塩素系薬剤は、他の薬品などとの接触や高温多湿を避け、光を遮った場所に保管します。固形の塩素系薬剤は、発火、爆発の危険があります。次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性のため、保護具などを用い直接皮膚に接触しないようにします。流水で洗い流すなどの流救急措置も心得ておきます。
(6)有効塩素と残留塩素の違い
遊離塩素である次亜塩素酸と次亜塩素酸イオン、結合塩素であるクロラミンなどが有効塩素で殺菌効力がります。殺菌作用や紫外線による分解の後に、なお残留している有効塩素を残留塩素といいます。残留塩素(mg/L)の測定は、遊離塩素のみ、または遊離塩素と結合塩素との合計(総塩素)を対象とし、浴槽水の場合は、遊離残留塩素を対象とします。
(7)塩素系薬剤合の注入(投入)量
塩素系薬剤の添加量は、算出例がありますが、遊離残留塩素の消費量は、入浴者数、循環式浴槽の形態・仕様、ろ材などの汚れの状況、水質などにより異なるため、測定しながら決める必要があります。
(8)残留塩素濃度の測定方法
残留塩素の測定方法には、比色法(DPD法)や吸光光度法、電流法などがあります。一般には、DPD法を用いた携帯型の簡易測定器が使用されています。
(9)アルカリ性温泉水での塩素系薬剤の消毒効果の低下
アルカリ性(pHが高い)の温泉水では、殺菌力の強い次亜塩素酸の割合が低下するため、塩素系薬剤の効果が低下します。
(10)塩素系薬剤の他の消毒方法
オゾン、紫外線、銀イオン、銀・銅イオン、光触媒などの消毒方法がありますが、殺藻効果や取扱い方法に注意して下さい。これらの消毒方法はいずれも消毒効果に残留性がないため、塩素系薬剤と併用する必要があります。
5.浴槽の管理方法
(1)浴槽の清掃・消毒に関する規定
毎日完全換水型:毎日清掃し、1月に1回以上消毒する。
連日使用型:1週間に1回以上完全換水を行い、消毒、清掃すること。
(2)循環式浴槽の維持管理上の注意
(1)ろ過器の維持管理
ろ材の種類を問わず、1週間に1回以上の頻度で、消毒とろ過器の逆洗を行う。
(2)循環配管の維持管理
循環配管の内壁には、ねばねばした生物膜(バイオフィルム)が生成され易く、レジオネラ属菌の温床となります。そのため、年に1回程度は、循環配管内のバイオフィルムを除去し、消毒することが必要です。塩素や過酸化水素を用いる処理には、危険が伴うことや、洗浄廃液の処理などに専門的な知識が必要な場合もあります。
米国やオーストラリアでは、浴槽水中に残留塩素を常時保つことが、レジオネラ属菌を含む微生物の繁殖を防ぐキーポイントであることが強調され、使用時に残留塩素濃度を4~5mg/Lに保つこと、営業終了時に毎日10mg/Lの塩素で1~4時間処理することが管理方法として推奨されています。
(3)消毒装置の維持管理
薬液タンクの薬剤量を確認し、送液ポンプが正常に作動ていることを毎日確認します。注入弁のノズルが詰まったり、空気をかんだりして送液が停止している例がよく見受けられます。一般に使われている有効塩素濃度が12%の次亜塩素酸ナトリウム溶液は、そのまま使うとノズルが詰まり易いので、5~10倍に薄めて使用している例が多いですが、不純物の多い工業用のものは使用を避けましょう。
(4)集毛器の維持管理
集毛器自体がレジオネラ属菌の供給源としないため、清掃洗浄は毎日行います。
(3)設備管理のその他の注意
(1)露天風呂
露天風呂は、常時溢水を図り、毎日完全に換水するか、連日使用型では1週間に1回以上定期的に完全換水し、浴槽の消毒・清掃を行います。
(2)酸性温泉と食塩泉
酸性の温泉水や食塩泉では、レジオネラ属菌は棲息しないと考えられますが、温泉の泉質は変化するため、定期的に保守・管理を行うことが重要です。
(3)家庭用循環式浴槽
特に基準はありませんが、ろ過装置の大半はいわゆる生物浄化装置で、レジオネラ属菌なども同時に繁殖します。ろ過槽の徹底的な逆洗、浴槽全体の消毒および完全換水を頻繁に行うことが推奨されます。
6.その他
(1)感染の危険因子
レジオネラ属菌は感染性は強くないですが、基礎疾患を有しない人でも、新生児や高齢者などの抵抗が弱い人は、レジオネラ属を含むエアロゾルを一定量以上吸引すれば、感染することがあります。
(2)レジオネラ症に罹らないためには
レジオネラ属菌を直接肺に吸い込まないよう、循環式浴槽、打たせ湯、バブルジェット式浴槽、シャワーの水などのほか、非加熱式加湿器、冷却塔水の飛散水などの管理に厳重な注意が必要です。その他、工事現場では砂塵を吸い込まないよう、必要ならマスクなどを着用します。
(3)患者が発生した場合の対応
各施設では、普段から対応について準備しておく必要があります。患者発生の届出の時点で、感染から相当時間が経っている場合があるため、来客者名や住所などを把握しておくとともに、問題が生じた時には設備の使用を中止し、浴槽水等の消毒を行わずそのままの状態で保存し、保健所等の指示を待ちます。
(4)レジオネラ属菌の検査依頼先
最寄りの保健所や衛生研究所などに相談して下さい。
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 保健医療介護部 中部保健所
〒904-2155 沖縄県沖縄市美原1-6-28 中部合同庁舎中部保健所棟
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