5 「平和の礎」建設の趣旨、基本理念、デザインコンセプト
「平和の礎」建設の趣旨
沖縄の歴史と風土の中で培われた「平和のこころ」を広く内外にのべ伝え、世界の恒久平和を願い、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々の氏名を刻んだ記念碑として、太平洋戦争・沖縄戦終結50周年を記念して、平成7(1995)年に建設しました。
「平和の礎」基本理念
戦没者の追悼と平和祈念
去る沖縄戦などで亡くなられた国内外の20万人余のすべての人々に追悼の意を表し、御霊を慰めるとともに、今日、平和を享受できる幸せと平和の尊さを再確認し、世界の恒久平和を祈念する。
戦争体験の教訓の継承
沖縄は第2次世界大戦において、住民を巻き込んだ地上戦の場となり、多くの貴い人命とかけがえのない文化遺産を失った。このような悲惨な戦争体験を風化させることなく、その教訓を後世に正しく継承していく。
安らぎと学びの場
戦没者の氏名を刻銘した記念碑のみの建設にとどめず、造形物を配して芸術性を付与し、訪れる者に平和の尊さを感じさせ、安らぎと憩いをもたらす場とする。また、子供たちに平和についての関心を抱かせるような平和学習の場としての形成を目指す。
「平和の礎」デザインコンセプト
平和の波永遠なれ EVERLASTING WAVES OF PEACE
鉄の暴風の波濤(はとう)が、平和の波となって、わだつみに折り返して行く
※ 波濤(はとう)とは、「大きな波」のこと。
設置場所、敷地面積
沖縄県糸満市摩文仁(平和記念公園内)
敷地面積17,900平方メートル
刻銘碑
「平和の広場」を中心にして、放射状に円弧の形で広がりをもって配置されています。斑れい岩(本磨き仕上げ)張りの刻銘碑が屏風状に並び、5つ折り(12面)タイプと3つ折り(8面)タイプ合計119基の刻銘碑に約25万名の刻銘が可能です。
「平和の広場」と「平和の火」、「さざなみの池」
刻銘碑の円弧の中心に位置する円形の広場を「平和の広場」といい、太平洋を眺望できる位置に設置されています。
「平和の広場」の中央には「平和の火」が灯されており、この「平和の火」は、沖縄線で米軍が最初に上陸した座間味村阿嘉島(あかじま)において採取した火と、被爆地広島市の「平和の灯(ともしび)」及び長崎市の「誓いの火」から分けていただいた火を合わせたものです。また、「平和の火」が設置されている噴水は、「さざなみの池」と名付けられています。
メイン園路
メイン園路の中心線は、6月23日の「慰霊の日」における日の出の方位に合わせて設定されています。
植栽
平和の礎の敷地内には、モモタマナ(クワディーサー)が植えられています。
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