役割と取り組み

ページ番号1011451  更新日 2024年1月11日

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八重山農林水産整備課の役割と取り組み

農林水産整備課は、農林水産業を営むにあたって必要となる、「農」「林」「水」産業の生産基盤整備を行うことを目的としています。
また、これに付帯して必要となる農村生活環境の整備とあわせ、地域活動の支援や土地改良区の運営支援を行っています。

さらに、18年度からは組織改編に伴い、林業普及・漁業普及にかかる業務を所管することとなりました。

農業生産基盤の整備状況と取り組み

八重山管内の平成26年3月末の農業生産基盤の整備状況は、整備率で農業用水源施設が61.5%、かんがい施設が52.8%、ほ場の区画整理が67.5%と、県内他地域に比べて進んでいます。

写真:かんがい機器の写真。(スプリンクラー、給水栓、給水所)
かんがい機器の種類 左:1型(スプリンクラー)、中:2型(給水栓)、右:3型(給水所)

特に石垣市では、総貯水量が1,300万トンの底原ダム、400万トンの名蔵ダム、120万トンの大浦ダムを有しており、4,600haの農地に対応できる農業用水が確保されている状況で、県内1位となる農業産出額(94.2億円、県計の10.5%)の確保に寄与しているところです。

また、竹富町波照間島では210haの農地に相当する290万トンの農業用水を確保する貯水池を6箇所、西表島東部で20haの農地に相当する2万5千トンの貯水池を1箇所、整備しています。

今後も引き続き農業用水の確保とかんがい施設の整備を進めるとともに、すでに整備されたダム等基幹水利施設の維持管理を行います。

森林環境の保全に係る取り組み

森林は、古くから災害の防止、水源のかん養、生活環境の保全といった公益的機能や木材生産機能を有しており、年々、森林の公益的機能に対する要請が高まってきています。
このような中、特に公益的機能の強い森林については、保安林の指定により個々の森林に伐採制限をかけ、その保全形成に努めてきたところです。また、保安林以外の森林についても大規模な開発(1haをこえる規模)から環境破壊や災害の発生等を防ぐため、一定の許可基準を設けることにより森林を管理しています。

資料:沖縄の森林・林業(平成27年度版)
市町村名 総面積
(ha)
森林面積
(ha)
森林面積の内訳(ha)
民有林
森林面積の内訳(ha)
国有林
民有保安林
面積(ha)
石垣市 22,927 8,919 8,919 - 2,894(133)
竹富町 33,439 26,705 2,231 24,474 398(13)
与那国町 2,896 1,091 1,091 - 109(26)
圏域計 59,262 36,715 12,241 24,474 3,402(172)
県計 228,100 106,633 74,655 31,978 12,916(956)

八重山における林道整備の状況を示す林道密度(林道延長/民有林面積)は2m/haで、全国平均の4割、沖縄県平均の5割しかない状況です。
八重山地域は、島の周囲の多くが珊瑚礁にかこまれ、台風の常襲地帯で冬季は季節風が強く、気象災害を受けやすい環境にあります。
そのため、台風や冬季の季節風による山地崩壊、海岸(林地)侵食、潮風害などの諸災害を防止するために、防災林・保安林の造成、維持管理、保健保安林の整備等を行っています。

水産業普及にかかる取り組み

八重山圏の漁獲は、資源減少や輸入水産物に押され、年々減少しております。 それを補う為、県では増養殖技術の普及に努めています。
漁業者が行える養殖としては、モズク・海ブドウ・ヤイトハタ・シャコガイがありますが、養殖ではウイルス等の魚病が大きな問題となるため、これらの防疫や検査・指導に気を配っています。
また、養殖技術の改良・普及に努めると共に、ヒトエグサやオゴノリ等新たな養殖種の導入を漁業者と共に試験中です。
一方、離島では輸送コストや魚価の低迷も大きな課題です。そのため、県では漁業協同組合とともに、急速冷凍処理等での流通魚価向上対策を模索中です。
また、水産業でも従事者の高齢化や後継者不足が生じ、後継者育成が課題となっています。
そのため、将来を担う若者を対象とした少年水産教室等の開催や、漁業者に対する各種講習会・講演会の開催、先進地見学等を催すことにより漁業者の意欲・資質向上に努め、地域の技術の伝承・改良を進める漁業士活動・漁協の部会活動を支援しています。
漁船漁業は、危険を伴う産業であることは否めません。装備の近代化で安全対策もかなり向上してきましたが、今後ともより一層の安全性の向上対策を進めていきます。さらに、新規漁船建造等には多額の資金を要するため、沿岸漁業改善資金の貸し付け等にかかる資金面での指導を行っています。

漁港漁場の整備にかかる取り組み

八重山圏域には、県が管理する石垣漁港と西表漁港、波照間漁港、久部良漁港の4港と市町村が管理する4漁港の8港が漁港として指定されています。
特に石垣漁港は、昭和43年に当時の琉球政府から漁港指定を受けた漁港であり、八重山圏域の拠点漁港として古くから水産業の中心を担ってきました。利用漁船隻数は332隻、一本釣り漁業や曳縄(ひきなわ)漁業、定置網(ていちあみ)漁業等が盛んで、年間漁獲量は1,400t余りと県内でも水揚げ量の多い漁港です。
近年では、モズクや魚類の養殖等の海面養殖との複合経営も進められ、さらに増加傾向にあります。
また、波照間漁港と久部良漁港は、外来漁船の避難港として位置づけられているとともに、フェリ-や貨客船が就航する生活航路の港としての機能も有しています。
西表漁港や市町村管理漁港は、それぞれの地域の漁業根拠地として整備されているほか、ハ-リ-大会主会場はもちろん、地域の憩いの場、交流の場としても活用されています。(ちなみに、トライアスロン大会の競泳会場は登野城漁港内です。)
このように、最近の漁港整備は、防波堤や物揚場・船揚場・泊地浚渫(しゅんせつ)・航路浚渫といった大規模な整備から、防風施設や防暑施設、公園整備等の環境施設整備に力点が移っています。

イラスト:八重山管内の漁港位置図


また、漁業活動の拠点となる漁港整備とともに、漁場の開発保全にも力を注いでいます。これまでに、八重山近海に魚の蝟集(いしゅう)効果が期待される「沈設魚礁」を55箇所で設置するとともに、漁獲効率の高い「浮き魚礁」を5基設置しています。
さらに、海老養殖場や魚類養殖場・ウニ等水産資源の増殖場等を8箇所で整備しています。平成6年度からはサンゴ片移植を石西礁湖内で実施し1.8ヘクタ-ルで36万本のサンゴ片を移植し、水産資源水準の向上と漁家経営の安定に寄与していています。

農林水産業の基盤整備は農林漁家の要望に基づくものであり、事業執行にあたっては相当の負担を伴っています。
また、農村地域(海域)は、適切な営農(営漁)と維持管理によって、自然環境の保全、伝統文化の継承、アメニティの提供等、地域住民にも良好な環境を提供するなど多面的機能を有する空間でもあります。
地域の皆様には、これらをご理解のうえ、引き続きご支援とご協力をお願います。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 農林水産部 八重山農林水産振興センター農林水産整備課
〒907-0002 沖縄県石垣市真栄里438-1 八重山合同庁舎4階
電話:0980-82-2342 ファクス:0980-83-3542
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