平成21年第3回議会(2月定例会)で可決された意見書・決議
意見書 4件
議決年月日 | 件名 | 議決の結果 | 備考 |
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平成21年3月25日 | 名護市辺野古沿岸域の新基地建設につながるグアム移転協定に関する意見書 | 原案可決 | 賛成多数 |
平成21年3月25日 | 沿岸域における漂流・漂着ごみ対策に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
平成21年3月25日 | 金武町伊芸区流弾事故の真相究明に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
平成21年3月25日 | 普天間飛行場燃料流出事故に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 |
決議 3件
議決年月日 | 件名 | 議決の結果 | 備考 |
---|---|---|---|
平成21年3月25日 | 県立病院のあり方に関する決議 | 原案可決 | 全会一致 |
平成21年3月25日 | 金武町伊芸区流弾事故の真相究明に関する抗議決議 | 原案可決 | 全会一致 |
平成21年3月25日 | 普天間飛行場燃料流出事故に関する抗議決議 | 原案可決 | 全会一致 |
名護市辺野古沿岸域の新基地建設につながるグアム移転協定に関する意見書
在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定については、国会に提出されているが、この協定は、2006年5月に取りまとめられた再編実施のための日米のロードマップに基づく海兵隊のグアム移転、普天間飛行場の県内移設及び嘉手納飛行場より南の基地の返還などいわゆるパッケージ論を基本とし、辺野古沿岸域への新基地建設等、米軍再編計画の実施とグアム移転費用の日本負担を明確に打ち出しており、この結果、将来にわたり県民生活に深い影響を与える懸念が生じている。
このような重大なことを地元への事前説明なしに、しかも短期間で手続を進めたことについて、本県議会を初め県民は強い不信感を抱かざるを得ない。特に、政府がこれまで「地元の声に耳を傾ける」としてきただけになおさらである。
国土面積のわずか0.6%にすぎない狭隘な本県に、全国の米軍専用施設面積の約75%が集中し、基地に隣接した生活を強いられている県民の思いは、過重な基地負担の軽減であり、昨年7月18日の県議会の議決にあるように名護市辺野古沿岸域への新基地の建設に反対することである。民意を無視して締結されたこのような協定は到底県民が納得するものではなく、県民の激しい反発を招くだけである。
よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定の批准を行わず、県民の声に耳を傾け、県民の目に見える形での基地負担の軽減を早急に実現するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
沿岸域における漂流・漂着ごみ対策に関する意見書
全国第4位の海岸線距離を有し、島嶼県である本県の沿岸域では、近年、大量の漂流・漂着ごみが相次いで発生し、景観、水産業、動植物の生態、環境負荷等さまざまな問題を惹起させている。
しかもこれらの漂流・漂着ごみは、年々その量が増加するとともに、発生源も国内外にわたり、また、その質もペットボトル等のプラスチック製品から木材まで、さらには劇薬まで雑多なものとなっている。
また、各離島にはそれぞれの処理施設がないため、処理施設のあるところまで海上運搬しなければならず、多大な労力と経費を要することや、突発的にしかも繰り返しごみが漂流・漂着するため、各地域及び自治体では対応に苦慮している。
さらに、現行法では、海岸の清潔を保持することが自治事務とされ、ごみをどの程度処理するかも含めて海岸管理者である都道府県の判断にゆだねられているが、予算、人員の制約から、市町村がやむを得ず処理する場合が多いため、財政が逼迫している自治体にとって大きな負担となっている。
よって、国におかれては、相次ぐ原因不明の漂流・漂着ごみの対策として、下記の事項について配慮されるよう強く要請する。
記
- 漂流・漂着ごみの処理は、本来沿岸域を所管する自治体の責任とすべきものではなく、国の責任と負担で実施すべきものであるとの観点に立ち、国と自治体などの責任及び役割を明確にすること。
- 近年、外国からのごみが増加している実態にかんがみ、関係国との連携を持つなどして実効性のある防止対策を講じること。
- 各地域・離島でのごみ処理に当たっては、それぞれの地域・離島の地理的特性、自然条件など地域の特性に応じた対策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
金武町伊芸区流弾事故の真相究明に関する意見書
平成20年12月13日に金武町伊芸区の民家駐車場で発見された銃弾について、県警察は、米軍が使用している銃弾と弾しんが同種のものとの鑑定結果を公表したが、米軍及び米国政府関係機関は県民が納得できる具体的な理由を示さないまま、一方的に米海兵隊による訓練との関係を否定して、実弾射撃訓練を継続している。
このように、県民が求める真相究明と訓練の即時中止に真摯に対応しないことは到底許されるものではなく、県民は怒りと不満を増大させている。
このため、金武町民は、常に流弾の脅威を感じながら恐怖と不安の中での生活を強いられていること及びこのまま見過ごすと、過去の流弾事故のように真相が明らかにされないままうやむやにされることなどの危機感から、去る3月1日に総決起大会を開催し、今回の米軍及び在沖米国総領事館の発言や行為に対し激しい怒りを示すとともに、すべての実弾射撃訓練の即時廃止、被弾事件の早期の全容解明並びにすべての実弾射撃訓練場の撤去を要求することを住民の総意として決定した。
金武町民が訴えている問題は、金武町だけの問題ではなく、狭隘な県土の中に全国の米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が集中する本県では、どこでも起こり得る問題で、また県民のだれでも被害に遭ってもおかしくない重大な問題であり、県民が一体となって早急に解決に向けて取り組むべき事案である。
よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、今回の流弾事故を徹底的に究明して、県民に真相を明らかにするとともに、その間は実弾射撃訓練を中止するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
内閣総理大臣
財務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
普天間飛行場燃料流出事故に関する意見書
去る3月3日、普天間飛行場北側の燃料タンクからジェット燃料約760リットルが流出する事故が発生した。
米軍は、約半分は回収し、残りの半分が未回収ではあるものの、基地外への燃料流出は確認されていないとしているが、宜野湾市、県、沖縄防衛局への通報が2日後の3月5日とおくれたこと、同様な燃料流出事故が多発していること、流出量と回収量を修正、報告していることから、県民は米軍の管理及び通報体制のあり方に疑問を抱いている。
また、県民の代表者である本県議会を初め県、宜野湾市が立入調査を求めたことに対し、人数を制限したり、写真撮影や土壌のサンプル採取を拒否するなど調査方法を制限しており、まことに遺憾である。
本来、このような流出事故が発生した場合は、速やかに関係機関へ通報、連絡を行うとともに、環境汚染を防止するため万全の体制をしき、直ちに回収、防止対策を実施すべきである。
よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、今回の燃料流出事故に厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現される
よう強く要請する。
記
- 燃料流出事故の原因を究明するとともに、環境への影響調査を行い、その結果を県民に公表すること。
- 事故の再発防止対策を講じるとともに、通報連絡体制の見直しと再構築を行うこと。
- 燃料保管及び給油体制の適正化を図るとともに、兵士を含む関係者への教育・訓練の徹底を図ること。
- 過去の燃料流出事故について、どのように処理、対応してきたか県民に明らかにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
県立病院のあり方に関する決議
本県の県立病院は、開設以来、県下の基幹病院、地域の中核病院、救急病院として、一般医療はもとより、高度・特殊医療、離島・僻地医療、救急救命医療など民間医療機関では対応が困難な医療、いわゆる政策医療を担ってきた。
しかしながら、平成14年に診療報酬が改定されたこともあって、県立病院の経常損失の拡大や、毎年度約100億円の運営資金の不足と借り入れなどにより、平成19年度末の累積欠損金は216億円余に達しており、厳しい経営状況となっている。
また、県立病院では、慢性的に医師と看護師が不足しており、休科・休床が相次ぎ、県民に不安と不便を与えている。
さらに、現在の看護体制は10対1となっているが、この体制では県民へ手厚い看護を提供することが難しいことや、看護師に過重な労働を強いる結果となり、民間病院への転職や休職、なり手の減少を招く事態の一因となっている。
このような中、県医療審議会県立病院のあり方検討部会が取りまとめた「県立病院のあり方に関する基本構想(案)」では、地方独立行政法人を設立して、同法人に県立病院を一体として経営させる形態に移行する案を打ち出している。
仮に、案のとおりに県立病院が地方独立行政法人化された場合には、救命救急医療など不採算部門や精神医療などの特殊部門における医療提供の形骸化、医師不足による診療体制の縮小、医師派遣制度の廃止、離島・僻地医療の見直し、都市部と離島・僻地間の医療格差の拡大などの問題が生じないか懸念されている。
よって、県におかれては、県立病院のあり方を決定するに当たっては、県民に安心・安全な医療を安定して提供することができるようにするとともに、医師・看護師が働きやすい医療現場を実現できるよう、下記事項の実現について強く要請する。
記
- 県立病院の経営・運営方法の決定に当たっては、病院現場で働く医師・看護師並びに利用者である県民の意見や要望を聴取して反映させるとともに、公営企業法全部適用移行後の成果の検証結果を踏まえるものとし、拙速な判断を行わないこと。
- 都市部と離島・僻地間に医療格差が生じないよう万全の対策を講じること。
- 県立病院の看護師体制を7対1看護配置とし、医師・看護師の確保に努め、医療サービスの向上と休科・休床の解消を図ること。
上記のとおり決議する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
沖縄県知事あて
金武町伊芸区流弾事故の真相究明に関する抗議決議
平成20年12月13日に金武町伊芸区の民家駐車場で発見された銃弾について、県警察は、米軍が使用している銃弾と弾しんが同種のものとの鑑定結果を公表したが、米軍及び米国政府関係機関は県民が納得できる具体的な理由を示さないまま、一方的に米海兵隊による訓練との関係を否定して、実弾射撃訓練を継続している。
このように、県民が求める真相究明と訓練の即時中止に真摯に対応しないことは到底許されるものではなく、県民は怒りと不満を増大させている。
このため、金武町民は、常に流弾の脅威を感じながら恐怖と不安の中での生活を強いられていること及びこのまま見過ごすと、過去の流弾事故のように真相が明らかにされないままうやむやにされることなどの危機感から、去る3月1日に総決起大会を開催し、今回の米軍及び在沖米国総領事館の発言や行為に対し激しい怒りを示すとともに、すべての実弾射撃訓練の即時廃止、被弾事件の早期の全容解明並びにすべての実弾射撃訓練場の撤去を要求することを住民の総意として決定した。
金武町民が訴えている問題は、金武町だけの問題ではなく、狭隘な県土の中に全国の米軍専用施設面積の約75%に上る広大な米軍基地が集中する本県では、どこでも起こり得る問題で、また県民のだれでも被害に遭ってもおかしくない重大な問題であり、県民が一体となって早急に解決に向けて取り組むべき事案である。
よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、今回の流弾事故を徹底的に究明して、県民に真相を明らかにするとともに、その間は実弾射撃訓練を中止するよう強く要求する。
上記のとおり決議する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
駐日米国大使
在日米軍司令官
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事
普天間飛行場燃料流出事故に関する抗議決議
去る3月3日、普天間飛行場北側の燃料タンクからジェット燃料約760リットルが流出する事故が発生した。
米軍は、約半分は回収し、残りの半分が未回収ではあるものの、基地外への燃料流出は確認されていないとしているが、宜野湾市、県、沖縄防衛局への通報が2日後の3月5日とおくれたこと、同様な燃料流出事故が多発していること、流出量と回収量を修正、報告していることから、県民は米軍の管理及び通報体制のあり方に疑問を抱いている。
また、県民の代表者である本県議会を初め県、宜野湾市が立入調査を求めたことに対し、人数を制限したり、写真撮影や土壌のサンプル採取を拒否するなど調査方法を制限しており、まことに遺憾である。
本来、このような流出事故が発生した場合は、速やかに関係機関へ通報、連絡を行うとともに、環境汚染を防止するため万全の体制をしき、直ちに回収、防止対策を実施すべきである。
よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、今回の燃料流出事故に厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要求する。
記
- 燃料流出事故の原因を究明するとともに、環境への影響調査を行い、その結果を県民に公表すること。
- 事故の再発防止対策を講じるとともに、通報連絡体制の見直しと再構築を行うこと。
- 燃料保管及び給油体制の適正化を図るとともに、兵士を含む関係者への教育・訓練の徹底を図ること。
- 過去の燃料流出事故について、どのように処理、対応してきたか県民に明らかにすること。
上記のとおり決議する。
平成21年3月25日
沖縄県議会
(あて先)
駐日米国大使
在日米軍司令官
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事
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