平成23年第2回議会(2月定例会)で可決された意見書・決議
意見書6件
議決年月日 | 件名 | 議決の結果 | 備考 | ファイル |
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平成23年2月24日 | 新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書1 |
平成23年2月24日 | 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書2 |
平成23年3月29日 | 離島の保全・支援等に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書3 |
平成23年3月29日 | 北方領土問題の早期解決を求める意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書4 |
平成23年3月29日 | 東北地方太平洋沖地震被害に対する支援体制の整備等を求める意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書5 |
平成23年3月29日 | 嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する意見書 | 原案可決 | 全会一致 | 意見書6 |
- 新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書 (PDF 112.4KB)
- 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書 (PDF 124.8KB)
- 離島の保全・支援等に関する意見書 (PDF 128.7KB)
- 北方領土問題の早期解決を求める意見書 (PDF 85.2KB)
- 東北地方太平洋沖地震被害に対する支援体制の整備等を求める意見書 (PDF 172.5KB)
- 嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する意見書 (PDF 101.3KB)
決議5件
議決年月日 | 件名 | 議決の結果 | 備考 | ファイル |
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平成23年2月24日 | 「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議 | 原案可決 | 全会一致 | 決議1 |
平成23年2月24日 | 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議 | 原案可決 | 全会一致 | 決議2 |
平成23年3月8日 | ケビン・メア米国務省日本部長の発言に対する抗議決議 | 原案可決 | 全会一致 | 決議3 |
平成23年3月29日 | 東北地方太平洋沖地震被害に対する支援決議 | 原案可決 | 全会一致 | 決議4 |
平成23年3月29日 | 嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する決議 | 原案可決 | 全会一致 | 決議5 |
- 「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議 (PDF 115.5KB)
- 嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議 (PDF 125.2KB)
- ケビン・メア米国務省日本部長の発言に対する抗議決議 (PDF 95.9KB)
- 東北地方太平洋沖地震被害に対する支援決議 (PDF 85.6KB)
- 嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する決議 (PDF 97.5KB)
新たな沖縄振興のための法制度の創設を求める意見書
沖縄県の持つ地理的、自然的及び地域特性を生かし、社会経済及び文化の発展を図るため、本県では、これまで復帰後40年間、4次にわたる沖縄振興計画等により総合的な施策が推進されてきたところであるが、依然として本土との格差が縮まらず、解決されない多くの課題を抱えている。
このため、昨年度は沖縄振興計画等の総点検を行うとともに、本県議会を初め県民全体で連携して、2030年までの20年間にわたる長期構想として、また、県民全体で描く本県の将来像となる初めての基本構想として、沖縄21世紀ビジョンを策定したところである。
今後は、総点検結果及び沖縄21世紀ビジョンで明らかにされた、沖縄振興計画の成果や県民所得の向上、雇用情勢の改善、離島の振興、基地のない平和な沖縄を目指した跡地利用の推進等の諸問題を踏まえ、「時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな「美ら島」おきなわ」をいかに創造するかが課題となる。
そのためには、沖縄21世紀ビジョン及びそれに基づく基本計画を実効性ある制度・施策とするため、法的な裏づけと財政的な支援策が必要不可欠であり、国が新たな沖縄振興のためのさまざまな支援制度を講じることが何よりも必要となっている。
よって、国においては、今後、県の策定した沖縄21世紀ビジョン及びそれに基づく基本計画への支援を行うとともに、新たな沖縄振興のための法制度として特に重要と思われる下記事項について、十分な措置を講じられるよう強く要請する。
記
1 沖縄振興特別措置法にかわる新たな沖縄振興のための法律の制定
2 現行の沖縄振興計画の一括計上措置と同等以上でかつ自由度の高い沖縄振興一括交付金(仮称)制度の創設
3 沖縄の有する地域特性を生かした特別区域制度の創設
4 駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)の制定
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年2月24日
沖縄県議会
(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する意見書
去る2月16日、米空軍は、嘉手納飛行場において、県や周辺自治体の中止要請や抗議にもかかわらず、パラシュート降下訓練を強行した。同飛行場におけるパラシュート降下訓練は、平成19年10月以来4年ぶりで、本土復帰後は5回目となるものであるが、同飛行場の周辺には住宅や学校が密集していることから、一歩間違えば周辺住民を巻き込んだ重大な事故を起こしかねない危険性が極めて高いものであり、また同飛行場では他基地所属の戦闘機の一時配備や飛来等が相次いでおり、常駐機と外来機による訓練が激化している中でのパラシュート降下訓練の実施はさらなる危険性の増加にほかならないことから、地域住民及び県民は多大な不安と恐怖を訴えている。また、今回、平成8年12月の「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」の最終報告に反し、政府が「運用上、嘉手納基地でも例外的に実施することができる」とし、さらに日米両政府が平成19年1月の日米合同委員会で「例外」を口頭で確認しておきながら、これまで県や地元自治体に説明を行っていないことが明らかになっており、伊江島の天候不良を実施の理由に挙げた米軍の一方的なやり方を容認する政府の姿勢や、県民に全く知らせないまま既成事実として認めざるを得ないような状況を積み重ねようとする日米両政府のやり方は、訓練の恒常化・固定化につながりかねないもので、県民は強い憤りを覚えている。さらに、これまで政府は同飛行場の過重な基地負担の軽減を約束しているが、一向に改善されないことや、米軍が主張している「例外」が極めてあいまいで危ういものであり、恣意的に基地を運用しているものとしか考えられないことから、県民は、歯どめのない基地の自由使用と基地機能の強化が進んでいるものとして強い危機感を抱いている。よって、本県議会は、県民の生命、安全及び生活環境を守る立場から、嘉手納飛行場の過重な基地負担の現状にかんがみ、今回のパラシュート降下訓練に対し厳重に抗議するとともに、今後、同飛行場におけるパラシュート降下訓練を実施しないことや、外来機の飛行禁止、住宅地上空での飛行訓練・演習の中止等を推進することにより同飛行場における過重な基地負担を軽減するよう強く要請する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。平成23年2月24日
沖縄県議会
(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
離島の保全・支援等に関する意見書
広大な我が国の管轄海域に点在する離島は、中国、台湾、韓国等との国境離島として、領土と領海の保全及び排他的経済水域等の権益確保の観点から極めて重要な役割を担っている。
その一方で、離島における生活、社会、自然条件等は都市部等に比べ厳しく、行政コストがかさむなどさまざまな面で制約や不利益をこうむることが多いため、近年はほとんどの離島で人口の減少、高齢化の進展、産業の衰退等が相次いでおり、このままでは有人の離島が大幅に減少することが懸念され、国境の保持や離島の保全などに関し国益を損ないかねない状況である。
また、政府は領海及び排他的経済水域に係る事務が地方公共団体の行う標準的な行政サービスとして基本的に想定されていないとの理由から、領海及び排他的経済水域を河川・湖沼と同様に基準財政需要額の算定の対象とすることは考えていないとしているが、これら領海等を管轄している地方公共団体が漁業取り締まりや漂流漂着ごみの処理などに多大な経費と労力を要していることなどが全く顧みられていない状況である。
さらに、海洋基本法及びこれに基づく海洋基本計画では、広大な我が国の管轄水域に点在する離島について、その海洋政策推進上の位置づけを明確化し適切に管理するとともに、地域における創意工夫を生かした定住・雇用促進策等の振興等自主性を重んじた離島地域の発展を促進する必要があるものとされているが、それにもかかわらず、企業誘致、情報通信、文化、教育、福祉、医療等の整備・充実が遅々として進んでいないため、離島住民は強い不満を抱いている。
よって、国におかれては、離島の保全及び支援に関し、下記の事項について配慮されるよう強く要請する。
記
1 海洋基本法を初めとする現行法令・制度・政策において離島の役割及び重要性を明確にするとともに、離島の振興を図るための新たな交付金を創設する等支援制度を確立すること。
2 現在、地方が国に求めている「国と地方の税源配分」や「地方交付税の復元・増額」などを検討する際に、新たな基準財政需要額の算定の対象として領海及び排他的経済水域を加えることもあわせて検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年3月29日
沖縄県議会
(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
地域主権推進担当大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
北方領土問題の早期解決を求める意見書
我が国固有の領土である歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島の北方領土の返還の実現は、我々に課された国民的課題であり、全国民の長年の悲願である。ところが、戦後65年を経た今日もなお、北方領土は返還されず、日ロ両国間には平和条約も締結されていない。さらに、昨年11月にはメドベージェフ・ロシア大統領が国後島を訪問し、それ以降も第一副首相や国防相などロシアの政府高官が相次いで北方領土を訪問するなど、ロシアによる不法占拠を既成事実化しようとする強硬姿勢が見られ、このような中、先般の日ロ外相会談では、今後の交渉継続は確認されたものの、北方領土問題は平行線のまま終わり、問題解決の道筋すら立っていないことは、まことに遺憾なことである。また、ロシアは北方領土の開発に第三国の企業の投資を呼び込む方針を打ち出し、中国や韓国の企業の進出計画が次々と明らかになっているが、北方領土に対する我が国の立場からは、全く受け入れられないものである。よって、政府におかれては、このような北方領土への第三国の企業進出を食いとめるため、関係国へ働きかけるなどの対応に努めるとともに、北方領土の一日も早い解決に向けて、これまでの日ロ両国間の諸合意、諸文書をもとに毅然とした姿勢を示しつつ、粘り強く領土交渉を推し進めるよう強く要請する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。平成23年3月29日
沖縄県議会
(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
東北地方太平洋沖地震被害に対する支援体制の整備等を求める意見書
去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、国内において観測史上最大のマグニチュード9.0、宮城県北部で震度7を記録し、また、非常に大きな津波を伴って、宮城県を初めとした東北地方が壊滅的な被害をこうむった。福島県内の原子力発電所では炉心溶融と見られる重大な事故が発生し、周辺住民に避難指示が出される事態も起こるなど、被災地及び原子力発電所立地地域の住民を初め、国民に大きな不安を与えている。
今回の巨大地震災害は、原子力発電所の深刻な事故も加わり、被災地各県で対応できる災害対策レベルをはるかに超えるものとなっており、我が国がいまだかつて経験したことのない危機的状況にあると言える。
よって、東北地方太平洋沖地震については、国が前面に立って早期の被災者支援及び復興対策を進めるとともに、原子力発電所立地地域の住民の安全確保を図るため、下記の措置を構じられるよう強く要望する。
記
1 被災者の救援に際しては、高齢者、人工透析患者等の傷病者、障害者、子供、妊産婦など災害時要援護者支援に万全を期し、また、被災者に対しては、住宅の確保や生活資金の手当て等、経済的支援を強化すること。
2 食料、飲料等の生活必需物資を一刻も早く避難所等へ届けるとともに、被災者救援のため、医師、看護師の確保や医薬品の確保など、医療体制を早期に整えること。
3 避難手段としての自動車の運行、被災者の避難生活に非常に支障を来しているガソリン、重油、灯油等についても、直ちに必要量を確保し、被災地に届けること。
4 被災者の避難生活や今後の生活復旧に当たっては、電気、ガス、水道や通信手段としての電話、鉄道やバス等の公共交通機関は必要不可欠であることから、一刻も早い復旧に向けた最大限の支援を行うこと。
5 今回の巨大地震により被害を受けた道路・橋梁・港湾・空港等公共土木施設、農林水産業施設、文教施設等の早期復旧と財政措置を含めた支援措置を講じること。
6 原子力災害への対応にすべての責任を有する国と電力会社は、責任を持って事態の早期収拾に全力で取り組み、また、事故を起こした原子力発電所立地地域の住民の健康管理対策に取り組むとともに、国民の不安を払拭するため、事故の概要や原因、近隣住民に与える影響等、積極的に情報の開示を行い、国民の不安解消に最善を尽くすとともに、被災者補償を行うこと。
7 今回の原子力災害による避難者への除染等の実施、福島県外への避難先の確保や県外避難のための移送手段の確保、避難先における生活に必要な物資の確保及び原子力の専門家を派遣するなど、国における総合的な現地支援体制の強化について、国が全面的な支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年3月29日
沖縄県議会
(あて先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
防衛大臣
内閣官房長官
原子力安全・保安院長
沖縄及び北方対策担当大臣
嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する意見書
本県における米軍基地の過度の集中は、日常的な航空機爆音を初め、実弾射撃演習による原野火災や自然環境の破壊、油類による河川・海域の汚染及び土壌の汚染、大惨事を招きかねない航空機事故のほか、米軍人・軍属等による刑法犯罪等の発生など、県民生活にさまざまな被害を及ぼしている。このような状況から、本県議会では、これまで日米両政府に対し米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等を求めてきたところであるが、依然として米軍による事件・事故は後を絶たず、普天間飛行場や嘉手納飛行場では、常駐機に加え外来機の飛来による爆音被害は増幅しているのが現状である。また、平成18年5月の再編実施のための日米のロードマップのとりまとめから5年近くが経過しているにもかかわらず、いわゆるパッケージ論が障壁ともなって、県民の目に見える形での基地負担の軽減は図られていない。一方、嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還は、沖縄の振興発展を大きく左右するものであり、普天間飛行場の移設については、平成21年9月以降の県内の諸政治状況等を踏まえると、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難な状況にあるものと言わざるを得ない。このようなことから、パッケージ論にとらわれることなく、普天間飛行場の国外・県外移設に取り組むとともに、在沖米海兵隊の撤去と嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還については、実現可能なものから一つ一つ確実に実施していくことが必要である。よって、本県議会は、基地のない平和な沖縄県づくりを図るため、嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還が速やかに実現されるよう強く要請する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。平成23年3月29日
沖縄県議会
(あて先)
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
沖縄及び北方対策担当大臣
「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に法制度を盛り込むことを求める決議
沖縄県の持つ地理的、自然的及び地域特性を生かし、社会経済及び文化の発展を図るため、本県では、これまで復帰後40年間、4次にわたる沖縄振興計画等により総合的な施策が推進されてきたところであるが、依然として本土との格差が縮まらず、解決されない多くの課題を抱えている。
このため、昨年度は沖縄振興計画等の総点検を行うとともに、本県議会を初め県民全体で連携して、2030年までの20年間にわたる長期構想として、また、県民全体で描く本県の将来像となる初めての基本構想として、沖縄21世紀ビジョンを策定したところである。
今後は、総点検結果及び沖縄21世紀ビジョンで明らかにされた、沖縄振興計画の成果や県民所得の向上、雇用情勢の改善、離島の振興、基地のない平和な沖縄を目指した跡地利用の推進等の諸問題を踏まえ、「時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな「美ら島」おきなわ」をいかに創造するかが課題となる。
そのためには、これまでの沖縄振興計画のように国任せとするのではなく、沖縄21世紀ビジョンと同様に県民がみずからの努力、工夫、熱意及び責任でもって取り組むべきであることは言うまでもないが、実効性ある制度・施策とするためには、法的な裏づけと財政的な支援策が必要不可欠であり、国が新たな沖縄振興のための法律を制定し、さまざまな支援制度を講じることが何よりも必要となっている。
よって、本県議会は、県民の負託を受けた立場から、今後、県民全体が参画し推進していく沖縄21世紀ビジョン及び同基本計画を着実に実現するため、下記の事項が特に重要であると認識し、県が国に求めていく「新たな沖縄振興のための制度提言」の中に盛り込むことを強く要請する。
記
1 沖縄振興特別措置法にかわる新たな沖縄振興のための法律の制定
2 現行の沖縄振興計画の一括計上措置と同等以上でかつ自由度の高い沖縄振興一括交付金(仮称)制度の創設
3 沖縄の有する地域特性を生かした特別区域制度の創設
4 駐留軍用地跡地利用推進法(仮称)の制定
上記のとおり決議する。
平成23年2月24日
沖縄県議会
沖縄県知事あて
嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練に関する抗議決議
去る2月16日、米空軍は、嘉手納飛行場において、県や周辺自治体の中止要請や抗議にもかかわらず、パラシュート降下訓練を強行した。同飛行場内おけるパラシュート降下訓練は、平成19年10月以来4年ぶりで、本土復帰後は5回目となるものであるが、同飛行場の周辺には住宅や学校が密集していることから、一歩間違えば周辺住民を巻き込んだ重大な事故を起こしかねない危険性が極めて高いものであり、また同飛行場では他基地所属の戦闘機の一時配備や飛来等が相次いでおり、常駐機と外来機による訓練が激化している中でのパラシュート降下訓練の実施はさらなる危険性の増加にほかならないことから、地域住民及び県民は多大な不安と恐怖を訴えている。また、今回、平成8年12月の「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」の最終報告に反し、政府が「運用上、嘉手納基地でも例外的に実施することができる」とし、さらに日米両政府が平成19年1月の日米合同委員会で「例外」を口頭で確認しておきながら、これまで県や地元自治体に説明を行っていないことが明らかになっており、伊江島の天候不良を実施の理由に挙げた米軍の一方的なやり方を容認する政府の姿勢や、県民に全く知らせないまま既成事実として認めざるを得ないような状況を積み重ねようとする日米両政府のやり方は、訓練の恒常化・固定化につながりかねないもので、県民は強い憤りを覚えている。さらに、これまで政府は同飛行場の過重な基地負担の軽減を約束しているが、一向に改善されないことや、米軍が主張している「例外」が極めてあいまいで危ういものであり、恣意的に基地を運用しているものとしか考えられないことから、県民は、歯どめのない基地の自由使用と基地機能の強化が進んでいるものとして強い危機感を抱いている。よって、本県議会は、県民の生命、安全及び生活環境を守る立場から、嘉手納飛行場の過重な基地負担の現状にかんがみ、今回のパラシュート降下訓練に対し厳重に抗議するとともに、今後、同飛行場におけるパラシュート降下訓練を実施しないことや、外来機の飛行禁止、住宅地上空での飛行訓練・演習の中止等を推進することにより同飛行場における過重な基地負担を軽減するよう強く要求する。上記のとおり決議する。平成23年2月24日
沖縄県議会
(あて先)
駐日米国大使
在日米軍司令官
在日米軍沖縄地域調整官
在沖米国総領事
第18航空団司令官
ケビン・メア米国務省日本部長の発言に対する抗議決議
去る3月7日の新聞報道によると、昨年12月、ケビン・メア米国務省日本部長(前在沖米国総領事)は、首都ワシントンで行った米大学生らに対する講義の際、「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ」、「沖縄の人は怠惰でゴーヤーも栽培できない」と発言するとともに、日本政府に対しても「沖縄県知事に対し、もしお金がほしいならサインしろと言う必要がある」と述べたとのことである。また、普天間飛行場についても、「沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らはそれが本当でないと知っている」「福岡空港や伊丹空港も同じように危険だ」などと述べたとも報じられている。この発言は、基地のない平和で安心・安全な沖縄県をつくることを切に願ってきた沖縄県民の心をまさに踏みにじるものであり、県民を愚弄し、侮辱した発言にほかならず、断じて許せるものではない。ケビン・メア米国務省日本部長は、在沖米国総領事を務めてきた平成18年から平成21年の間にも、沖縄への差別的言動を繰り返してきた経緯がある。その後は、米国務省においても、米軍普天間飛行場の移設問題など日米交渉に実務者として深く関与してきた人物であり、今なおこのような認識を持っていることは、極めて遺憾であり、決して看過できるものではない。よって、本県議会は、今回のケビン・メア米国務省日本部長の発言が沖縄県民の願いと民意を全く無視し愚弄するものにほかならず、到底許しがたいものであることから、ケビン・メア米国務省日本部長本人、米国務長官及び駐日米国大使に対し強く抗議するとともに、ケビン・メア米国務省日本部長に対し発言の撤回と沖縄県民への謝罪を強く要求する。上記のとおり決議する。平成23年3月8日
沖縄県議会
(あて先)
米国務長官
米国務省日本部長
駐日米国大使
東北地方太平洋沖地震被害に対する支援決議
去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、国内において観測史上最大のマグニチュード9.0、宮城県北部で震度7を記録し、また、想像をはるかに超える大きな津波を伴って、宮城県を初めとした東北地方が壊滅的な被害をこうむった。福島県内の原子力発電所では炉心溶融と見られる重大な事故が発生し、周辺住民に避難指示が出される事態も起こるなど、我が国がいまだかつて経験したことのない危機的状況にあると言える。今回の未曾有の大災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表し、負傷された方々や避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げる次第である。既に、本県においては、東北地方太平洋沖地震沖縄県支援対策本部を設置し、被災地へのボランティアの派遣を含む人的支援及び物的支援を行うとともに、着の身着のままで本県へ避難される被災者への対応として、宿泊施設の確保、旅費・宿泊費の負担、医療・福祉・教育サービスの提供を行い、また、想定される災害復旧の長期化にも対応し、県営住宅を初めとする公的住宅の提供、仮設住宅の供給、県民と同等の医療・福祉・教育などの行政サービスの確保を行うことなど、被災者受け入れ方針を決定したところである。本県議会においても、沖縄県民を代表して、一日も早い被災者の生活再建と被災地の復興を願い、それに対して、ユイマールの精神、チムググルを発揮し、できる限りの支援を行うことに全力を尽くす所存である。上記のとおり決議する。平成23年3月29日
沖縄県議会
嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還に関する決議
本県における米軍基地の過度の集中は、日常的な航空機爆音を初め、実弾射撃演習による原野火災や自然環境の破壊、油類による河川・海域の汚染及び土壌の汚染、大惨事を招きかねない航空機事故のほか、米軍人・軍属等による刑法犯罪等の発生など、県民生活にさまざまな被害を及ぼしている。このような状況から、本県議会では、これまで日米両政府に対し米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む在沖米軍兵力の削減等を求めてきたところであるが、依然として米軍による事件・事故は後を絶たず、普天間飛行場や嘉手納飛行場では、常駐機に加え外来機の飛来による爆音被害は増幅しているのが現状である。また、平成18年5月の再編実施のための日米のロードマップのとりまとめから5年近くが経過しているにもかかわらず、いわゆるパッケージ論が障壁ともなって、県民の目に見える形での基地負担の軽減は図られていない。一方、嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還は、沖縄の振興発展を大きく左右するものであり、普天間飛行場の移設については、平成21年9月以降の県内の諸政治状況等を踏まえると、地元の理解が得られない移設案を実現することは極めて困難な状況にあるものと言わざるを得ない。このようなことから、パッケージ論にとらわれることなく、普天間飛行場の国外・県外移設に取り組むとともに、在沖米海兵隊の撤去と嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還については、実現可能なものから一つ一つ確実に実施していくことが必要である。よって、本県議会は、基地のない平和な沖縄県づくりを図るため、嘉手納飛行場より南の米軍基地の返還が速やかに実現されるよう強く要求する。上記のとおり決議する。平成23年3月29日
沖縄県議会
(あて先)
駐日米国大使
在日米軍司令官
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