病害虫防除技術センター業務内容

ページ番号1010701  更新日 2024年7月4日

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特殊病害虫防除事業

ウリミバエ及びミカンコミバエ種群の再侵入防止対策、イモゾウムシ等の根絶対策を実施しています。

1.ウリミバエ侵入防止対策

国外からのウリミバエの侵入を未然に防ぐため、うるま市以南の沖縄本島中南部地域、宮古、八重山群島を対象にウリミバエ不妊虫を放飼しています(4月及び10~3月は4600万頭/週、5月~9月は6400万頭/週)。

侵入警戒調査として、県全域に526個のトラップを設置するとともに寄主となる果実を採取し、寄生を確認する果実調査を関係機関連携して実施しています。

写真:ウリミバエ雌雄成虫
ウリミバエ成虫
写真:ウリミバエのトラップ
県全域に設置されているトラップ

2.ミカンコミバエ侵入防止対策

ミカンコミバエの再発生を未然に防ぐため、関係機関と連携して、誘殺板(テックス板)による予防防除を行っています。
沖縄群島、宮古群島及び八重山群島では手作業による設置防除を4月から12月の間に年4回実施しています。石垣港においては年明けに2回追加で防除を実施しています。また再侵入の危険性の高い石垣島、西表島の外周地域、与那国島、波照間島においては年5回のヘリからの散布防除を行っています。

誘殺板による防除対策へのご理解・ご協力をお願いします。誘殺板には「危」険の文字が書かれており、ミカンコミバエのオス成虫を引き寄せる物質と少量の殺虫剤がしみこませてあります。誘殺板には触らないようお願いします。

侵入警戒調査として、県全域に526個のトラップを設置するとともに寄主となる果実を採取し、寄生を確認する果実調査を関係機関と連携して実施しています。

写真:ミカンコミバエの誘導板をさげた木
木にぶら下げられた誘殺板
写真:成虫
ミカンコミバエ成虫

※ウリミバエ不妊虫及びミカンコミバエの航空放飼と地上放飼のスケジュールは天候その他の理由により変更する場合があります。

3.イモゾウムシ等根絶対策(久米島町、うるま市津堅島で実施)

(1)イモゾウムシ

久米島では、イモゾウムシの根絶のため生息密度の低減をめざし、寄主植物の最適な除去方法等、密度抑圧法の開発に取り組んでいます。

津堅島までは、寄主植物の除去のほか、不妊虫を放飼し、根絶防除対策に取り組んでいます。

(2)アリモドキゾウムシ

2001年から久米島で実施してきました根絶防除対策の結果、2013年4月22日に根絶がしました。同様に、2007年から根絶防除対策を実施してきました津堅島においても2021年4月28日に本種の根絶が確認されました。不妊虫放飼法による甲虫類の広域的な根絶は、久米島、津堅島両島が世界で唯一の成功事例となります。

現在、持ち込みなどによる再侵入を防止するため、広報活動による啓発や津堅島等へ直接向かう空港・港での検疫を実施しております。併せて、侵入警戒調査として両島でフェロモントラップ調査及び寄主植物調査など継続して取り組んでいます。

写真:イモゾウムシ
イモゾウムシ
写真:アリモドキゾウムシ
アリモドキゾウムシ

病害虫の発生予察

さとうきび、野菜類、果樹、水稲などを加害する主要病害虫の「発生時期と量」を予測し、防除の適期や要否の予察情報を提供します。

予察灯調査

病害虫発生予察調査

病害虫の発生動向を的確に把握するため、県内各地域のほ場における病害虫の発生時期、発生量の調査及び予察、性フェロモントラップなどを利用した調査を実施しています。

写真:予察灯調査


粘着板トラップ<重要病害虫の侵入警戒調査>

輸入農産物の増加、多様化と輸送方法の高度化に伴って、重要病害虫が県内へ侵入する危険性が高くなっています。このため、性フェロモントラップなどを利用して早期発見に努めています。

写真:予察灯調査の様子

発生予察情報の作成と提供

定期の調査データに加えて気象予報や蓄積されたデータを検討する専門家による発生予察会議を経て、次のような病害虫発生予察情報を提供します。

  1. 予報:有害動植物の発生予報を定期的に発表する。
  2. 警報:重要な有害動植物が大発生することが予想されかつ早急に防除措置を講ずる必要が認められる場合に発表。
  3. 注意報:重要な有害動植物が多発生することが予想され、かつ早めの防除措置を講ずる必要がある場合に発表。
  4. 特殊報:新奇な有害動植物を発見した場合及び発生消長に特異的な現象が認められた場合に発表。
  5. 技術情報:一部地域で発生が懸念される場合の防除技術情報
写真:予察会議の様子
予察会議写真

防除指導/病害虫診断・検査

農業改良普及センターや農協などから持ち込まれた農作物の病害虫や被害について診断し、防除方法を指導しています。また、病害虫の減農薬防除や総合防除など現地適応試験を実施しています。

写真:病害虫診断の様子と防除指導の様子

農薬の安全使用指導

農薬の危害防止と残留農薬のない安全な農産物を生産するため、危害防止の推進、農薬安全使用基準の徹底など農薬の安全かつ適正な使用について指導しています。

また、農薬取り締法に基づく農薬販売業者及び病害虫防除業者の指導取り締りや、農薬の適正な保管と流通について立ち入り検査による指導をしています。

写真:農薬取り締まり立ち入り検査と農薬残留分析の様子

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 農林水産部 病害虫防除技術センター
〒902-0072 沖縄県那覇市真地123
電話:098-886-3880 ファクス:098-884-9119
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