ハンセン病
質問:ハンセン病とはどんな病気ですか?
回答:「らい菌」によって起こる「感染症」です。
ハンセン病は、明治6年(1873年)、ノルウェーの医師ハンセンが発見した「らい菌」の感染によって、皮膚と主に皮膚や筋肉に張り巡らされた神経(末梢神経)などが冒される病気です。昔は「らい」や「らい病」などと言われ、効く薬もなく病気が進むと顔や手足などに跡を残すことから、患者は差別の対象になりやすかったのです。
質問:ハンセン病はうつるのですか?
回答:「らい菌」の感染力は非常に弱く、日常生活で感染することはありません。
うつっても、発病する人はほとんどいません。現在の日本で、ハンセン病を発病する人は年間5人以下です。これまでにハンセン病の療養所の医師や看護師などの職員にハンセン病になった人はいません。そのことが、いかにうつりにくいかを証明しています。
質問:ハンセン病は治るのですか?
回答:効く薬があって完全に治ります。
薬を飲むと数日で感染力を失い、早期に治療を行えば後遺症も残りません。現在、療養所で生活している人のほとんどはもう治っています。
人権の視点からハンセン病を考える
質問:ハンセン病患者はどうして差別されたのですか?
回答:ハンセン病が恐れられ、その患者が差別されたのは、次のような理由がありました。
「らい予防法」という法律で、強制的に療養所の中に一生閉じ込められたり、家が消毒されたりして感染力が強い病気、恐い病気という誤った考えが広がった。
- 有効な治療薬「プロミン」ができるまでは、治らない病気と思われていた。
- 病気が進むと、顔や手足などに一目でハンセン病とわかる跡が残った。
- 以前は同じ家族内で発病することが多かったので、遺伝病と考えられていた。
どうしてもっと優しくできなかったんだろう?強制的に患者を隔離してしまうなんて・・・
19世紀後半、ハンセン病は恐ろしい伝染病であると考えられていました。当初は、家を出て各地を放浪する患者が施設に収容されましたが、やがて自宅で療養する患者も収容されるようになりました。ハンセン病と診断されると、市町村や療養所の職員、医師らが警察官を伴ってたびたび患者のもとを訪れました。そのうち、近所に知られるようになり、家族も偏見や差別の対象にされることがあったため、患者は自ら療養所に行くより仕方ない状況に追い込まれていったのです。このような状況のもとで、昭和6年(1931年)に全ての患者の隔離を目指した「らい予防法」が成立し、各地に療養所が建設されました。また、各県では、無らい県運動という名の下に、患者を見つけ出し療養所に送り込む施策が行われました。保健所の職員が患者の自宅を徹底的に消毒し、人里離れた場所に作られた療養所に送られていく光景が、人々の心の中にハンセン病は恐ろしいというイメージを植え付け、それが偏見や差別を助長していったのです。
ハンセン病患者・元患者が受けた苦しみ
ハンセン病の患者には、平成8年に「らい予防法」が廃止されるまで、社会から隔離される政策がとられてきました。発病すれば、ハンセン病の療養所に入所させられ、社会の偏見の中で、肉親が亡くなっても帰ることができず、死亡後自分の骨も帰ることができませんでした。また、結婚の条件として断種(子どもが生まれないようにする手術)や人工妊娠中絶が行われたこともありました。
- 親や兄弟姉妹と一緒に暮らすことができない。
- 実名を名乗ることができない。
- 結婚しても子どもを生むことが許されない。
- 一生療養所から出て暮らすことができない。
- 死んでもふるさとの墓に埋葬してもらえない。
こうした生活をハンセン病の患者さんたちは長い間強いられてきました。あなたは想像できますか?皆さんと同じ人間なのに、こんな当たり前のことができなかった人達がいました。あやまった国の政策などによって、長い間多くの偏見と差別に苦しんできました。今まで間違えて伝えられてきた病気、そしてその実態が、ようやく正しく伝えられるようになりました。
わたしたちにできること
わたしたち一人一人が、ハンセン病について正しい知識と理解を持つこと。
これが差別や偏見をなくす第一歩なのです。
普及啓発内容 | 実施主体 | 実施日 | 備考 |
---|---|---|---|
らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日 | 国 | 毎年6月22日 | |
ハンセン病を正しく理解する月間 | 沖縄県・財団法人沖縄県ゆうな協会 | 毎年6月 | |
南静園納涼祭り | 国立療養所宮古南静園 | 毎年7月頃 | 島内から多数の参加があります。ファイナルの大花火が見応えあります。 |
ふれ愛・交流グランドゴルフ大会 | 宮古島市 | 毎年8月頃 | 小中学生も参加しています。 |
機関名称 | 電話番号 | ファクス番号 |
---|---|---|
財団法人沖縄県ゆうな協会 | 098-832-9528 | |
国立療養所沖縄愛楽園 | 0980-52-8331 | 0980-52-8967 |
国立療養所宮古南静園 | 0980-72-5321 | 0980-72-5859 |
沖縄県保健医療部地域保健課 | 098-866-2215 | 098-866-2241 |
疾病対策班 | 098-866-2215 | 098-866-2241 |
北部福祉事務所生活保護班 | 0980-52-2549 | 0980-52-7544 |
中部福祉事務所生活保護班 | 098-938-9709 | 098-938-9789 |
南部福祉事務所生活保護班 | 098-889-7150 | 098-889-6366 |
宮古福祉事務所福祉班※ | 0980-72-3771 | 0980-73-2131 |
八重山福祉事務所福祉班地域福祉チーム | 0980-82-2330 | 0980-82-5949 |
社会福祉法人ふれあい福祉協会 (東京都渋谷区笹塚3-43-1) |
03-5302-8480 | 03-5302-8481 |
社会福祉法人大阪府総合福祉協会 (大阪市港区波除く4-1-37HRCビル8F) |
06-6581-8673 | 06-6581-8675 |
厚生労働省健康局疾病対策課 | 03-5253-1111(内2369) |
(注意)宮古福祉事務所の相談窓口が、退所者の皆様にとって利用しやすい相談窓口となるよう連絡会議を平成22年6月1日に設置し意見交換を行っています。
- 財団法人沖縄県ゆうな協会(外部リンク)
- 国立療養所沖縄愛楽園(外部リンク)
- 国立療養所宮古南静園(外部リンク)
- 北部福祉事務所
- 南部福祉事務所
- 宮古福祉事務所
- 八重山福祉事務所
- 社会福祉法人ふれあい福祉協会(外部リンク)
- 社会福祉法人大阪府総合福祉協会(外部リンク)
- 厚生労働省健康局疾病対策課(外部リンク)
連絡会議の構成
- 宮古南静園:自治会、退所者の会、福祉室
- ハンセン病と人権市民とネットワーク宮古
- みやこ・あんなの会
- 宮古島市健康増進課
- 沖縄県宮古福祉事務所
- その他(連絡会議が必要と認める者)
(注意)本HPのQ&Aは「ハンセン病に対する偏見や差別をなくしましょう 人権の視点からハンセン病を考える」(発行:沖縄県人権啓発活動ネットワーク協議会)から引用しました。
ハンセン病のことについて、もっと詳しく知りたい場合は・・・
- 知っていますか?ハンセン病のこと療養所のこと (PDF 2.7MB)
-
ハンセン病の向こう側(外部リンク)
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 生活福祉部 宮古福祉事務所
〒906-0012 沖縄県宮古島市平良字西里1125 宮古合同庁舎2階
電話:0980-72-3771 ファクス:0980-73-2131
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。