平成18年 第2回(定)知事提出議案説明要旨

ページ番号1021013  更新日 2024年1月11日

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平成18年第2回沖縄県議会の開会に当たり、県政運営に当たっての私め所信を述べ、県議会並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
私は、知事就任以来、基地問題の解決促進を図るとともに、経済の振興や県民生活の向上など、県勢発展のため全力で取り組んでまいりました。
特に、沖縄振興計画の策定、及びそれに基づく多くの施策・事業の展開を通じて、21世紀沖縄の進むべき方向性を明らかにしてきました。
沖縄振興計画の折り返し点となる平成18年度は、これらの成果を踏まえ、新たな可能性の追求と様々な課題に対応しつつ、平和で安らぎと活力のある沖縄県の実現に向けて、引き続き全力を傾注してまいります。

世界、我が国及び本県についての現状認識

さて、国際社会は、平和と安定を求め、新たな秩序の構築を模索しておりますが、テロと大量破壊兵器拡散の脅威にどう対処するかが、大きな課題となっております。
我が国と近隣諸国との関係をみても、北朝鮮問題の先行きの不透明感に加え、中国による東シナ海でのガス田開発問題など、新たな懸念が生じております。
また、イラクの復興に向けて各国の支援が行われておりますが、治安情勢は依然として厳しく、民主国家建設へ向けた今後の動向が注目されるところであります。
この様な中、米国は、国際的な安全保障環境の変化に対応するため、世界的規模で米軍再編を進めており、沖縄を含む在日米軍基地の再編についても、日米両政府の協議の下、中間報告がなされたところであります。
経済面では、企業部門の好調さが家計部門へ広がりつつあるなど、国内の景気は緩やかに回復しておりますが、世界的な原油価格の動向が国内経済に与える影響について懸念されております。
本県経済については、観光が引き続き好調を維持し、景気回復をリードしていることや、個人消費の底堅さもあって、全体としては堅調に回復しつつありますが、若年者の雇用情勢は依然として厳しい状況にあることから、引き続き、産業振興は大きな課題となっております。
ところで、国においては、2010年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指し、財政の健全化や、郵政民営化、政府系金融機関の見直しなどの構造改革が進められております。
国と地方との関係においても、三位一体の改革など地方分権改革が進められており、地方自治体においては市町村合併の推進や行財政改革などに積極的に取り組むことが求められております。
また、我が国は、人口が戦後初めて減少に転じるなど、本格的な少子高齢化社会を迎え、その対策が喫緊の課題となっております。本県においても、合計特殊出生率は全国一であるものの、低下傾向が続いており、その影響を懸念しているところであります。
一方、本県は、東京都、神奈川県に次ぐ高い人口増加率となっているほか、住んでみたい都道府県に関する世論調査でもトップになるなど、活力ある地域として全国的に注目を浴びております。
さらに、スポーツや芸能の分野等でも沖縄の将来を担う若者の活躍は目覚ましいものがあり、県民に大きな夢と希望を与えております。
ところで、昨年は、観光客数が550万人に達したのをはじめ、世界有数の国際会議であるIDB年次総会の成功や、古宇利大橋の開通・新石垣空港の飛行場設置許可、また、沖縄科学技術大学院大学の設立母体となる沖縄科学技術研究基盤整備機構が発足するなど、振興施策は着実に進展しております。

平成18年度政府予算案について

さて、平成18年度の政府予算案においては、内閣府沖縄関係予算が、対前年度比96%の2,720億円と決定されました。
産業や科学技術の振興、地域資源を活用した特産品や観光のブランド化の推進など、自立型経済の構築や離島の活性化等に向け、本県の魅力が最大限発揮できるような施策と事業が多く盛り込まれた内容となっております。具体的には、離島活性化については環境に配慮した観光利便施設の整備や医師の確保に向けた新たな取り組みが認められたほか、沖縄科学技術大学院大学についても研究事業費や施設整備費の大幅な増額が認められ、新石垣空港建設についても事業の本格化に向けた措置がなされるなど、本県の振興に配慮されたものとなっております。

平成18年度の取り組みの姿勢

平成18年度は、沖縄振興計画が折り返し点となる5年目を迎え、これまでの成果を踏まえ、経済自立の芽をさらに大きく成長させる年であります。
私は、産業の振興と雇用の確保や、米軍基地から派生する問題をはじめとする諸課題の解決のため、県民の先頭に立って全力で取り組んでまいります。
まず、米軍基地問題について、私は、日米安全保障体制を含む日米同盟関係は、我が国及び東アジアの平和と安定に寄与していると理解しており、我が国に所在する米軍基地が重要な役割を果たし、沖縄がその根幹を担ってきたと認識しております。
したがって、日米安全保障体制が安定的に維持されるためには、沖縄の社会的、政治的、経済的安定が必要であり、そのためには、県民の目に見える形で米軍基地の負担の軽減が図られなければならないと考えております。
日米地位協定の見直しについても、日米両政府間の協議を早期に進める必要があると考えており、その実現について、積極的に取り組んでまいります。
また、米軍基地から派生する事件・事故については、本年1月17日に嘉手納基地所属のF-15戦闘機が墜落するなど、事件・事故が後を絶たず、引き続きその防止を強く求めてまいります。
次に、民間主導の自立型経済の構築に向けて、産業界の主体的な取り組みを後押しし、これまで以上に観光・リゾート産業や、情報通信関連産業、農林水産業、商工業等の振興と雇用の創出・確保に取り組みます。
さらに、世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学の設置に向けた環境を整備するとともに、科学技術の振興に取り組みます。
また、自然環境と社会経済活動が調和した環境共生型社会の形成と、県民誰もがいきいきと暮らせる健康福祉社会の実現に引き続き取り組みます。
併せて、環境対策や福祉医療の充実、安全・安心な生活の確保、教育と文化の振興に取り組むとともに、交通基盤や情報通信基盤等を整備し、離島過疎地域の活性化と暮らしやすい沖縄の実現を図ります。
また、第4回太平洋・島サミットの開催支援や、第4回世界のウチナーンチュ大会の開催、及び第3回沖縄平和賞の贈賞を行い、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点の形成を図るとともに、これからの沖縄を担う高度で多様な人材の育成に取り組んでまいります。
一方、本県の財政は、中期見通しにおいて多額の収支不足が見込まれ、厳しい状況にあります。
このため、今後とも、地方分権の進展に対応した簡素で効率的な行財政運営に向け、「選択と集中」を徹底し、行財政改革を一層加速いたします。
以上、県政運営に当たっての所信の一端を申し上げましたが、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げます。

続いて、平成18年度における施策の概要について御説明申し上げます。
第1は、「米軍基地問題の解決促進と駐留軍用地跡地の利用促進等」であります。

在日米軍の再編と基地の整理縮小

在日米軍の再編については、昨年10月に日米安全保障協議委員会で、中間報告が合意されたところであります。
海兵隊の司令部や兵員等の県外移転、嘉手名飛行場より南の施設・区域のさらなる整理・統合・縮小については、一定の評価をしております。
しかしながら、沖縄における基地負担の象徴である普天間飛行場の移設については、平成11年に県と名護市が条件付きで代替施設を受け入れ、閣議決定に基づき、国、県、名護市等関係機関で2年間にわたる協議を重ねた上で、基本計画が策定され、地質調査などの作業や環境影響評価法に基づく手続きが進められてきた経緯があります。
これを踏まえれば、今回の新たな合意案については、普天間飛行場の早期返還につながるものとは考えられず、海兵隊の県外移転という県の基本的考え方とも相容れないことから、沖縄県として容認できるものではありません。
県としては、普天間飛行場の危険性除去のため、緊急的措置を含め、早急な対策が講ぜられ、在日米軍再編の最終報告にぐ県民の目に見える形での負担軽減という基本的な考え方が反映されるよう、全力を尽くします。
那覇港湾施設の移設については、「那覇港湾施設移設に関する協議会」等において、移設に関連した諸措置及び跡地利用等に関して、引き続き国、地元自治体等との協議、調整を進めます。
併せて、日米両政府による米軍再編の動向を注視しながら、適切に対応します。

日米地位協定の見直しの実現等

日米地位協定の見直しについては、多数の都道府県議会の決議や衆議院外務委員会等の国会レベルのほか、全国知事会や日本弁護士連合会等の主要な全国団体において見直しの決議が採択されるなど、県内外の各界各層において日米地位協定の見直しを求める動きが広がっております。
昨年11月には、渉外関係主要都道県知事連絡協議会を通して、日米地位協定について、2、3年以内等できるだけ短い期限を設けて見直しを行うことを、在日米軍の再編に係る最終報告に盛り込むよう政府に対し緊急要請を行ったところであります。
今後とも、あらゆる機会を通じて、日米地位協定が見直されるよう、積極的に取り組んでまいります。また、米軍基地から派生する事件・事故の防止や環境問題等の解決促進については、三者連絡協議会等を通じ強く求めます。

跡地利用の促進及び旧軍飛行場用地問題の解決促進

駐留軍用地跡地の利用の促進については、国や跡地関係市町村と密接に連携・協力し、個々の跡地の特性や課題に応じた取り組みを進めます。
旧軍飛行場用地問題については、各地主会や関係市町村長の意見も勘案しながら、県・市町村連絡調整会議を中心に要望案の取りまとめに努め、同問題の解決促進に取り組んでまいります。
第2は、「自立型経済の構築に向けた産業の振興と雇用の創出・確保」であります。まず、「質の高い観光・リゾート地の形成」について申し上げます。
観光・リゾート産業については、国際的な質の高い観光地の形成に向け、観光振興地域等における自然環境に配慮した観光利便施設や世界遺産周辺地域の整備を図るほか、観光のバリアフリー化を促進します。
また、観光客の多様なニーズに対応するため、質の高い人材の確保に努めるとともに、体験・滞在型観光やリゾートウエディングを推進します。
観光客数565万人を目標に、積極的な誘客プロモーションを展開し、特に、海外事務所等を活用した海外の誘客活動を強化します。
さらに、国際会議等の誘致を促進するとともに、第4回太平洋・島サミットの成功に向け取り組みます。
次に、「未来をひらく情報通信関連産業の振興」について申し上げます。
情報通信関連産業については、企業ニーズを踏まえた情報通信関連産業支援施設の整備を促進するとともに、通信コストの低減化支援等を推進します。
また、既存建物を有効活用したIT施設の整備を支援し、県外からの企業誘致に取り組むとともに、多様で高度なIT人材を育成します。

次に、「地域特性を生かした農林水産業の振興」について申し上げます。

おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化

ゴーヤー、きく、マンゴー等の戦略品目を中心に、農作物被害防止施設等の整備を支援し、拠点産地の形成を進め、沖縄ブランドの確立を促進します。
さとうきび、豚等の安定品目については、生産基盤の整備等により、安定的な生産供給体制の確立に努めます。
特に、琉球在来豚「アグー」の純粋種登録、生産供給体制支援を行い、「おきなわブランド豚」の確立に努めます。
また、有望な沖縄独特の島野菜や果樹については、品種の選定・普及や、栽培法の確立を推進します。

流通・販売・加工対策の強化

流通・販売・加工対策については、ゴーヤー、マンゴーの鮮度保持流通の実証を行うとともに、高鮮度保持に向けた研修会等を開催し、ブランド力の向上を図ります。
併せて、沖縄の島野菜等の流通体制を構築して、地産地消を推進するとともに、首都圏において情報収集・発信とインナーショップ等を積極的に展開し、マーケティングの充実を図ります。
また、モズクの加工対策を推進するとともに、県内外及び国外における流通対策を強化します。
さらに、農薬の適正使用の徹底や加工食品等の品質表示の適正化を図り、安全で安心な農産物を供給し、消費者からの信頼確保に努めます。

農林水産技術の開発と担い手の育成・確保

農林水産業の担い手については、認定農業者等の育成を図るとともに、農業大学校における農業基礎講座等の実施など新規就農希望者への支援を行います。
また、農林水産技術の開発に関する研究を推進します。

亜熱帯・島しょ性に適合した生産基盤の整備

生産基盤の整備については、農業用水源やかんがい施設等、農業生産基盤の整備を進めるほか、林業生産基盤や漁港施設等の水産基盤の整備などを進めます。

環境と調和した農林水産業の推進

また、天敵昆虫等を利用した防除技術の確立に向けて、調査研究や実証に取り組むとともに、不妊虫放飼法によるアリモドキゾウムシ等の根絶など環境負荷の低い害虫防除を推進します。

次に、「地域を支える企業の育成と創出」について申し上げます。

新事業の創出

新事業の創出については、産学官の連携による新技術・新製品の研究開発を促進し、その創出に取り組みます。
特に、健康・バイオ関連産業については、ベンチャー企業によるバイオ研究開発、製品化への取り組みを支援するとともに、健康食品の総合的な品質向上対策に取り組みます。

製造業等地域産業の振興

製造業等地域を支える産業については、新製品の開発や品質向上対策等を支援し、泡盛、健康食品、ファッション、工芸品など県産品の販路拡大を促進します。
また、企業連携の促進や中小企業の経営革新を支援するとともに、地域に密着した商店街の振興を図ります。
さらに、建設業の新分野・新事業への進出等を支援するとともに、構造改善の促進など建設業の健全な発展に努めます。

企業の立地促進

特別自由貿易地域等への企業の立地を促進するため、企業誘致セミナーの開催や企業訪問などトップセールスを積極的に展開するとともに、魅力ある投資環境を整備します。
また、金融業務特別地区における金融関連企業の集積を促進します。さらに、豊見城市地先開発事業を促進し、臨空港型産業等の立地を図ります。
次に、「雇用の安定と職業能力の開発」について申し上げます。雇用対策については、産業振興と一体となった雇用の促進と人材育成を進めます。
特に、沖縄県キャリアセンターにおいては、産学官連携の下、若年者に対し、職業観の形成から就職に至るまでの一貫した就職支援を行います。
職業能力の開発については、職業能力開発校における職業訓練に加え、専修学校等を活用した多様な委託訓練等を実施します。
また、障害者や母子家庭の母親等を対象とした職業訓練を実施するほか、駐留軍離職者の雇用の安定を図り、労働相談機能の充実に努めます。第3は、「科学技術の振興と国際交流・協力拠点の形成」であります。

科学技術の振興

科学技術の振興については、「沖縄県科学技術振興指針」に基づき総合的な施策を推進します。
特に、沖縄科学技術大学院大学の設置に向け、沖縄科学技術研究基盤整備機構が進める事業を支援するとともに、周辺整備に関する調査・検討を行うなど、開学に向けた取り組みを強化します。
また、産業系試験研究機関については、相互連携による先導的な研究開発を推進するとともに、特許等の取得・活用を促進し、新たな産業の創造や既存産業の高度化を図ります。

国際交流・協力拠点の形成

国際交流・協力拠点の形成に向けては、航空路線網の拡充や航空運賃の低減化に努めます。
また、国連機関を含む国際機関誘致に向けた環境整備に取り組むとともに、「第4回世界のウチナーンチュ大会」を開催し、世界のウチナーネットワークの深化・拡充及び次世代への継承に努めます。
平和行政については、第3回沖縄平和賞の贈賞を通して、平和を希求する「沖縄の心」を世界へ発信します。

第4は「環境共生型社会と高度情報通信社会の形成」であります。

ゼロエミッション・アイランドの実現に向けた取り組み

循環型社会の形成を図るため、一般廃棄物処理施設の整備を促進するとともに、公共が関与する産業廃棄物管理型最終処分場の整備について、用地選定と第三セクター設立に向けた取り組みを進めます。
また、産業廃棄物等からリサイクルされた建設資材等の利用を促進するとともに、廃棄物の不法投棄防止対策を強化します。
さらに、「沖縄県産業廃棄物税基金」の活用等により、産業廃棄物の排出抑制、リサイクル及び適正処理を促進します。

豊かな自然環境の保全

本県の豊かな自然環境を将来の世代に引き継いでいくため、地球温暖化対策を推進するとともに、赤土等流出防止対策として、推進目標を設定するための調査や農地等における対策を実施します。
また、豊かなサンゴ礁を保全するため、モニタリング調査及び啓発活動等を行うとともに、やんばる地域の生態系を保全するためのマングース等外来種の捕獲・進入防止対策や、保全対象松林における松くい虫の防除対策を推進します。

快適で潤いのある生活環境基盤の整備

快適な都市空間を形成するために、旭橋駅周辺地区市街地再開発事業の促進や、牧志・安里地区市街地再開発事業の計画等を促進するとともに、区画整理や街路、公園緑地、新石川浄水場等の上下水道の整備を進めます。
公営住宅については、老朽化した団地の建て替えを進めます。また、農山漁村においては、グリーン・ツーリズム等への支援を進めるとともに、集落排水施設などの生活環境基盤の整備を進めます。

県土保全

県土保全については、治山、治水、海岸事業等を推進するとともに、都市部の浸水被害の軽減を図るため、国場川、比謝川等を整備するほか、東江海岸等の整備を図ります。

高度情報通信社会の形成と行政サービスの充実

高度情報通信社会に対応するため、離島地域における通信の高速・大容量・低コストを可能とするブロードバンド環境を整備します。
また、電子県庁推進のため、行政手続のオンライン化等の情報化推進施策に取り組みます。第5は、「健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保」であります。

健やかでいきいきと暮らせる社会の形成

次世代育成支援については、昨年度に策定した「おきなわ子ども・子育て応援プラン」に基づき、地域における子育て支援や母子保健の推進、待機児童の解消及び認可外保育施設の認可化の促進や利用児童の処遇向上を図ります。
さらに、ファミリー・サポート・センターの設置を促進するとともに、ひとり親家庭等については、自立促進や生活の安定を図ります。
児童虐待については、相談支援体制等の機能強化を図るなど未然防止や早期対応等に努めます。
また、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続ける社会を目指し、市町材の介護予防の取り組みへの支援や、介護サービスの質の向上に取り組みます。
障害者の自立と社会参加を促進するため、障害者自立支援法の円滑な実施と、バリアフリー化や障害者就業・生活支援センターの充実に努めます。

安心して暮らせる保健医療の充実

保健医療については、医師、看護師等医療従事者の養成確保を図るほか、医療安全対策を推進します。
また、「県立南部医療センター・こども医療センター」を開院し、医療機能の向上を図るとともに、病院事業の効率的な事業運営や、高度・特殊医療、救命・救急医療、離島医療支援等の医療サービスの提供、民間医療機関等との適切な役割分担や医療連携を進めます。
併せて、「健康おきなわ2010」による健康づくり運動と生活習慣病の予防対策を積極的に推進するとともに、HIV感染の防止に向け、予防知識の普及啓発や検査体制の整備等を進めます。
さらに、食の安全・安心を確保するため、生産から消費までの総合的な施策を推進します。

ともに支え合う社会の構築

ともに支え合う社会の構築に向け、女性の社会参画を促すとともに、女性リーダーの育成などに取り組みます。
配偶者等からの暴力に対しては、関係機関と連携し、被害者等への相談・保護・援助を充実するとともに、防止に向けた広報啓発や加害者対策を推進します。
また、NPO等が行う社会貢献活動を促進するとともに、NPO等と行政の協働を推進します。
さらに、ハンセン病に対する偏見や差別を解消するため、ハンセン病の歴史的な検証をもとに正しい知識の普及啓発を行うとともに、回復者等の社会生活の支援に取り組みます。

安全・安心な地域社会づくり

県民の安全・安心の確保については、「ちゅらさん運動」による県民の自主防犯活動の活性化を図るとともに、防犯ボランティアヘの支援など、県や県民等が一体となって犯罪のない安全で安心して暮らせる社会の実現に努めます。
特に、県民が身近に不安を感じる街頭犯罪や侵入犯罪、歓楽街などにおける対策を強化するとともに、サイバー犯罪、不法投棄などの環境犯罪、暴力団や外国人犯罪の取締り等に対応した治安対策を総合的に推進します。
また、少年非行防止対策を強化するとともに、被害者支援や警察安全相談業務の推進、空き交番の解消等に努めます。
さらに、振り込め詐欺や悪質商法など消費者トラブルに関する苦情相談に適切かつ迅速に対応するとともに、啓発活動や消費者教育を推進します。
交通安全対策については、各季の交通安全運動を強力に推進するとともに、交通安全フェアの開催など、参加・体験型の交通安全教育を推進します。
併せて、交通事故を抑止するため、暴走行為等の取締りの強化や、飲酒運転撲滅対策に取り組みます。

国民保護・防災・危機管理

また、武力攻撃や大規模テロ対策などについては、国民保護法制や沖縄県国民保護計画の普及・啓発を図るため、フォーラム等を開催するとともに、市町村計画の策定を支援するなど、その体制整備に努めます。
防災等についても、地域防災対策の推進や危機管理体制の充実に努めるとともに、不発弾処理対策を引き続き実施します。
さらに、琉球諸島沿岸津波・高潮浸水予測地図の作成に引き続き取り組みます。

第6は、「多様な人材の育成と文化の振興」であります。

学校教育の充実

学校教育については、学力向上対策等を進めるとともに、たくましい心と体を育むため、心身の健康の保持増進と体力の向上を促進します。
また、児童生徒のやる気支援と居場所づくりに取り組むとともに、生徒の就業体験学習の推進など職業教育の充実を図ります。
さらに、国際化・情報化に対応し、外国人による語学指導や小学校における英会話活動及び情報教育等の充実を図ります。
高等教育については、国際性豊かな人材を育成するため、米国等への留学生派遣を進めるとともに、県立芸術大学における芸術教育・研究の充実・強化、IT関連教育の推進に努めます。
特別支援教育については、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育支援を行うほか、障害のない幼児児童生徒と共に学習する機会の拡充に努めます。
また、私立学校等に対する助成を行い、個性豊かな私学教育の振興を図ります。

青少年の健全育成と生涯学習の推進

青少年の健全育成については、異年齢による共同生活体験や自然体験活動などを通じて、健全でたくましい青少年の育成に努めます。
また、学校、警察等が連携して、青少年の深夜はいかい防止一斉行動や青少年を取り巻く環境の浄化など健全な社会環境づくりを進めます。
さらに、広域的な学習機会の拡充を図り、生涯学習の推進に努めます。

文化とスポーツの振興

文化の振興については、組踊など沖縄の伝統文化の振興・普及、県民の多様な文化芸術活動を促進するとともに、県立博物館新館・美術館の建設を推進し、展示公開の準備に着手します。
また、スポーツの振興を図るとともに、平成22年度の全国高等学校総合体育大会の開催に向けた取り組みを進めます。
第7は、「持続的発展を支える基盤づくり」であります。

空港・港湾・道路等の整備

空港については、那覇空港の沖合への空港施設の展開等に向けた総合的な調査の実施など条件整備に取り組むとともに、新石垣空港の用地取得等に取り組みます。
港湾については、那覇港の臨港道路及び廃棄物埋立護岸等を整備するとともに、中城湾港や運天港などを整備します。
道路については、那覇空港自動車道、沖縄西海岸道路等の整備を促進するとともに、伊良部大橋等の整備を推進します。
都市モノレールについては、引き続き効果的な需要喚起策を実施するとともに、首里駅から沖縄自動車道までの延長検討調査を実施します。
併せて、生活バス路線を維持・確保するとともに、交通需要マネジメントなどの施策を推進し、交通渋滞の緩和や公共交通の利便性の向上に取り組みます。
また、中南部都市圏における総合的な都市交通マスタープラン及び都市交通戦略の策定のため、パーソントリップ調査を実施します。

水資源の開発

水の安定確保については、大保ダムの建設等を促進するとともに、名護導水施設等の整備など、西系列水源開発事業を推進します。
第8は、「離島・過疎地域等の振興」であります。離島・過疎地域については、生活環境面での不利性を軽減するとともに、豊かな自然環境などの優位性を生かした地域づくりを促進します。

産業の振興・生産基盤の整備

特に、国に設置された「離島活性化調査検討会議」(通称:美ら島会議)と連携し、離島地域の活性化を担う人材の育成や、各離島の地域資源やアイデアを生かした産業育成に取り組みます。
また、農業用水源の確保や南大東漁港の整備など、生産基盤の整備を進めるとともに、離島における石油製品の本島並みの価格の安定と円滑な供給を図ります。

交通・情報通信体系・生活環境基盤等の整備

さらに、生活路線としての離島航路やバス路線、及び離島航空路の維持・確保に努めるとともに、伊良部大橋、平良城辺線電線共同溝の整備や、与那国空港、仲田港など離島の空港、港湾を整備します。
併せて、石垣空港における国際チャーター便に対応するため、CIQ施設を整備します。
情報通信基盤については、渡嘉敷村等において通信の高速・大容量・低コストを可能とするブロードバンド環境を整備します。
生活環境基盤については、竹富町等のごみ焼却施設等の整備など廃棄物の適正処理を促進するとともに、儀間ダム及びタイ原ダムを整備するほか、大浜磯辺地区等の集落排水施設を整備します。

保健・医療・福祉の充実

保健医療福祉については、離島・へき地遠隔医療支援情報システムの活用を推進するとともに、へき地医療支援機構を中心とする離島医療支援体制を強化するなど、離島・へき地における医療の充実を図ります。
また、医師確保対策を強化するための調査・検討を行うとともに、救急医療や過疎地域における巡回診療の充実に努めます。
さらに、介護予防事業の実施や介護サービスの充実に向けた取り組みを支援します。
第9は、「行財政改革の推進」であります。
簡素で効率的な行政体制を構築するため、平成21年度までを期間とする「沖縄県行財政改革プラン」に基づき、事務事業の選択と集中、出先機関の見直し、職員定員の適正管理、給与の適正化及び財政の健全化に取り組みます。
また、合併市町村への財政的支援等に努めるとともに、合併構想に基づき、引き続き、市町村合併を推進します。
さらに、公社等外郭団体の整理統合や病院事業の改革等を進めるとともに、行政の役割を改めて見直し、民間との協働による取り組みを推進します。
以上、平成18年度における施策の概要について申し上げました。

次に、今回提案いたしました議案について御説明申し上げます。
甲第1号議案から甲第29号議案までの予算議案について御説明申し上げます。
国の平成18年度予算は、これまでの歳出改革路線を堅持・強化するため、従来にも増して、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、厳しく抑制を図ることとして編成されております。
また、国・地方を通じた厳しい財政状況や財政構造改革の必要性を踏まえ、引き続き、地方分権時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを確立するため、徹底した行政改革を推進するとともに効率的で持続可能な財政への転換が求められております。
このような中、本県財政は、自主財源の柱である県税収入の大幅な増が見込めない厳しい状況にあります。
このため、平成18年度予算の編成に当たっては、事業の優先度に十分配慮しつつ、簡素で効率的な行財政運営を行い、現下の厳しい財政状況の中、限られた財源を緊急かつ重要な施策に的確に配分することを基本といたしました。
その結果、平成18年度予算は、

  • 一般会計において5,957億9,900万円
  • 特別会計において245億5,429万円9千円
  • 企業会計において889億3,731万円9千円

の規模となっております。
また、平成17年度予算につきましては、一般会計補正予算及び4件の特別会計補正予算並びに病院事業会計補正予算を提案しております。
なお、補正予算の議案につきましては、先議案件として、御審議を賜りますようお願い申し上げます。
次に予算以外の議案といたしましては、条例議案が「沖縄県危険物の製造所、貯蔵所又は取扱所の設置許可申請等手数料条例の一部を改正する条例」ほか32件、議決議案が「債権の放棄について」ほか11件を提案しております。
なお、乙第38号議案から乙第43議案「指定管理者の指定について」につきましては、先議案件として、御審議賜りますようお願い申し上げます。
以上をもちまして、今回提案いたしました議案の説明といたします。
なにとぞ、慎重なる御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。

※追加提出議案(3月2日)の説明要旨

平成18年第2回沖縄県議会定例会に追加提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げます。
乙第46号議案「沖縄県介護支援専門員資格登録申請等手数料条例」は、介護保険法の一部が改正されたことに伴い、介護支援専門員の資格登録申請等に係る手数料に関する事項を定めるため、条例を制定するものであります。
本議案は、介護支援専門員資格の登録や申請手続き等の詳細が、2月21日に国から示されたことから、追加議案として提出するものであります。
以上、追加提出いたしました議案について、その概要及び提案の理由を御説明申し上げました。慎重なる御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。

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〒900-8501 沖縄県那覇市泉崎1-2-3
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